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西方徘徊 164:BLACKMORE'S RAINBOW『Live In Osaka』 1976年12月8日大阪

いやぁ聴き惚れた。

いわゆるクリアな音とは違うし、雑味を感じはするものの、それでもこれ以上はなかなか望めないクラスの好バランスで耳に飛び込んでくる音の塊。残響の強さもここではむしろ聴感上の心地よさに繋がっているような。音像の奥行き感もいい感じです。

とにかく可能な限りの大音量で聴きたくなる。演奏自体はスリルを求めちゃうととちと物足りないのかもしれないけど安定度は高い。加えてオーディエンスノイズ、つまり熱狂している観客の騒乱ぶりに適度な距離が取られているため煩わしさを感じさせないのもこの音源の特筆すべきポイント。

その点では(ほとんどの桃虹音源に共通しているといえるけど)その場に居合わせたような臨場感よりも、演奏の内容を集中して味わうのに適しているといえそう。だからあとはもうひたすらその引き締まった音塊に気持ちよく身を委ねてしまえばいい。

というわけで、今回は1976年12月8日@大阪厚生年金会館、76桃虹9番目のタイトルを紹介します。

rainbow_76_12_8.jpg

この日については過去に2つの既発モノを取り上げていて、そこではこんなことを書いてました。

LH発の4CD仕様『Shadow Of The Wizard (Rising Arrow-038)』のDisc 1と2、12月8日の大阪厚生年金会館でのライブ。7日の名古屋公演を挟んだ、5日に続く大阪公演の2日目。翌9日には演奏されなかった(5日は演奏された)「Do You Close Your Eyes」で〆るセットリストです。

この日については以前既発盤『Lucifer Rising (Rising Arrow-010)』を取り上げたことがある ~略~ 音がこもりがちだった『Lucifer Rising』に比べると高域が伸びクリア度は上がっているものの距離はやや遠くなった印象。どちらが良い?には好き好き、と言いたいところですが、個人的には『Lucifer Rising』で本編終了後のアンコールを求める拍手から「Do You Close Your Eyes」~「Over The Rainbow」に使われている別ソースのシャリ感の強さがとても苦手。今後は今回買った『Shadow Of The Wizard』のみを聴くことになると思う(新タラが出るまでは、になるか?)。


新タラが出るまでは・・・まさしくその通りの結果に。聴き比べてみれば演奏音の存在感が圧倒的に違うことを痛感。それでも既発の長所を挙げるとすれば、桃印ではテープチェンジのタイミングで欠落してしまった「Catch The Rainbow」演奏後のロニーの「アリガト!」が聞けること位かしらん・・・(決して悪くはないんだけど)。


左:『Shadow Of The Wizard』 Rising Arrow-038
右:『Live In Osaka』 Tarantura TCDNIJIFUNE-4-1, 2

さて、今回はいつもとは趣向を変え、この日実際に現場で5人の繰り出す演奏を目撃している方に記憶をまさぐってもらいコメントをいただくことが出来たので、そちらを元にお送りしてみたいと思います(いきなりの他力本願モード!)。

全10公演中の3番目(大阪3デイズ初日)。2,400人の観客が詰めかけた中、ステージに姿を現したメンバー達がそれぞれにモニターの返りをチェック。あのお馴染みの進軍ラッパのようなフレーズで準備OKを告げるリッチー。そして上がる開演の狼煙。「虹の彼方に」そして未発表曲「Kill The King」がスタート・・・
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西方徘徊 159:BLACKMORE'S RAINBOW『破壊者は西へ:The Destroyer In The West』 1976年12月5日 大阪厚生年金会館

先の78ベック&スタンリーと一緒に入手したブツいきます。

徐々に、しかし確実に「決定版」の勢力図を塗り替えてきた新タラ桃印の76レインボーからまたもや新たな音源が登場。

12月5日(日)@大阪厚生年金会館大ホール 開演時間:1:00pm(これは知らなかった)
この日の演奏を一言で表すとすれば「堅実」。じゃロックっぽくないか。しかしそれがやがて狂気を孕んだ破壊劇へ。最後の「Do You Close Your Eyes」でのギタークラッシュはその音の良さと相まって強烈な印象を残します。一説によるとこの日は終演後のリッチーの機嫌がえらく悪かったそうで、その理由や如何に? 演奏の内容が文句無しに素晴らしいので?だったりしますが、ちなみに公式ライブ用にレコーディングされていたこの日の演奏は全てボツになってしまったそうな・・

トラック1は開演直前のマイク&キーボードのサウンドチェックの音にかぶる場内アナウンス。途中でカットアウトしますがそれでもあえて収録したのはそのドキュメント性を重視したからでしょうね。続くトラック2では既に会場のボルテージがかなり上がっていることがハッキリと伝わってきます。熱いね、大阪。

演奏音は全体的に重心が低めで厚みを感じさせるもの。メンバーが皆爆音で攻めているところでは音が飽和状態に達してしまいパートの分離が悪くなってしまうものの、不思議とノイズっぽさを感じさせない。個人的にはドラムスの弾力感のある音が今回もバンド全体の躍動感に一役買っていて嬉しいです。

テープチェンジはD1 tk13「Catch The Rainbow」の終演直後(そのため演奏後のメンバー紹介(tk14)からロニーとコージーが漏れてます)とD1 tk20「Man On The Silver Mountain」のやはり演奏直後。短時間でB面の録音を切り上げ、続くメドレー的に展開される後半の流れには新たなテープで対応しているもよう。初日のエラーを2日目でしっかりクリアしてくるあたり、やはりサスガという他ないです。

destroyer_in_the_west_is.jpg
”2階K列35番(最前列のほぼ中央)”

今回は毎度の「Kill The King」と他に尺の長いところをいくつかアレしてみました。

ちなみにこの日の既発盤からも同じ曲の試聴が出来るようにしてみたのでよかったら聴いてみて下さい。

西方徘徊 104:BLACKMORE'S RAINBOW 『Hail To The King』 1976年12月5日 大阪厚生年金会館

西方徘徊 157:BLACKMORE'S RAINBOW『Miami Wizard』1976年7月15日 マイアミ

へっ、へっ、へっぴしっ。

本日、花粉戦本格開幕

と来年の参考用にここに記しておこう。

さて今回は、

かなり前に入手しながら、未聴のまま放ったらかしにしていたレインボーの音源。例の西新宿7丁目1番地にあるショップが2点購入のオマケとして用意してくれたブツですが。

2ndアルバム『Rising』リリース直後のUSツアーから1976年7月15日のマイアミ公演を収録。

1976/06/11 Columbus Veterans Memorial Columbus, OH USA
1976/06/13 Fairgrounds Allentown, PA USA
1976/06/14 Fairgrounds Allentown, PA USA
1976/06/15 Allen Theatre Cleveland, OH USA
1976/06/17 Beacon Theater New York City, NY USA
1976/06/22 Hara Arena Dayton, OH USA
1976/06/24 International Amphitheater Milwaukee, WI USA
1976/06/25 Aragon Ballroom Chicago, IL USA
1976/06/26 Indianapolis, IN USA
1976/06/27 Orpheum Theater Davenport, IA USA
1976/07/02 Masonic Temple Rochester, NY USA
1976/07/03 Broadwalk Casino Arena Asbury Park, NJ USA
1976/07/08 SMU McFarlin Memorial Auditorium Dallas, TX USA
1976/07/09 Municipal Auditorium San Antonio, TX USA
1976/07/10 Music Hall Houston, TX USA
1976/07/15 Jai Alai Fronton Miami, FL USA
1976/07/20 St. Denis Theater Montreal, PQ Canada
1976/07/26 Civic Arena Pittsburgh, PA USA
1976/07/27 Market Square Arena Indianapolis, IN USA
1976/08/03 Starlight Bowl Amphitheater Burbank, CA USA

miami_wizard.jpg

西方徘徊 155:BLACKMORE'S RAINBOW『昼下がりの覇者 -Live In The Afternoon』1976年12月16日 日本武道館・昼の部

たまには日を置かずに更新してみよう、ってことで。

桃虹の76年モノもう一枚いきます。

けどさらっと(笑)。

全10公演行われた76年初来日ツアーのラス前、12月16日昼の部の演奏を収録。メンバーがステージに登場する直前から終演後のアナウンス(は途中でカットアウト)まで。

早速これまでこの日の決定版として君臨してきた同レーベル異テーパーによるタイトル『風神』と聴き比べてみるってと・・。毎度の「Kill The King」です。

左:『風神 Foojin' - 3rd Edition』 Tarantura TCDRAINBOW-0-1,2
右:『昼下がりの覇者 -Live In The Afternoon』 Tarantura NIJIFUNE 9-1, 2

foojin_b.jpg in_the_afternoon_b.jpg


いやー、かなり違うぞコレ。

やや距離を感じさせるコンパクトな音像ながらそれなりにバランスのとれた既発盤。それに対し今回の桃印盤は音の広がりや厚み、臨場感など、全ての点においてそれを凌駕。収容人員2,000人クラスのホールでの録音だった先の名古屋や大阪と比べると音が飽和状態というか(マスタリングに因るブブンもあるのかも)クリアさでは敵わないけど、相手は音量含めスケールのデカさをウリのひとつにしていたバンドゆえ、これぐらい荒っぽい音の方がかえって迫力が増して具合がいいというか、ともあれその聴き応えはかなりのものです。

in_the_afternoon_is.jpg

さて、いつも同じ曲ばかり貼っているので今回は尺の長いところを3つほど。

改めて、現場では一体どんな風に聞こえていたんだろ?と思わずにいられないドラム音(特にバスドラ!)の存在感が際立っている(まるで棍棒でドラム缶叩いてるみたいな)「Mistreated」。加えてこの日はロニーが絶妙かつ独特なアドリブを聴かせる点でも(特に6'00"以降!)強い印象を残すテイクになっています。

”It's called Man On The Silver Mountain, this one!  Hey!!”

そんな聴き馴染みのあるタイトルコールで始まる「銀嶺の覇者」は公式ライブ盤『On Stage』に使われたテイク。ところが、先の9日大阪の「虹をつかもう」同様やはり切った貼ったがなされているんですね。

2度目のリッチーのソロから「Blues」に流れるかと思いきや再びメインリフに戻り・・・その4'11"から5'40”までをバッサリと抜き取り、そこへ夜の部で演奏された「Blues」をインサートして仕上げたのが公式バージョン。その秘密を暴露?する真性バージョンがコレ。

ホルストの「惑星」と「Tarot Woman」のソロのフレーズがちらりと顔を出す展開に思わずニヤリとさせられるトニーのKeyソロに続いてバンドが怒濤の疾走を見せるこの昼公演の目玉曲「A Light In The Black」。

そして迎えるクライマックス。全10公演中最長版となったリッチーがひとり爪弾く「White Chirstmas」と再びのKeyソロ、そして「1812年」を含むフルスケールで演奏されるコージーのドラムソロを具に展開される「Still I'm Sad」でこのマチネ公演は幕を下ろすわけですが、さすがにこの後に夜公演が控えているせいかアンコールで披露されていたギタークラッシュのテーマ?「Do You Close Your Eyes」は演奏されず。

なのでややスケールダウンした感はあるものの、終始タイトに突き進むその演奏ぶりは数時間後にもう一公演控えているとはとても思えぬ充実したもの。

しかし”俺ぁまだ悲しくてたまらねー”と叫んで終わるライブってのもある意味スゴイよね(笑)。


さて、これにて現時点でリリースされている76桃印レインボーは全て紹介したことになるわけですが、あと残すところ3公演。今後リリースされる可能性や如何に。

ブート化を目的に録り続けていたわけではないでしょうし、7公演録ってるだけでもう恐れ入谷の鬼子母神って感じですが(古っ)、まずはの〆として各公演の現時点での私的決定版を書き並べておきます。

12月  2日 東京都体育館:Tarantura 『虹船 Legend Of The Additional Performance』
12月  5日 大阪厚生年金会館:Rising Arrow 『Hail To The King』
12月  7日 名古屋市公会堂:Tarantura 『虹 -Foldback, Marshall Majors-』
12月  8日 大阪厚生年金会館:Rising Arrow  『Shadow Of The Wizard』
12月  9日 大阪厚生年金会館:Tarantura 『紫のけむり』
12月10日 京都会館:Tarantura 『アパッチ -Playing The Shadows-』
12月13日 福岡九電記念体育館:Tarantura 『九電 - Jesu, Joy Of Man's Desiring』
12月14日 広島市公会堂:Tarantura 『極楽蝶 - Ave Maria』
12月16日 日本武道館(昼夜二公演):Tarantura 『昼下がりの覇者 -Live In The Afternoon』 同 『雷神 Risin'』

西方徘徊 154:BLACKMORE'S RAINBOW『紫のけむり』1976年12月9日 大阪厚生年金会館

またしてもすっかり間が空いちゃいましたが、7日の名古屋に続いてはツアー5日目(大阪公演3日目)12月9日の大阪厚生年金会館でのライブを収録したコチラっ。

purple_haze.jpg

開演直前、モニターチェックからの収録。ギターが小さく鳴り、ドラムがドカスカ。その重厚な音に場内が大いに沸いたところでロニーがONE, TWO!そして上げられた開演の狼煙・・

「Over The Rainbow~Kill The King」

この日もノッケからフリーフォームなリッチーのギター。イントロを突然ブレイクさせ、けれどバンドはドンピシャのタイミングで追随。トリルを、そして派手にアクションをキメるリッチーの姿が目に浮かぶような滑り出し。するとロニーもこの日限定のフェイントをかましてくる。リズム隊はすでにエンジン全開。

”HA!!” 最初の3連フレーズからリッチーのソロに突入する直前のロニーのそんなシャウトにシビれつつ、おそらくフルアドリブで炸裂するリッチーのソロも何やってるのかまるでワカランほどの凄まじさ(笑)。そのソロの途中で音が数秒くぐもる箇所があるものの、いやはや今回も見事な高音質ぶりです。


続いては終盤にリッチーとロニーのちょっとした掛け合いが聴ける「Mistreated」。ダレたところを全く感じさせない引き締まった演奏。ロニーが要所要所で聴かせるロングノートが素晴らしい。

ロニーから ”トミー・ボーリンへ” と告げられ演奏される「Greensleeves~Sixteenth Century Greensleeves」(ボーリンはこの5日前にオーバードーズにより死亡)。その「Greensleeves」の最後をハーモニクスで〆、ピックアップをリアへチェンジ。そのスイッチングノイズもやけにはっきりと聞き取れます。

何やらどこかで見憶えのある言い回しが混じり込んでますが、それにしてもスゴイ音。

前回の名古屋同様、桃虹音源の中でも屈指の高音質マスター。距離感(とても近い)、各パートのバランス共にすこぶる優秀。加えて特筆したいのが歓声や拍手といったオーディエンスノイズから一定の距離が確保されている点。それはまるで客席からでなくステージ袖から、あるいは後方から録られたと言われても信じてしまうレベル。いやそれじゃ音潰れちゃうか?

”Catch the rainbow, this one!”

そしてお次が公式ライブ盤『On Stage』に使用された「Catch The Rainbow」。正確にはこの日の演奏をメインに一部16日夜公演の音源に差し替えられたものが収録されています。なのでそんな編集前の真性バージョンが聴ける点も本音源のウリのひとつになっているんですね。

具体的にはロニーが音程を外してしまった終盤の独唱パート12'36"~12'42"と12'56"~13'01"の2箇所で編集が施されているもよう。

そこで本盤の「Catch The Rainbow」を動画化してみました。これが12月9日に浪速のファンの前で披露された「虹をつかもう」の真性版です。



この曲の終了直後が最初のテープチェンジのタイミングだったようで、そのためジミーによるメンバー紹介中、ロニーのそれが未収録ですが、ここは先の名古屋と全く同じですね。で同じといえば終演後のSE D2t11の「Over The Rainbow」もやはりアタマ欠けになっています。

そして今回もまたスルー出来ないというか、触れないわけにはいかないのが例のトラックの変わり目の音量ギャップ。残念なことに名古屋に比べると本盤のそれは結構目立っています。

それとなぜかディスク1の最後、tk22「Man On The Silver Mountain」にディスク2のtk2「Tequila」からtk4の「Keyboard Solo」(の途中まで)が入り込んじゃってるんですが、これは単純な消し忘れ?

purple_haze_is.jpg

これ以降の演奏内容については↓の中で書き散らかしてますんでよければ寄り道してやって下さいな。

西方徘徊097:BLACKMORE'S RAINBOW 『Heritage』 1976年12月9日 大阪厚生年金会館

西方徘徊 136:RAINBOW『Shadow Of The Wizard #1』 1976年12月9日 大阪厚生年金会館
Profile

たどん

Author:たどん
神奈川県在住
性別:男
誕生星座:山羊座(たまに射手座)
血液型:B

アタマ冷やせば?とかよく言われます

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