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此れから何しようとか、云いたい事は明日云えとか

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「刷り込み」の果てに:ベイ・シティ・ローラーズ 『青春に捧げるメロディー』

そしてベイ・シティ・ローラーズの初期ベスト盤 『青春の記念碑』と一緒にレジに持っていったのがコチラ。漠然とこれが最高傑作だったのでは?との思いがあった1976年リリースの4作目です。プロデュースはジミー・イエナー。ラズベリーズとその後のエリック・カルメンのソロ、最もポップに接近したグランド・ファンク・レイルロードなど、軽快なポップ仕上げを得手とするプロデューサー。オープニングに、数あるラズベリーズのレパートリーの中でも屈指の名曲「レッツ・プリテンド」を持ってきたのはこの人のススメでしょうか。
 
dedication.jpg
ベイ・シティ・ローラーズ 『青春に捧げるメロディー』
BMGジャパン BVCM-35531 2008
紙ジャケット仕様 初回生産限定盤
K2 24bit Mastering
解説・歌詞・対訳付

01. Let's Pretend レッツ・プリテンド    
02. You're A Woman すてきな君    
03. Rock'n Roller ロックン・ローラー    
04. I Only Want To Be With You 二人だけのデート    
05. Yesterday's Hero イエスタデイズ・ヒーロー    
06. My Lisa マイ・リサ    
07. Don't Worry Baby ドント・ウォリー・ベイビー    
08. Are You Cuckoo? カッコー鳥    
09. Write A Letter 愛をこめたレター    
10. Dedication 青春に捧げるメロディー

Bonus Tracks   
11. Rock'n Roll Love Letter ロックン・ロール・ラヴ・レター
12. Money Honey マネー・ハニー   
13. Love Me Like I Love You ラヴ・ミー・ライク・アイ・ラヴ・ユー   
14. Dedication 青春に捧げるメロディー

Leslie McKeown - lead vocals, background vocals
Eric Faulkner - lead guitar, rhythm guitar, acoustic guitar, vocals
Stuart Wood (Woody) - bass, vocals
Derek Longmuir - drums, percussions, vocals
Ian Mitchell - rhythm guitar, vocals

Produced by Jimmy Ienner
 
シュガー・コーティングされた曲々に混じる無骨なロック・ナンバー(「ロックン・ローラー」「イエスタデイズ・ヒーロー」)が効いてます。特に01から05の、質感の異なる曲をひとつの流れに乗せて一気に聴かせるあたりにプロデューサーの手腕が光るような。一部には悪評も散見されるジミー・イエナーですが、ここでの関係はとてもうまく行っているんじゃないでしょうか。そして最後を締めるバラード曲「青春に捧げるメロディー」。胸に迫るのは、十代の頃のあれやこれやのせいだけでは無さそう。メロディ、歌詞共に良く、ドラマティックな曲構成もお見事。甘さに切なさ混じりで聴後に深い余韻が。

他には、DJが紹介する新曲をラジオの前でワクワクしながら聴いたアノ頃を思い出す、シングル・ヒット・ナンバーのボートラ収録がウレシイ。ちなみに、エンディングに再収録されている「青春に捧げるメロディー」はイアン・ミッチェル突然の脱退により、急遽レスリー・マッコーエンのヴォーカルにて録り直されたヴァージョン。このあたりのバンド内の慌しい動きもクラス内ではちょっとした騒動になっていたことを思い出しますね。クラスのBCR番長だったYさん、副番長のUさん、お元気でしょうか?。

というわけで、全体的には幾分甘味が強すぎるキライはある。しかしだからこそ、突然無性に聴きたくなったりするわけで、愛聴という付き合い方ではないけれど、身近に置いておきたい作品。
dedicationinside.jpg

「Yesterday's Hero」



同曲のライブ音源(@日本武道館) + イメージ画像



そしてオリジナルのジョン・ポール・ヤング版

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「刷り込み」の果てに:ベイ・シティ・ローラーズ 『青春の記念碑』

年を取ると人は無意識に過去の記憶を操作するようになる、とはここ数年で気付いた脳医学上?の変化でありますが、それでも意識的に洋楽に向かうきっかけが、ラジオで聴いたカーペンターズだったことは間違いないはず。

その後程なく、家にあったナショナル製のラジカセでFM放送のエアチェックをし始め、ヨウガクという大海に漕ぎ出し始めたのが中学に入りたての頃。部活動をパスし、帰宅後はラジカセに噛り付く。当時のFM番組の主役はあくまで音楽で、DJはその水先案内人。扱うジャンルも実に多岐に渡り、その上録音されることを前提に組まれているプログラムも多かったので(特にNHK-FM)、タダなのを良いことに貪るように聴き、録りまくる日々でした。小遣いはすべてFM雑誌とカセットテープに消え、などと回想していたら、当時愛用のTDKならぬKDKというバチモンのカセットテープ(バカ安!)のことを思い出しましたが。

仮に「音楽人格」という言葉があるとするなら、当時のごった煮聴きがワタシのソレの形成に多大な影響を与えたのは明らかで、そういやA面がカーペンターズで、B面がウド・ユルゲンスなどという自家製テープが手元に残っていたりするのでした。誰だ?ウド・ユルゲンスって(爆)。

さて、そんなワタシの「音楽人格」の形成に深い影響を与えたグループがここにも。キャッチーなメロを飾るきらきらしたアレンジ。汗臭さとは無縁なそのムードが後にグラムの括りで語られる所以か。とにかく僕が中学生の頃、クラスの女子達にえらく人気があり、キッス、エアロにパープルな僕ら男子は表向きは彼らのことを軟弱とバカにしつつも、4畳半に戻っては聴き惚れシンガロング、というちと複雑な?事情が絡むグループなのでした。

そんな彼らの作品が一挙9タイトル、昨年10月に紙ジャケット仕様で再発。これまでは2000年にアリスタから出たリマスター・ベスト盤1枚で済ませていましたが、店頭でそれらをためつすがめつ、今回ついに2枚購入(笑)。内、1枚はデビューした71年から75年までのシングルA、B面曲を中心に収録した、日本独自企画で制作されたベスト盤です。

early_collection.jpg
ベイ・シティ・ローラーズ 『青春の記念碑』
BMGジャパン BVCM-35536 2008
紙ジャケット仕様 初回生産限定盤
K2 24bit Mastering
解説・歌詞・対訳付

01. Keep On Dancing 朝まで踊ろう (オリジナル・ヴァージョン)
02. Alright オールライト
03. We Can Make Music  二人のミュージック
04. Jenny  僕のジェニー
05. Manana  いとしのマナナ
06. Because I Love You  ビコーズ・アイ・ラヴ・ユー
07. Saturday Night  サタデイ・ナイト
08. Hey! C.B.  バイクで突っ走れ
09. Remember (Sha La La La)  想い出に口づけ
10. Bye Bye Barbara  バイ・バイ・バーバラ
11. Shang-A-Lang  ベイ・シティ・ローラーズのテーマ
12. Are You Ready For That Rock & Roll  ロックン・ロールにしびれて
13. Summerlove Sensation  太陽の中の恋
14. Bringing Back The Good Times  帰らざる青春
15. All Of Me Loves All Of You  明日に恋しよう
16. The Bump  ローラーズのバンプ
17. Bye Bye Baby バイ・バイ・ベイビー
18. It's For You  愛は君だけに
19. Maryanne  愛しのマリアンヌ
20. Give A Little Love  恋をちょっぴり
21. She'll Be Crying Over You  彼女を泣かせないで
22. Keep On Dancing 朝まで踊ろう
23. The Disco Kid ディスコ・キッド
24 .Angel Baby  エンジェル・ベイビー
25. My Teenage Heart  ひとりぼっちの十代
26. Mama Li ロックン・ロール・ママ・リー

こうして邦題を打っているだけで、何とも甘酸っぱい感覚が蘇ってきますが、そもそもはレコード・コレクターズ誌2月号にある「読者が選んだリイシュー・アルバム」の10位にランキングされているのを見て無性に欲しくなってしまったこのCD、イチバンのウリはノビー・クラークがリード・ヴォーカルだった時代のシングル(01から10まで。但し09の「想い出に口づけ」はレスリー・マッコーエンのヴォーカル・ヴァージョン)を収録しているところでしょうが、私的にはソングライターチーム、ビル・マーティン&フィル・コールターと組んで以降のA面曲に馴染みがあって盛り上がっちゃいますね。またM25「ひとりぼっちの十代」の収録が嬉しい。日本のみのシングルということで、前述のベストに入らなかったバンドメンバー、エリック・フォークナーとスチュアート・ウッド(当時はヴォーカルのレスリーと人気を二分してましたっけ)共作のオリジナル曲です。

他に強烈な印象を残している曲といえば、17の「バイ・バイ・ベイビー」でしょうか。BCRならぬ、BCLと言って何のことかお分かりの方は少ないかも知れませんが、昔、海外の短波放送を聴くという遊びにハマったことがありまして、たまたまラジオ・オーストラリアという局の日本語放送(今もあるのかしらん)で初聴きし、大のお気に入りとなったナンバーです。で、この曲がフォー・シーズンズのボブ・ゴーディオとプロデューサー、ボブ・クリューの作と知るのはまだまだ先のお話。しかしまあ、十代という特に感受性が強い時期に受けた「刷り込み」の根深さを痛感しますね。

最後に音質について触れておくと、唯一持っていた2000年に出たベスト盤『The Definitive Collection』(Arista 07822-14613-2:20-Bit Mastering by Seth Foster at Sony Music Studios, NYC)がこれまで出た中でおそらく最も音質の良かったものですが、今回のマスタリングはこれをあっさりと凌駕。低域が良い具合に沈んだおかげで全体的に迫力が増しました。

では、タータン・ハリケーン吹き荒れる英国の様子。マーティン&コールターによる名曲「太陽の中の恋」。アテフリですが



「バイ・バイ・ベイビー」


そして「ひとりぼっちの十代」


ああ、甘酸っぺ~

続・西方徘徊 004:THE WHO 『Woodstock 1969 Extended Version』

前回は映像版ウッドストックの内容を検証してみましたが、今回は音源の方をチェックしてみたいと思います。

フーのウッドストック音源の(現時点での)決定版はズバリどれ?

まずは当日のセットリストを再掲。

Sunday August 17, 1969
Woodstock Music & Arts Fair, Max Yasgur's Farm, Bethel, New York
01. Heaven And Hell
02. I Can't Explain
03. It's A Boy
04. 1921
05. Amazing Journey
06. Sparks
07. Eyesight To The Blind (The Hawker)
08. Christmas
09. The Acid Queen
10. Pinball Wizard
11. Do You Think It's Alright
12. Fiddle About
13. There's A Doctor
14. Go To The Mirror
15. Smash The Mirror
16. I'm Free
17. Tommy's Holiday Camp
18. We're Not Gonna Take It
19. See Me, Feel Me
20. Summertime Blues
21. Shakin' All Over
22. My Generation/Improvisation

この全22曲を「ほぼ」完全収録したタイトルが、僕の知る限りではこの2つ。

woodstock_1969_kf.jpg
『Woodstock 1969』 Killing Floor KF 98009/10
サウンドボード音源収録 プレス2CD ボーナストラック入 紙ジャケット仕様

violent_side.jpg
『The Violent Side: Live At Woodstock Festival 1969』 
Countdown Factory CDF-942006A/B
サウンドボード音源収録 プレス2CD ボーナストラック入

両タイトルとも同じソースを使用していて、音質差も注意して聴かなければ分からない程度。Disc 2の空きスペースにはボーナストラックとして1971年4月、ロンドンのヤング・ヴィック・シアターでの演奏が収録されています(こちらも同じソースを使用)。つまりこの2タイトル、見た目は違えど中身は同じ、ということになります。

そして前述の「ほぼ完全収録」の理由ですが、それが「We're Not Gonna Take It」の”See Me, Feel Me”パートの5'56"後にある数秒間の欠落。これは惜しい。

Disc 1
01. Heaven And Hell
02. I Can't Explain
03. IT's A Boy
04. 1921
05. Amazing Journey
06. Sparks
07. Eyesight To The Blind (The Hawker)
08. Christmas
09. The Acid Queen
10. Pinball Wizard
11. Do You Think It's Alright?
12. Fiddle About
13. There's A Doctor
14. Go To The Miror
15. Smash The Mirror
16. I'm Free
17. Tommy's Holiday Camp
18. We're Not Gonna Take It

Disc 2
01. Summertime Blues
02. Shakin' All Over
03. My Generation

Bonus Tracks
4. Getting In Tune
5. Bargain
6. Pinball Wizard / See Me, Feel Me / Baby Don't You Do It

この年、ヤング・ヴィック・シアターでのライブは計7回行われていますが、4月は26日の1回のみ(前日25日にリハが行われています)。この日の演奏については、まず1988年に「Won't Get Fooled Again」の再発シングルが切られた際のボーナス曲として、即興で演奏されたというラリー・ウィリアムスの「Bony Moronie」が、その後1994年に出た4CD BOX『Thirty Years Of Maximum R&B』に「Naked Eye」(「Bony Moronie」もコチラに再収録)、1995年『Who's Next』のリミックス&リマスター盤に再度「Naked Eye」と「Water」が、そして2003年の『Who's Next (Deluxe Edition)』リリースの際、ボーナスディスクに計14曲が一挙収録されました。しかしこの時点でも6の「Pinball Wizard / See Me, Feel Me / Baby Don't You Do It」は公式には未発表。ということで、上記の2タイトルはこの点においてもまだ価値あるブツと言えそうです。

とは言え、このヤング・ヴィックでのライブをメインに収録したブートも存在し、その中には興味深いリハーサル音源を収録したものもあります。次回は整理を兼ねてこのあたりを紹介してみましょうかね。

さてウッドストックにハナシを戻しますが、前回取り上げたジョアンナの3枚組拡張盤(1CD-R+2DVD-R)のCD-R、こちらはDVD-Rの音源をリマスターしたものを収録したようで、Disc 2のDVD-R同様、「Shakin' All Over」が未収録のほか、5曲に欠落部分があり、またマスターをデジタル変換する際に入ったと思われるノイズが「Summertime Blues」と「My Generation」に入ってしまっています。

この点、音源と映像を別物として切り分けてもらえると良かったんですが、これではせっかくの拡張版がいかにも水増し的で残念。個人的にはボーナスDVD-Rを外してでも音源の充実を目指してもらいたかったですね。

woodstock_1969_extended_s.jpg
『Woodstock 1969 Extended Edition』
Johanna Pictures JPD-250 1CD-R (+2DVD-R)

もうひとつ、こちらは海外製のタイトルです。やはりサウンドボード音源収録で、曲の欠けはありませんが、全体的にピッチが早く、S/Nも悪い。

starring_the_who.jpg
『Starring The Who?』 Silver Rarities SIRA 63 プレス1CD

というわけで、現時点でのウッドストックの決定版はCDでは前述の2タイトル、映像版はジョアンナ・レーベルのDVD-Rタイトル(下の画像)ということになりそうです。ちなみに、現在でも入手しやすいCDタイトルはKilling Floor盤の方。DVD-R版は西新宿のショップで容易に入手が可能です。

woodstock_1969_ee.jpg
『Woodstock 1969 Extended Edition』 
Johanna Pictures JPD-250 1DVD-R

The Electric Flag 『The Band Kept Playing』

おそらくは自身のやりたいことを具現化する場だったはずのエレクトリック・フラッグですが、先の1stアルバムをリリース後、なんとマイク・ブルームフィールド本人が脱退。一体どんな理由があったんでしょうか?ドラッグ?メンバーとの確執?

しかし1974年に再編、『The Band Kept Playing』なる新作を引っ提げバンドはカムバックを果たします。それにしてもつい深読みをしたくなるアルバムタイトル、そしてデザイン。

深読みといえば、R&B色の濃い1曲目「Sweet Soul Music」のサビの歌詞、"Play your sweet soul music for me one more time"もまるで聴き手の気持ちを代弁するかのようです。

本作ではコアなブルース色が薄まり、R&B色が幅を利かせている感じ。そしてデビュー作にあったバリエーションの豊かさを残しつつ、各曲のアレンジにある程度の統一感を持たせたことで、バンドの結合力を強く感じさせる、まさにジャケのデザインそのままなムードをもった作品です。マイクのギターもバッキングに回る曲が増え、その意味でも彼のキャリア中、最も「バンド色」の強い作品と言っていいんじゃないでしょうか。

the_band_kept_playing.jpg
The Electric Flag 『The Band Kept Playing』
Wounded Bird Records WOU 8112 2002

01. Sweet Soul Music
02. Every Now And Then
03. Sudden Change
04. Earthquake Country
05. Doctor Oh Doctor (Massive Infusion)
06. Lonely Song
07. Make Your Move
08. Inside Information
09. Talkin' Won't Get It
10. The Band Kept Playing

The Electric Flag is:
Michael Bloomfield - guitars
Buddy Miles - drums, lead vocals
Nick Gravenites - rhythm guitar, lead vocals
Barry Goldberg - keyboards
Roger (Jerryroll) Troy - bass, lead vocals

Guest Artists:
Richard Newell -harmonica
Richard Tee - keyboards
George Terry - rhythm guitar
Barry Beckett -mellotron, Moog
Nick Marrero - percussion
Albhy Galuten - keyboards

The Bonnaroo Horns
Muscle Shoals Horns

Produced by Jerry Wexler

再編にあたり一部メンバーの変更がありました。ホーン担当の3人が抜け、ベースのハーヴェイ・ブルックスの代わりにロジャー・トロイが加入。ベース演奏だけでなく、ソング・ライティングやヴォーカルでも力量を存分に発揮しています。ソング・ライティングと言えば、本作は収録曲の大部分がメンバーによるオリジナル曲。今回もいい曲が集まっていますね。また、アレンジもかなり練り込まれている印象を受けます。

個人的に気に入っていてよく聴く曲をいくつか。2曲目の「Every Now And Then」はバディ・マイルス作で、ヴォーカルもバディ本人です。今回のバディ・マイルスはソングライターとして3曲にクレジット、また10曲中6曲でリード・ヴォーカルを取る(内2曲はロジャー・トロイとのデュエット)など、大活躍です。この曲はムーグシンセサイザーの導入が印象的ですが、スティーヴィー・ワンダーを思わせるソウルフルなバディの歌、良いですね。とても気に入っています。

5曲目「Doctor Oh Doctor (Massive Infusion)」はヴォーカルを担当したニック・グレイヴナイツの作。ワウ・ペダルを通したギターサウンドが印象的な16ビートのブルース・ロック・ナンバーで、リフやツインリード(オーヴァーダビングでしょう)のギター・フレーズなど、いかにも70年代的な構築型の曲構成になっています。

6曲目「Lonely Song」はかつてポール・バターフィールド・ブルース・バンドで活動を共にしたキーボード奏者マーク・ナフタリンの曲で、ヴォーカルをとっているのはバディ・マイルス。肩の力が抜けているというか、レイドバックしたルーズな南部臭が心地良いナンバー。

8曲目に登場するは、やはり無いと寂しいブルース・ナンバー。待ってましたという感じ。ソウルフル、ハートウォーミングなロジャー・トロイの歌に呼応するギターの音色とフレーズ。ホーンのバックアップが曲に温かみを加え、思わずしみじみ。

しみじみといえば、最後にニックがほのぼのムードで歌うタイトル曲もそう。レイドバックしたスワンピーなロック。

さて、バンドがこれ以降オリジナル作品を残すことはなかったわけですが、僕自身、マイク・ブルームフィールドのキャリアに関して言えば、以降の活動は手つかずの状態でして。まだまだ未聴の作品がいくつもあるわけで、今回の紙ジャケ再発をきっかけに改めてじっくり聴き進めていきたいと思っているところです。

エレクトリック・フラッグ 『ア・ロング・タイム・カミン』

一見サイケデリック系?と思わせるジャケットの色味とデザインなれど、赤毛のモデル嬢(脚細っ)を囲む、むさ苦しげな御仁達の佇まいに、こりゃ一体どんな音が?との興味をそそられつつ。

昨年暮れにマイク・ブルームフィールド絡みのタイトル計8作品が紙ジャケ仕様で発売されましたが、コレはその中の1枚で、僕は世界初CD化となった『永遠のフィルモア・ウェスト』と、2008年最新リマスター仕様の3枚、『マイケル・ブルームフィールドの冒険』、ジョン・ハモンド、Dr.ジョンとのセッション作『三頭政治』、未聴だったニック・グレイヴナイツの初ソロ作『マイ・レイバー』を買いましたが、コチラは既に同内容のデジパック版(海外盤)を手にしていたのでスルー。なのに家の中のどこをどう探しても出てこない見つからない。

なので、結局コチラも買ってくることに。1968年発表のエレクトリック・フラッグのデビュー作です。このバンドはマイク・ブルームフィールドが自身のやりたい音楽を追求する場として作り上げた、という認識で良いのかしらん。


a_ling_time_comin.jpg
エレクトリック・フラッグ 『ア・ロング・タイム・カミン』
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル SICP 1961 2008 
紙ジャケット仕様 完全生産限定盤
1988年デジタル・リマスター ボーナス・トラック4曲収録
解説・歌詞・対訳付

01. Killing Floor
02. Groovin' Is Easy
03. Over Lovin' You
04. She Should Have Just
05. Wine
06. Texas
07. Sittin' In Circles
08. You Don't Realize
09. Another Country
10. Easy Rider

Bonus Tracks
11. Sunny
12. Mystery
13. Look Into My Eyes
14. Going Down Slow

Electric Flag is:
Michael Bloomfield - guitar
Harvey Brooks - bass
Buddy Miles - drums, percussion
Barry Goldberg - keyboards
Peter Strazza - tenor saxophone
Herbie Rich - tenor saxophone, baritone saxophone
Marcus Doubleday - trumpet
Nick Gravenites - vocals

まずブルース、そしてソウル、ファンク。加えてサイケデリックやジャズのムードもちらり。しかし、その前に粒よりの楽曲が集まっていることをまずは記すべきでしょうね。実にいい曲が揃ってます。それらがバリエーション豊富な曲調&リズムで展開。演奏の方も各メンバー聴き応え十分。そしてよく練り込まれたアレンジ。ブラス・セクションの存在がとても良いエフェクトになっていて、聴き終えると何やら多皿料理を食べたかのような充足感。つまり誰それのプレイがどうのという一点集中聴きもOKだし、総体としてのバンド・アンサンブルも実に美味な、とても充実した内容の1枚です。決してブルース好きだけにアピールする作品じゃあない。

それでもやはり、僕の耳は自然とギターに引き寄せられちゃうんですが。この作品にもマイク・ブルームフィールド最高の瞬間がしかと刻まれています。

というわけで特に印象に残る曲や、マイクのギターに的を絞って書くなら、まずは1曲目の「キリング・フロア」。この曲に込められた痛烈なメッセージにまずは触れておくべきですかね。冒頭はベトナム戦争拡大の張本人、当時の米国大統領リンドン・ベインズ・ジョンソンの演説をハデに笑い飛ばす皮肉たっぷりな演出(ジャケのデザインも彼らの諧謔性の表れ?)。この曲の歌詞をリアルなメッセージに昇華させた手法がお見事です。まさにマイクにとって「やりたいこと」を表現する場としてノッケから機能していることを実感。
Hey_Hey_LBJ.jpg  
"Hey, Hey, LBJ,  How many kids did you kill today?"

そんな刺激的な幕開けをする「キリング・フロア」ですが、曲調としてもオープニングにぴったりな勢い。ドラムはタムをロールし、ブラスが鳴り、ベースのグリッサンドに次いで切り込んでくるマイクのチョーキング。この瞬間から彼らの世界に引き込まれてしまう会心の出来。

マイク自身の作、06「テキサス」のギターも素晴らしい。持ち味全開のブルース・ナンバー。ややささくれ気味に聴こえるソレは、つれない彼女へのイラつきを吐露する内容に呼応するかのよう。ムカシはギターを持つことすなわち攻撃的な行為だったという、何処ぞで読んだハナシをつい思い出します。

08「You Don't Realize」はこれまた男女関係の無情を切々と綴ったバラード・ナンバー。っていうか、貢くんの苦悩を聞かされているという感じも。。

01同様、アメリカへの強いメッセージ性を感じさせる09の『アナザー・カントリー』。冒頭のサイレン音が緊張感を煽り、曲はやがて如何ともし難い絶望的な状況を音で表現したかのような混沌としたミドル・セクションに突入。固唾を飲んで聴き入っていると、現れるラテン風味のちと浮世離れしたムードのギター・ソロ。それが徐々にテンポアップしながら熱を帯びてきます。こりゃあ凄い。つい何度も聴き返したくなるシビレる名アレンジ、名演奏です。

続く雨音に混じるギター、50秒ほどの小曲で本編は幕を閉じますが、以降はCD化に際して加えられたボーナストラック。これらも本編と何ら遜色無いいい曲が揃ってます。加えて、音の質感が近いので違和感無しに聴けるのが嬉しいですね。「サニー」でのニックのヴォーカルは気合十分、バディ・マイルス作のややファニーな味わいのブラス・アレンジが楽しい求愛ソング「Mystery」、ジャジーなギターのハーフトーンが魅力的な13、最後は紫煙漂うブルースで〆。

というわけで、久しぶりに聴いた本作ですが、88年のマスターでも十分に良いと感じる音質です。元の録音が良いんですね。となるとかえって最新のリマスター仕様ならどんな音で聴けたのか、と思ったりもするわけですが。
Profile

たどん

Author:たどん
神奈川県在住
性別:男
誕生星座:山羊座(たまに射手座)
血液型:B

アタマ冷やせば?とかよく言われます

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