西方徘徊 061:ERIC CLAPTON 『Boogie Chillen' 旅人 貳』 1990年12月5日武道館
タランチュラレーベルからクラプトンの新しいブートがリリースされました。9回目となる1990年のジャパン・ツアーから12月5日の武道館公演を完全収録。以前ココで4日の演奏を収めた同レーベル発のブートを取り上げましたが、その続編。音源提供者も同じで、この日もDATレコーダーでの録音とのことです。
ある意味当時の日本の経済状況にマッチしていたとも言える高価なブランド服を着込んでブルースを演奏、というバブリーなムード漂わせるECですが、コンサートの内容から匂い立ってくるのもゴージャスさとコマーシャリズムといった印象(それが悪い訳じゃありません)。更に言えばソロ名義での活動期間中、最もハード・ロックに接近した(これについてはフィル・パーマーというサポートギタリストに因る部分も大きいようですが)と言いたくなるよな音とアグレッシヴな演奏が聴けます。
セットの流れ自体は4日と大差無いやや演出色の強いものですが、この日は「Driftin' Blues」が「Boom Boom」に、「Sunshine Of Your Love」からメドレー的に挿入される「Two Trains Coming」も「Boogie Chillen'」に替わっているなど、若干の変更がありますね。
音質については”シリーズものの場合、後発は先発を越えられない”という定説をアタマ差ほどで超えた見事な高音質ぶり。4日版も比較的距離感の近い好ソースでしたが、個人的にはバスドラの音により芯を感じられる点でこちらに軍配を上げたいと思います。
ちなみに、4日版は客入れ時のBGMから収録されていましたが、この日はLayla (Orchestra Intro)からの収録(アタマ数秒欠けてるような)。それに対し終演後についてはホール外の様子も録音されているなど、長めの収録になっています。
ある意味当時の日本の経済状況にマッチしていたとも言える高価なブランド服を着込んでブルースを演奏、というバブリーなムード漂わせるECですが、コンサートの内容から匂い立ってくるのもゴージャスさとコマーシャリズムといった印象(それが悪い訳じゃありません)。更に言えばソロ名義での活動期間中、最もハード・ロックに接近した(これについてはフィル・パーマーというサポートギタリストに因る部分も大きいようですが)と言いたくなるよな音とアグレッシヴな演奏が聴けます。
セットの流れ自体は4日と大差無いやや演出色の強いものですが、この日は「Driftin' Blues」が「Boom Boom」に、「Sunshine Of Your Love」からメドレー的に挿入される「Two Trains Coming」も「Boogie Chillen'」に替わっているなど、若干の変更がありますね。
音質については”シリーズものの場合、後発は先発を越えられない”という定説をアタマ差ほどで超えた見事な高音質ぶり。4日版も比較的距離感の近い好ソースでしたが、個人的にはバスドラの音により芯を感じられる点でこちらに軍配を上げたいと思います。
ちなみに、4日版は客入れ時のBGMから収録されていましたが、この日はLayla (Orchestra Intro)からの収録(アタマ数秒欠けてるような)。それに対し終演後についてはホール外の様子も録音されているなど、長めの収録になっています。
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西方徘徊 060:PAUL McCARTNEY 『Complete Rooftop Concert 2009』 2009年7月15日ニューヨーク
♪二日遅れの便りをのせて~~
何だかよく分かりませんが、先程ウチにもようやく届きましたよ。
で、すぐにでも聴きたいキモチをグッとこらえて、9日をハズシちゃったからにはもう慌てずに日曜の昼過ぎあたりからじっくり腰を据えて聴き始めようかと。とにかくハジメが肝心というか、出来るだけデカい音で鳴らしたいですからね。という訳で、何から聴き始めようかな。やっぱりきっちりとモノ版の『Please Please Me』から行きましょうかね。わくわく。
強めのエコーが掛けられているせいか、例えば距離感が遠目なボーカルとまるで詰め物をしたような響きの少ないコンパクトな鳴りのスネアに評価が分かれそうですが、バランスの良さはさすがライン録音。そんなソースで音のディテールを味わい、SBDソースでは大部分がカットされている観衆にやけにウケているポールのMCが聴けるAUDソースでその場に居合わせたかのようなリアリティの肉付けをし、最後はプロショット映像で仕上げ。印象の彫りをぐっと深める。
と書くとまるで1枚で3度オイシイって感じですが、はてさて?
何だかよく分かりませんが、先程ウチにもようやく届きましたよ。
で、すぐにでも聴きたいキモチをグッとこらえて、9日をハズシちゃったからにはもう慌てずに日曜の昼過ぎあたりからじっくり腰を据えて聴き始めようかと。とにかくハジメが肝心というか、出来るだけデカい音で鳴らしたいですからね。という訳で、何から聴き始めようかな。やっぱりきっちりとモノ版の『Please Please Me』から行きましょうかね。わくわく。
『ザ・ビートルズ BOX』『ザ・ビートルズ MONO BOX』どちらも輸入盤(トータル 45,581円也)
強めのエコーが掛けられているせいか、例えば距離感が遠目なボーカルとまるで詰め物をしたような響きの少ないコンパクトな鳴りのスネアに評価が分かれそうですが、バランスの良さはさすがライン録音。そんなソースで音のディテールを味わい、SBDソースでは大部分がカットされている観衆にやけにウケているポールのMCが聴けるAUDソースでその場に居合わせたかのようなリアリティの肉付けをし、最後はプロショット映像で仕上げ。印象の彫りをぐっと深める。
と書くとまるで1枚で3度オイシイって感じですが、はてさて?
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西方徘徊 059:PAUL McCARTNEY 『Live On The Common Halifax 2009』 2009年7月11日カナダ
きっと楽しませてくれる。必ず満足出来る。60年代や70年代から活躍していたアーティストなりグループが現在の活動でもそう思わせてくれるとしたらそれは何と幸せなことだろう。
僕にとってポール・マッカートニーのライヴは間違いなくそのひとつ。オープニングは何だろう?今回の初ビートルズは?ウイングスももっと聴きたい。新曲だってライヴならではのノリでもってますます魅力的に鳴り響くことだろう。ああ、ポールぅ(笑)。
ビートルズ・リマスターBOXのリリースが目前に迫りました。そこで今回はこんなブツ。7月11日からスタートした夏の北米ツアー初日、カナダのノバスコシア州にあるハリファックス・コモンズでの演奏をサウンドボード、プロショット映像で収録した一品です。

僕にとってポール・マッカートニーのライヴは間違いなくそのひとつ。オープニングは何だろう?今回の初ビートルズは?ウイングスももっと聴きたい。新曲だってライヴならではのノリでもってますます魅力的に鳴り響くことだろう。ああ、ポールぅ(笑)。
ビートルズ・リマスターBOXのリリースが目前に迫りました。そこで今回はこんなブツ。7月11日からスタートした夏の北米ツアー初日、カナダのノバスコシア州にあるハリファックス・コモンズでの演奏をサウンドボード、プロショット映像で収録した一品です。

ポールのライヴにまつわる最大の関心事といえば、やはり新たにセット入りするビートルズ・ナンバーは何?てなことになる訳ですが、この日の基本的な流れはこのハリファックス公演同様に放送ソースがブート化された昨年6月のリバプールやキエフ公演とよく似ています。
今回はそこにThe Fireman名義としては初の全曲歌入り作品となった『Electric Arguments』からの2曲(「Highway」「Sing The Changes」)と、初ビートルズとしてアンコールの1曲目で「Day Tripper」がセットイン。ウイングス・ナンバーの「Let Me Roll It」は後半ジミ・ヘンドリックスの「Foxy Lady」をモチーフにしたというジャムへと展開。また、キエフでも演奏された「Mrs. Vanderbilt」もしっかりポジションをキープしています。
昨年のリバプールが初お披露目だった「A Day In The Life / Give Peace A Chance」と、ウクレレの弾き語りで始まり途中からバンドが加わるドラマチックなバージョンにアレンジされた「Something」(2002年の来日公演では弾き語りのみの演奏でしたね)、そして個人的にとてもナイスな選曲「I've Got A Feeling」「Helter Skelter」どちらも健在。一方、最近になって演奏されていた「I'll Follow The Sun」が消えてしまったのは残念でした。
あとこのハリファックスだけのスペシャルとして、地元のバグパイプ楽団、78th Highlanders Pipe Bandがステージ上にずらり勢揃いし「Mull Of Kintyre」を一緒に演奏しています。スコットランド系移民の多いカナダならではの展開ですね。
またボーナストラックとして前日10日のサウンドチェックの様子(4曲中本番で演奏されたのは1曲だけ)と地元ラジオのインタビューを収録しています。相変わらずここんちのブツは具沢山ですよって(味の方はともかく^ ^ ;)。
今回はそこにThe Fireman名義としては初の全曲歌入り作品となった『Electric Arguments』からの2曲(「Highway」「Sing The Changes」)と、初ビートルズとしてアンコールの1曲目で「Day Tripper」がセットイン。ウイングス・ナンバーの「Let Me Roll It」は後半ジミ・ヘンドリックスの「Foxy Lady」をモチーフにしたというジャムへと展開。また、キエフでも演奏された「Mrs. Vanderbilt」もしっかりポジションをキープしています。
昨年のリバプールが初お披露目だった「A Day In The Life / Give Peace A Chance」と、ウクレレの弾き語りで始まり途中からバンドが加わるドラマチックなバージョンにアレンジされた「Something」(2002年の来日公演では弾き語りのみの演奏でしたね)、そして個人的にとてもナイスな選曲「I've Got A Feeling」「Helter Skelter」どちらも健在。一方、最近になって演奏されていた「I'll Follow The Sun」が消えてしまったのは残念でした。
あとこのハリファックスだけのスペシャルとして、地元のバグパイプ楽団、78th Highlanders Pipe Bandがステージ上にずらり勢揃いし「Mull Of Kintyre」を一緒に演奏しています。スコットランド系移民の多いカナダならではの展開ですね。
またボーナストラックとして前日10日のサウンドチェックの様子(4曲中本番で演奏されたのは1曲だけ)と地元ラジオのインタビューを収録しています。相変わらずここんちのブツは具沢山ですよって(味の方はともかく^ ^ ;)。
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西方徘徊 058:ERIC CLAPTON 『The Magnificent Seven』 1974年11月5日大阪
先日からバッド・カンパニー、ハンブル・パイと初来日のライヴを収録したブートを取り上げてきましたが、今回も初来日ものってことで、定番と知りつつもこれまで手を出していなかった音源を入手したので紹介してみたいと思います。1974年8月、新作『461 Ocean Boulevard』で長きに渡る隠遁生活に終止符を打ちシーンにカムバックを果たしたエリック・クラプトン。ここで聴けるのはその3ヵ月後の演奏です。
1974年の10月から11月にかけて計5回の演奏が行われたエリック・クラプトンの初来日公演から4日目の公演、11月5日大阪厚生年金会館でのライヴをモノラル・サウンドボード録音(ややヒスノイズが目立つものの、各パートのバランスは大変良好)で収録。2005年に『逢坂の七人』という名でリリースされその後廃盤になっていたタイトルが、廉価仕様で再発されていました。そう、意匠を簡略化した単なる廉価盤化だと思いますが、バックスリーヴに”Digital remasters 2009”との表記があります。ひょっとして音に手が加えられている?
プレーヤーのスタートボタンを押すとやおら聞こえてくるクラプトンのバカ笑いに思わず気抜けしますが、会場にいた誰もが意外に思ったであろう、このツアーの特徴のひとつ、主役がアコギを抱えての幕開けは、僕自身5年前に出た『461 Ocean Boulevard (Deluxe Edition)』のボーナス・ディスク(12月4, 5日の英ハマースミス・オデオン公演からの収録)で初めて知ったんじゃなかったかしらん。
これまでの来日公演中最悪の内容だったとか、後に本人も恥じ入ってたとか、そんなハナシだけが自身の中で一人歩き?していたせいもあって、つい軽視しがちだった初来日音源ですが、まぁ実際にこうして聴き始めると、確かに歌声に覇気がないなぁ、とか、客そっちのけで身内話に花咲かせてるよ、とか、冒頭の笑い声もそうですが何だかピリッとしない場のムードといった感じはあります。ところがよく聴けば演奏そのものはしっかりしているんですよね。特にリズム隊がバンドのタイトさの原動力になっているのを感じますね(ジェイミー・オールデイカーのドラムスがとてもイイ)。そんなところが顕著な例をひとつ挙げるなら「Presence Of The Lord」。いよいよ酔いが回りきっちまったか~?てなダルな歌で滑り出すも、あのワウを効かせたフレーズで火ぶたを切ってからは皆一丸となってスパーク。そんな落差がとても興味深い。
初めて体感する「ギターの神様」・・・最初のギターストローク、それは「緊張」が「歓び」に変わった瞬間だった・・・ 記念すべき、一九七〇年(原文まま)初来日のレイドバックした素晴らしいステージを収録! あの日の想い出が今、鮮やかに甦る!
~帯より~
~帯より~
1974年の10月から11月にかけて計5回の演奏が行われたエリック・クラプトンの初来日公演から4日目の公演、11月5日大阪厚生年金会館でのライヴをモノラル・サウンドボード録音(ややヒスノイズが目立つものの、各パートのバランスは大変良好)で収録。2005年に『逢坂の七人』という名でリリースされその後廃盤になっていたタイトルが、廉価仕様で再発されていました。そう、意匠を簡略化した単なる廉価盤化だと思いますが、バックスリーヴに”Digital remasters 2009”との表記があります。ひょっとして音に手が加えられている?
プレーヤーのスタートボタンを押すとやおら聞こえてくるクラプトンのバカ笑いに思わず気抜けしますが、会場にいた誰もが意外に思ったであろう、このツアーの特徴のひとつ、主役がアコギを抱えての幕開けは、僕自身5年前に出た『461 Ocean Boulevard (Deluxe Edition)』のボーナス・ディスク(12月4, 5日の英ハマースミス・オデオン公演からの収録)で初めて知ったんじゃなかったかしらん。
これまでの来日公演中最悪の内容だったとか、後に本人も恥じ入ってたとか、そんなハナシだけが自身の中で一人歩き?していたせいもあって、つい軽視しがちだった初来日音源ですが、まぁ実際にこうして聴き始めると、確かに歌声に覇気がないなぁ、とか、客そっちのけで身内話に花咲かせてるよ、とか、冒頭の笑い声もそうですが何だかピリッとしない場のムードといった感じはあります。ところがよく聴けば演奏そのものはしっかりしているんですよね。特にリズム隊がバンドのタイトさの原動力になっているのを感じますね(ジェイミー・オールデイカーのドラムスがとてもイイ)。そんなところが顕著な例をひとつ挙げるなら「Presence Of The Lord」。いよいよ酔いが回りきっちまったか~?てなダルな歌で滑り出すも、あのワウを効かせたフレーズで火ぶたを切ってからは皆一丸となってスパーク。そんな落差がとても興味深い。
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西方徘徊 057:HUMBLE PIE 『Ramble Humble』 1973年5月16日渋谷公会堂
リリース当時買いそびれて以来、なかなかお目にかかれなかったブツを先日ようやっと手に入れたので今回はそのヨロコビの報告。僕にとってのハード・ロック・バンドの理想型のひとつ、前稿に続き今回もハンブル・パイです。
1973年5月16日 東京・渋谷公会堂での演奏を収録。前稿で紹介したウインターランドから10日後の演奏ということになります。かなりコンディションの良いオーディエンスソースで、演奏開始前から終演後、おそらく会場の客電が点いた瞬間までをほぼ完全収録。なぜ”ほぼ”かと言うと「Hallelujah, I Love Her So」の曲中にテープを裏返した際のカットがあるからなんですが、あとはベースの音を中心に音がブーミーになる箇所(特に「Hallelujah, I Love Her So」以降)があるものの、総じてバランスの良い聴きやすい音源だと思いますね。
1973年5月16日 東京・渋谷公会堂での演奏を収録。前稿で紹介したウインターランドから10日後の演奏ということになります。かなりコンディションの良いオーディエンスソースで、演奏開始前から終演後、おそらく会場の客電が点いた瞬間までをほぼ完全収録。なぜ”ほぼ”かと言うと「Hallelujah, I Love Her So」の曲中にテープを裏返した際のカットがあるからなんですが、あとはベースの音を中心に音がブーミーになる箇所(特に「Hallelujah, I Love Her So」以降)があるものの、総じてバランスの良い聴きやすい音源だと思いますね。
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