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JEFF BECK 『Definition Of Blow』 1975年8月5日 名古屋

せっかくなので?前稿のボストン公演から3ヶ月後の音源も紹介してみたいと思います。

definition_of_blow.jpg

4月24日からスタートしたUSツアーに続いて2度目の来日となる日本公演が8月3日の札幌公演よりスタートします。この時は計5回の公演が組まれましたが、全て内田裕也氏が舵取りをした和洋バンド混合のロック・フェス、”ワールド・ロック・フェスティヴァル・イーストランド”への出演でした。

ここに収録されているのは2回目公演、5日の名古屋・愛知県体育館での演奏です。音質的には先のボストン公演盤に及ばないものの、バンド全体のテンションはむしろこの日の方が高く、ベックも随所でスリリングな演奏を聴かせてくれていますが、実はこの日ベックの体調は最悪だったらしく、実際計5回の公演中、京都(6日)と仙台(9日)のライヴをキャンセルしちゃってるんですね。

world_rock_festival.jpgところで、このフェスティヴァルのプログラム冒頭の内田裕也氏の”宣言”の中には「日本のバンドを前座としてでなく、公平に紹介することを第一主義とする」という一文があります。

そのことは当然各参加アーティスト達にも伝えられていた筈で、ならば、と”ロックの本場代表”としてベックも気合いの入った演奏を聴かせ、バンドのメンバーも風邪っぴきのベックを支え、鼓舞。その結果の名演ではないかと。が、前述の通りここでの無理が祟ったのか、翌日また寝込んじゃうんですけど。

definition_of_blow_02.jpg

aichiken_taiikukan.jpg
愛知県体育館第一競技場(愛知県体育館のサイトより)

西方徘徊 072:JEFF BECK 『Fire Still Burning』 1975年5月3日 ボストン

以前このブログで取り上げたジェフ・ベック1975年のライヴを収録した裏名盤と同じソースを収録したブツが先日リリースされました。

既発盤では非常にクリアーできらびやかな、若干派手目な音処理がなされていましたが、今回はライブの出だしと終わりのフェード処理をはじめ、余計な音加工、編集を極力施さず、音量およびピッチ調整を施す程度にとどめ、原音を極力尊重した形にてCD化。(もちろん音量調整の際は、歪みなどのノイズが生じないよう丁寧にマスタリングされています)~ショップのインフォメーションより~

本当にそこまで違う? 買う前に試聴させてもらいましたが、冒頭の部分が既発盤のようにフェイドインでなくカットインになっているのはその通り(ゆえに既発のコピー→イコライジング版ではない)。けど音質差についてはよく分からない。まして何やら微妙な言い回しだし。

ってことで、結局購入と(苦笑)。

fire_still_burning.jpg

聴き比べてみると、WT盤の方が若干高域が強調されているように聴こえます。また、これも何となくなんですが、新盤の方がテープのジェネレーションがひとつ若くなったように感じられる箇所もあるようで(ビミョウだな)。なので、音は”若干良くなってる”とは思うんですが、今回の再発のキモはそんな重箱の隅をつつくようなことではなく、長いこと中古市場でしか入手出来なかった良質な音源が再び容易に手に入れられる環境になったところにある訳で。

fire_still_burning_is.jpg

収録されているのは1975年作『Blow By Blow』リリース後に開始したUSツアーより、5月3日マサチューセッツ州ボストンにあるボストン・ミュージック・ホールでの演奏。曲数は少なめですが全曲収録とのこと。『Blow By Blow』のイメージでもって聴き始めると音の感じが随分と異なることに気付きます。その一番の理由は構成メンバーの違いによるもので、まずはリズム隊、バーナード・パーディとウィルバー・バスコムのコンビがもたらすアーシーでどこかまったりとしたリズムがスタジオ版のそれと大きく異なるからなんですね。

ちなみにこのUSツアーはマハヴィシュヌ・オーケストラとのジョイント形式になっていて(交互にトリを務めたのだとか)、ベックはひょっとしたら先鋭的なジャズ・ロックを高度なテクニックで聴かせる彼らを意識し、結果あえてファンキーな路線で差別化を図ったんじゃないかと勝手な想像をしてるんですが。つまりジャズ・ロックに対するジャズ・ファンク。そのためのバーナード・パーディであったし、ウィルバー・バスコムであったと(ツアー開始の前月にメンバーを決めたんだそうです)。バンドの持ち味が活かしにくい「Scatterbrain」は演奏せずに、かつてのレパートリーである「Superstition」や「Got The Feeling」といった黒めなところを取り上げているあたりにもそれがうかがえるような。ちなみにこの3ヶ月後、同じメンツでベックは2度目の来日を果たします。

音の方ですが、そんなまったり具合に実にお似合いのまるで会場の空気感をも取り込んだような音像が印象的。独演の「Jeff's Boogie」に続いて演奏される「Constipated Duck」で感じられるリアルなホール感なんぞ実に見事なものです。ショップのインフォにある”あたたかみのあるサウンド”にも思わず納得。近年主流のデジタルレコーダーの音とはひと味違うふくよかな音色を聴かせてくれます。

西方徘徊 071:BRUCE SPRINGSTEEN & THE E STREET BAND 『Ready To Run』 1975年7月20日 ロードアイランド州プロヴィデンス

飲めもしないのにいい気になって酒を呷り、友人達の下宿先を転々とし、それも侭ならん時はテキトーな場所を見つけ夜を明かして、家になんぞ寄り付きもしない。当時そんな風にあてなく街をふらつくことが何度あったことか。

って何を書いてんだ一体(笑)。

友人達が皆まじめに就職活動している中、あっちでふらふらこっちでふらふら、今思い返してもこの頃が最もやんちゃで(苦笑)生活が荒んでいた1985年。その一方で今も強烈に印象に残っている出来事が多かったのも確かで、今回のお題もそんな中のひとつ。

なのにそれが何日だったのか思い出せない4月某日、代々木のオリンピックプールで行われたブルース・スプリングスティーンの初来日公演。決して大げさでなく、空前絶後の大コーフンを味わわせてくれたライヴがコレ。頭ん中が真っ白になる程、飛び跳ね、歌い叫び、そんでもってビシビシ決まるアクションとキメのフレーズにマジでちびりそうになった。

ちなみに僕が初めてこの人の歌を聴いたのは、76、7年頃で、何となくFENからだったようにインプットされていますが「Born To Run」でした。

当時ロックといえば、英米のハードロックと四天王を中心としたプログレに熱を上げていた僕にとって、異質と感じたであろう筈のこの曲はしかし、ユニゾンで奏でられるフレーズとキラキラしたピアノの音が強く印象に残った記憶があります。

という訳で?今回は先々月の末にリリースされたスプリングスティーンのブートをご紹介。

ready_to_run.jpg

1975年7月20日、Born To Run ツアー初日のプロヴィデンス公演を収録。このブログでも何度か紹介している人物による録音ですが、今回もまたいい仕事っぷりで。

この音源は30周年記念盤で公式に日の目を見た11月18日のロンドンのハマースミスオデオンでの演奏と聴き比べてみると面白いかも。ロンドン公演の4ヶ月前のこの日、『明日なき暴走』からの演奏はたったの3曲。で、聴いておや?と思ったのが、その3曲への客の反応がやや淡白に感じられたことなんですが、どうやらこの時点ではアルバムはまだリリースされていなかったようで(アメリカでの発売は8月25日だったそうな)、そんな意味でも貴重な音源と言えそうです。

西方徘徊 070:ERIC CLAPTON 『What A Fool Believes』 1981年12月8日 横浜文化体育館

クラプトンの81年音源が出ました。

wafb.jpg

アルバム『Another Ticket』リリース後、計8公演が行われたという5度目のジャパン・ツアーのラス前、12月8日の横浜文化体育館での演奏をステレオ・オーディエンス音源にて完全収録。録音者は例によって桃印なお方。ちなみにこの日の音源は半年程前にLHが『Let Me In』というタイトルでリリースしていて、ソチラも音のクリアな良盤でしたが(乾いたスネアドラムの音が好みです)、なにぶん至近で鳴る手拍子や"イエーッ"を繰り返す一人の客が足を引っ張っており(苦笑)、今回メーカーがインフォで「オーディエンスノイズ無し」を謳うのはこのへんの事情があってのことでしょうね。とまれ、この日の音源としては、本タイトルが既発を凌ぐ内容になっているのは間違いのないところでがしょう。

この時のツアーメンバーは79年に英国人のみで仕切り直されたバンドに元プロコル・ハルムのゲイリー・ブルッカーを加えた布陣。

まずは裏ジャケの曲リストを確認しつつディスクをトレーへ。

♪We skipped the light fandango

1968年と言えば絶対に欠かせない個人的にとても重要な曲。思わずそのトラック8から聴き始めてしまいました。で、あのムードそのままに厳かに鳴るハモンドに深みのある声が乗ってくる瞬間ってば。 間違いなく本盤での私的クライマックスのひとつ。実に感動的。ちなみにここでソロを取っているのはアルバート・リーです。

とにかくこの1曲を聴いただけでもう本盤が価値あるものに思えてきます。これは是非ともナマで観たかった。それにしてもこのバージョン、”And so it was”のところでやけにタメ効かせてます。

他にはキーボードの音が音像に奥行きをもたせている録音の見事さを実感できる「Wonderful Tonight」。スリリングなソロがイケイケなビートに乗る「After Midnight」。「Another Ticket」のイントロ部分ではBB5の「God Only Knows」を連想し、7割以上がギターソロという「Blues Power」はバスドラの連打に支えられて以降の畳み掛けがコーフンもの。続く小気味良いシャッフル・ビートのマディ・ウォーターズ・ブルース「Blow Wind Blow」。もうひとつの私的クライマックス、搾り出すよなクラプトンの歌とテンションの高いギターが聴ける10分弱、「Ramblin' On My Mind / Have You Ever Loved A Woman」。

スローな前フリからやおら飛び出す「Layla」のリフ。この位置で演奏されるのならピアノ・コーダのパートが省かれているのはやはり残念。僕は「Layla」という曲はあの後半部分あってこその名曲だと思うんですよね。そして最後はメンバーが順に音を乗せて行くトラック9の「Band Introduction」が印象的な「Further On Up The Road」で了。これを聴くと思わず同じ年にシークレット・ポリスマンズで実現したクラプトンとベックとの共演を思い出しますね。

で。

最後のトラックが客出しBGM、ドゥービーの「ある愚か者の場合」です。それが本作のタイトルになっている訳ですが、何で?

西方徘徊 069:JEFF BECK 『Sling Shot』 1989年12月2日 カリフォルニア州サクラメント

もうひとつ、前回、前々回のタイトルと同日にリリースされたジェフ・ベックのブートを取り上げたいと思います。

1989年、アルバム『ギター・ショップ』リリース後、10月25日からスタートしたUSツアーのラス前の12月2日、カリフォルニア州サクラメントでのライヴをオドロキの高音質AUDソースにて収録。

sling_shot.jpg

全15曲計73分チョイの1CD仕様。それでも当日のセットリスト全曲収録とのこと。ちと短いんじゃ?と思われるかも知れませんが、この時のツアーはスティーヴィー・レイ・ヴォーン&ダブル・トラブルとのジョイントで各地を回るスタイルだった為、セット時間が通常より短めになっているんですね。

ちなみに日ごと交互にトリを務め、最後に「Going Down」で共演するといったパターンだったらしく、この日はベックのバンドにレイ・ヴォーンが加わるという流れになっています。で、この共演がまたゴキゲンで、王道的ブルースのマナーに良い意味でのケレン味(スパークするテキサス魂とも云う)混じりのSRVと変幻自在にトリッキーな技を繰り出すベックのバトルが本タイトルの目玉でもある訳ですが、そこに至るまでのバンドの演奏、特にこの日のベックは間違いなく絶好調、どの曲も見事な弾きっぷりですよって。

セット自体はショートスケールながら『ギター・ショップ』全曲を演奏するという、いわば『ギター・ショップ・ライヴ』的な内容になってますが、そこに「Freeway Jam」やフルコーラス演奏が復活した「Goodbye Pork Pie Hat」、「Blue Wind」といった往年の代表曲、そして「Train Kept A Rollin'」と「People Get Ready」のインスト・バージョンが混じるという構成になっています。実に計算の行き届いたセットリストという感じがしますね。

そして70年代や80年前半に比べると、インプロ的側面が形を潜め、かなりカチッとまとまった流れに(このあたりに時代の流れを感じます)。でもって演奏の方も揺らぎのない、スタジオ作同様にえらくタイトなもので、これは弦ベースレス(キーボードがベースの役目を兼任)と何と言ってもテリー・ボジオのタイム感がジャストな独特なグルーヴ感に因るところが大きいと思います。
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たどん

Author:たどん
神奈川県在住
性別:男
誕生星座:山羊座(たまに射手座)
血液型:B

アタマ冷やせば?とかよく言われます

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