西方徘徊 076:THE WHO 『Electric Factory』#2 : 1969年11月2日 ワシントンDC
では引き続き、今回Rattle Snakeレーベルが新たにリリースした『Electric Factory』の後半部分(11曲目から16曲目まで)、やはりライヴ・アルバム用に公式レコーディングされた音源を取り上げたいと思います。
収録されているのは1969年11月2日、ワシントンD.C.の名門私立大学、ジョージタウン大学にあるマクドナー体育館でのライヴです。
収録されているのは1969年11月2日、ワシントンD.C.の名門私立大学、ジョージタウン大学にあるマクドナー体育館でのライヴです。
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西方徘徊 076:THE WHO 『Electric Factory』#1 : 1969年10月19日 フィラデルフィア
前回のいかにもブートな音質のタイトルから打って変わり、今回はオフィシャルクラスの高音質で迫るブツを紹介したいと思います。


8月、ウッドストックで米国民に向け決定打を打ち、ワイト島で母国民にダメ押し、9月29日にはヨーロッパ国内で初の『トミー』演奏(由緒あるオペラハウスでの演奏で現地のラジオ放送用に録音もされました)とにわかに活動のスケールを拡げ始めたザ・フー in 1969。そんな波に乗っていた頃の演奏が抜群の音質で聴けるアイテムがコレ(以下RS盤)です。
10月10日から11月16日まで行われたアメリカ&カナダツアーから、10月19日、フィラデルフィア州ペンシルバニアにあるエレクトリック・ファクトリーでのライヴを収録。この日は午後の部(16時から)と夜の部(20時から)の2回公演だったらしく、ここで聴けるのは午後の部の演奏。ちなみにこのツアーではライヴ・アルバム制作の為のレコーディングがアチコチで行われていたようで、本盤に収録されているのもそんなソースが流出したものなんですね。
10月10日から11月16日まで行われたアメリカ&カナダツアーから、10月19日、フィラデルフィア州ペンシルバニアにあるエレクトリック・ファクトリーでのライヴを収録。この日は午後の部(16時から)と夜の部(20時から)の2回公演だったらしく、ここで聴けるのは午後の部の演奏。ちなみにこのツアーではライヴ・アルバム制作の為のレコーディングがアチコチで行われていたようで、本盤に収録されているのもそんなソースが流出したものなんですね。
「長い間ずっとライヴ・アルバムの計画を練っていた」と、ピートは『NME』紙のリチャード・グリーンに話している。「俺たちは先のアメリカ・ツアーで全公演を録音した。良い素材が手に入るだろうと思ってね。でもツアーから戻った時には収録テープが80時間分にもなっていて、それで、ほら、そんな膨大な素材の中から選び出すなんてとても出来なかった。そこでパイのモバイル・スタジオを借りてリーズへ乗り込んだ。すると今までの中でも最高な、そしてこの上ないほど楽しいライヴが出来たんだ」(ピートによると、海賊盤として流出することを恐れてアメリカでの録音は全て破棄されたとのことだが、いくつかの音源はその難を逃れて存在している)
シンコーミュージック・エンタテイメント 『ザ・フー コンプリート・クロニクル1958 - 1978~エニウェイ・エニハウ・エニウェア』
209ページより
シンコーミュージック・エンタテイメント 『ザ・フー コンプリート・クロニクル1958 - 1978~エニウェイ・エニハウ・エニウェア』
が、残念なことに当日”21曲版”で演奏された『トミー』からここに収録されているのはたったの6曲。一度は捨てられたというその成れの果てか、はたまた他のソースがどこかに残存するのか。ここから先はもうオフィシャルのチカラに期待するしかないのかも知れませんね。
そういや4月のリリース以降オフィシャル物の動きが途絶えてますが、もうそろそろ次が欲しいところですよね。例えば『四重人格』のDEとか、1970年タングルウッドのDVDとか。
そういや4月のリリース以降オフィシャル物の動きが途絶えてますが、もうそろそろ次が欲しいところですよね。例えば『四重人格』のDEとか、1970年タングルウッドのDVDとか。
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西方徘徊 075:THE WHO 『Over The Weekend』 1971年10月30日 ニューカッスル
では、ザ・フーの新作ブートまずはコレから。
1971年、ザ・フー絶頂期の演奏を味わえる音源が約8年ぶりにバージョンアップされました。ライヴバンドとしての力量をリアルに封じ込めた初のスタジオ作品としてピート自身も(やや皮肉を込めながらも)最高傑作と呼ぶ『Who's Next』リリースからおよそ2ヶ月後、10月18日のサウサンプトン・グルドホールを皮切りに11都市13回という規模で行われたUKツアーの9日目、10月30日のニューカッスル、オデオン・シネマでのライヴを距離感はあるものの、各パートのバランスが良好なオーディエンス音源にて収録しています。
1971年、ザ・フー絶頂期の演奏を味わえる音源が約8年ぶりにバージョンアップされました。ライヴバンドとしての力量をリアルに封じ込めた初のスタジオ作品としてピート自身も(やや皮肉を込めながらも)最高傑作と呼ぶ『Who's Next』リリースからおよそ2ヶ月後、10月18日のサウサンプトン・グルドホールを皮切りに11都市13回という規模で行われたUKツアーの9日目、10月30日のニューカッスル、オデオン・シネマでのライヴを距離感はあるものの、各パートのバランスが良好なオーディエンス音源にて収録しています。
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西方徘徊 074:RAINBOW 『An die Freude ~ 歓喜の歌』 1978年1月17日 大阪
ライン録音ではないけれど、文字通りのオーディエンス録音でもない。どういう事かと言うと、例えばバンドのメンバーや関係者がステージ上にレコーダーを持ち込み録音したものが流出しブート化、なんてパターンがあったりします。
実は今回のブートを初めて聴いた時、まず思ったのがソレ。とにかくリッチーのギターがやけに近く(その分ヴォーカルを含む他パートは”若干”オフ気味)、そのギラリとした鋭い音と相まり刺激的なことったらない。音像的にはまるでステージの向かって右側から中央にマイクを向けて録ったように聴こえるんですが(オーディエンスノイズがやや左ch側に寄っています)、全編一貫してそうという訳ではないし、単に客席前方から録ったオーディエンス音源に違いないと思いますが、製作サイドは当初コレをライン音源と判断したらしく、裏ジャケに「Soundboard Recording」の表記があります。加えて初登場音源という触れ込みも、どうやらアナログブート時代から出回っていたソースというオチが付いたようで。結局そこへ独自のマスタリングを施し、音の迫力を増大させたという事のようです。
実は今回のブートを初めて聴いた時、まず思ったのがソレ。とにかくリッチーのギターがやけに近く(その分ヴォーカルを含む他パートは”若干”オフ気味)、そのギラリとした鋭い音と相まり刺激的なことったらない。音像的にはまるでステージの向かって右側から中央にマイクを向けて録ったように聴こえるんですが(オーディエンスノイズがやや左ch側に寄っています)、全編一貫してそうという訳ではないし、単に客席前方から録ったオーディエンス音源に違いないと思いますが、製作サイドは当初コレをライン音源と判断したらしく、裏ジャケに「Soundboard Recording」の表記があります。加えて初登場音源という触れ込みも、どうやらアナログブート時代から出回っていたソースというオチが付いたようで。結局そこへ独自のマスタリングを施し、音の迫力を増大させたという事のようです。

収録されているのは、1978年に計16回公演で組まれた2度目のジャパンツアーから6日目、1月17日大阪厚生年金会館での演奏です。16、20日と合わせ、3デイズとなった同会場公演の内、何でもバンドがアンコールに応えたのはこの17日だけだったそうで、まずはリッチーのご機嫌が良かった17日の大阪、という位置付けがされているようです。ちなみに本編最後の「Still I'm Sad」終了後、アンコールに応えるまでの間、わずか20秒。シームレスに編集してあるだけで実はカットありというのであれば別ですが、そうでないのならこんなところにもリッチーのアゲアゲな様子が現われていると言って良さそう。
で、そう意識して聴くと確かにオーディエンスの反応が速く、しかも的を得ているようで(「Catch The Rainbow」での手拍子はいらんと思うけど)、例えばクッション的にやんわりと聴かせる「Blues」あたりでも盛んにメンバーの名を連呼するなど、いい具合の交感ムードがバンドに好影響を与えているってのはあるのかも知れないですね。
で、そう意識して聴くと確かにオーディエンスの反応が速く、しかも的を得ているようで(「Catch The Rainbow」での手拍子はいらんと思うけど)、例えばクッション的にやんわりと聴かせる「Blues」あたりでも盛んにメンバーの名を連呼するなど、いい具合の交感ムードがバンドに好影響を与えているってのはあるのかも知れないですね。
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西方徘徊 073:JEFF BECK with The Jan Hammer Group 『Boston 1976 Definitive Edition』 1976年10月10日 ボストン
先日取り上げた75年のコチラに続き、翌76年10月10日にボストンの同じ会場で行われた演奏を収録したブツがリリースされました(初登場音源ではないです)。75年盤同様オーディエンスソースが使われていますが、これがまた抜群の音の良さで、76年のヤン・ハマー・グループとのジョイントもので何かひとつと言われれば、まずはこの日を押さえるべきと言っても過言じゃありません。

てなことは全て過去の書き込み、大層なタイトルなんぞ付けて↓にうだうだ書き込んでいたりするので、今回は極々シンプルに音源のUP(MP3)だけにしておこうかと。なお、既発3タイトルについては数曲ずつ過去ログの方に貼り付けているのでよかったらそちらへも寄り道してみて下さい。
■ブートレグの私的功罪:ジェフ・ベック編

演奏前の司会者によるアナウンスから、終演後アンコールを求める観客の盛り上がり具合、客電点灯によるブーイングまで、オープニングアナウンスのすぐ後に一ヶ所カットがあるものの、演奏については見事に完全収録しています。また別のウリのひとつに、USツアーからの寄せ集めで作られた公式ライヴ盤『ライヴ・ワイアー』に収録されている「Blue Wind」がおそらくLPの収録可能時間の都合だと思いますが、短縮編集されていたことを暴露?した点があります。
音の方も限りなくライン録りに近いオーディエンス録音という感じで聴き応え十分なんですが、まずは2001年に高域が強調されたイコライジング臭の強いタイトルがリリースされ(それでもウハウハ言いながら聴いてました、もちろん)、その後前述のアナウンス部分などを加えた収録時間延長+ノンイコライジング(との触れ込み)版としてバージョンUP。以降は優秀な音源にありがちな、前タイトルが廃盤になると、別のレーベルがそれをフォロー、という流れになっています。
音の方も限りなくライン録りに近いオーディエンス録音という感じで聴き応え十分なんですが、まずは2001年に高域が強調されたイコライジング臭の強いタイトルがリリースされ(それでもウハウハ言いながら聴いてました、もちろん)、その後前述のアナウンス部分などを加えた収録時間延長+ノンイコライジング(との触れ込み)版としてバージョンUP。以降は優秀な音源にありがちな、前タイトルが廃盤になると、別のレーベルがそれをフォロー、という流れになっています。
てなことは全て過去の書き込み、大層なタイトルなんぞ付けて↓にうだうだ書き込んでいたりするので、今回は極々シンプルに音源のUP(MP3)だけにしておこうかと。なお、既発3タイトルについては数曲ずつ過去ログの方に貼り付けているのでよかったらそちらへも寄り道してみて下さい。
■ブートレグの私的功罪:ジェフ・ベック編
- 『Wired Up 1976』 Watch Tower WT2001003/4 (2001)
- 『Live At Boston 1976』 Watch Tower WT 2004115/6 (2004)
- 『Wireless』 Tarantura TCDJB-1 (2007)
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