FLEETWOOD MAC 『Been Down Three Times』 1977年5月18日 オークランド SBD音源
ピーター・フランプトンと芋づる式に連想するグループに僕の場合フリートウッド・マックがあります。バカ売れしたあの『噂』を出した頃のマックですが、根がミーハーなだけに『カムズ・アライヴ』同様、1000万枚を超えるセールス云々という惹句やヒットチャートを賑わしていた曲々に飛びついたんでしょうね。ボストンの『幻想飛行』から始まり、ジェフ・ベック『ワイアード』→スティーヴ・ミラー・バンド『鷲の爪』→ウイングス『ヴィーナス・アンド・マース』→失念→フリートウッド・マック『噂』てな具合に当時十代前半だった自分がなけなしの金をはたいて買ったLPの初期ラインナップに入っている大変思い入れの強い作品です。
という訳で今回は1977年5月18日、オークランドで録音された(会場名の表記はナシ)サウンドボードソースを収録したブツを取り出してきました。
という訳で今回は1977年5月18日、オークランドで録音された(会場名の表記はナシ)サウンドボードソースを収録したブツを取り出してきました。

ちょっとグッとくるでしょ、このジャケ写(笑)。
音質はいかにも卓直、歓声など客の反応が遠方で聴こえる実にサウンドボードらしい音です。それ故各パートの音の運びやコーラスの構成など、ディテールを味わうのに向いていると思いますが、僕の場合ミック・フリートウッドのドラムの重さや突っ走り具合にまずは耳を持っていかれちゃいますね。
それはただのポップグループ呼ばわりを拒むようでもあり。そもそもの出自からしてそんな枠に収まるグループではないんですが、当時のスタジオ作品に感じるポップなんだけどグルーヴィー(陳腐だなぁ)な味が拡大増幅する場がライヴってことで、特にバンマスのミック・フリートウッドがバンドを主導している様子がひしひしと伝わってきます。
一応セット全曲を収録しているようですが、曲間の大部分がカットされているのでMCはほとんど聴けません。また「Dreams」のようにノイズが混入している曲や、「You Make Loving Fun」のように突然カットアウトしてしまう曲があります(大好きな曲だけにこれは残念)。
それはただのポップグループ呼ばわりを拒むようでもあり。そもそもの出自からしてそんな枠に収まるグループではないんですが、当時のスタジオ作品に感じるポップなんだけどグルーヴィー(陳腐だなぁ)な味が拡大増幅する場がライヴってことで、特にバンマスのミック・フリートウッドがバンドを主導している様子がひしひしと伝わってきます。
一応セット全曲を収録しているようですが、曲間の大部分がカットされているのでMCはほとんど聴けません。また「Dreams」のようにノイズが混入している曲や、「You Make Loving Fun」のように突然カットアウトしてしまう曲があります(大好きな曲だけにこれは残念)。

[More...]
西方徘徊 116:PETER FRAMPTON 『Frampton Comes Arena!』 1978年10月25日 武道館
いやもう甘酸っぱいったらありゃしない。
アンコールに応え最後に演奏される「アイム・イン・ユー」。
ピアノのイントロが鳴ると同時に湧き上がる大歓声はかなり黄色混じり。そんな声色を除けば、客が歌詞の一句一句に強く反応する様はまるで海の向こうでのライヴを聴いているみたい。
かつてアイドル視されることを嫌いバンドを飛び出した彼はその9年後の1978年、ここ極東の地で凄まじい程の嬌声を浴びていた。
"Hello Tokyo! Please welcome for the first time in Japan. PETER FRAMPTON!!"
メガヒット作『フランプトン・カムズ・アライヴ』よろしくドラムスの軽快なフィルインから「Something's Happening」が飛び出すかと思いきや、意外なことにアコースティックセットでの幕開け。それを突風のように訪れた二年前の成功劇から幾分気持ちも落ち着き、やや距離を置き始めた彼の心情の現われと見るか。
『フランプトン・カムズ・アライヴ』は僕が本格的に洋楽を聴き出してから程無い頃に日本でも大ヒットしたライヴアルバムで、当時は音楽雑誌やラジオで彼に関する話題や曲を耳目にしない日はなかったと言っても大袈裟でないくらい大いに盛り上がっていた記憶があります。
まるで米西海岸産のような底抜けに明るいメロディとサウンドアレンジ、そして甘いヴォイス。アルバムからの第一弾シングルとしてリリースされた「ショー・ミー・ザ・ウェイ」なんぞその典型ともいえる曲で、ご多分に漏れず当時中学生だった僕もそのシングル盤を買い、夢中になって聴いたものです。
であれから34年。それがメジャーであればある程気持ちの中で錆び付いてしまったり風化していってしまう中、この曲はいまだに聴けばワクワク、を実感させてくれるいわばココロの名曲として自身の中に刷り込まれているんですよね。
さて、今回取り上げるブートはちょうど1ヶ月前にタランチュラレーベルがリリースしたもので、78年の初来日公演から10月25日の武道館公演を完全収録。音質もその距離感といい、バランスといい、申し分の無い仕上がりになっています。
アンコールに応え最後に演奏される「アイム・イン・ユー」。
ピアノのイントロが鳴ると同時に湧き上がる大歓声はかなり黄色混じり。そんな声色を除けば、客が歌詞の一句一句に強く反応する様はまるで海の向こうでのライヴを聴いているみたい。
かつてアイドル視されることを嫌いバンドを飛び出した彼はその9年後の1978年、ここ極東の地で凄まじい程の嬌声を浴びていた。
"Hello Tokyo! Please welcome for the first time in Japan. PETER FRAMPTON!!"
メガヒット作『フランプトン・カムズ・アライヴ』よろしくドラムスの軽快なフィルインから「Something's Happening」が飛び出すかと思いきや、意外なことにアコースティックセットでの幕開け。それを突風のように訪れた二年前の成功劇から幾分気持ちも落ち着き、やや距離を置き始めた彼の心情の現われと見るか。
『フランプトン・カムズ・アライヴ』は僕が本格的に洋楽を聴き出してから程無い頃に日本でも大ヒットしたライヴアルバムで、当時は音楽雑誌やラジオで彼に関する話題や曲を耳目にしない日はなかったと言っても大袈裟でないくらい大いに盛り上がっていた記憶があります。
まるで米西海岸産のような底抜けに明るいメロディとサウンドアレンジ、そして甘いヴォイス。アルバムからの第一弾シングルとしてリリースされた「ショー・ミー・ザ・ウェイ」なんぞその典型ともいえる曲で、ご多分に漏れず当時中学生だった僕もそのシングル盤を買い、夢中になって聴いたものです。
であれから34年。それがメジャーであればある程気持ちの中で錆び付いてしまったり風化していってしまう中、この曲はいまだに聴けばワクワク、を実感させてくれるいわばココロの名曲として自身の中に刷り込まれているんですよね。
*
さて、今回取り上げるブートはちょうど1ヶ月前にタランチュラレーベルがリリースしたもので、78年の初来日公演から10月25日の武道館公演を完全収録。音質もその距離感といい、バランスといい、申し分の無い仕上がりになっています。

音源提供者はこれまでにも様々なタイトルでその職人的な音の仕上がりを楽しませてくれた桃印なお方。他の音源をろくに聴かぬまま言っちゃいますが、フランプトンのAUDライヴソースでこれに勝る音源は無いと言っていいんじゃないでしょうか。
『フランプトン・カムズ・アライヴ』に馴染んでいる耳で聴くと、この日の演奏は全体的にややラフな印象。そこが却って面白く聴けるというか、まぁレコーディングされていた訳でなし、ファンの熱狂的なムードの中のびのびと演奏を楽しんでいる姿が音から伝わってきますが、MCではあえて平易な言葉を選びゆっくり話すなど、丁寧なサービスっぷりが印象的でもあります。
そして改めて思うのが音楽へ向かうスタンスの屈託の無さ。明るい曲調からそう感じる部分が大きいとは言え、例えばドゥービー・ブラザースへのリスペクトをストレー トに表現した「Doobie Wah」や王道的なモータウンナンバーのカバーに代表されるアメリカン・ミュージックへのアプローチにもそれがよく現われている気がします。
個人的には全編聴きどころといった感じですが、その中で強いて選べば、彼がハンブル・パイ、中でもイミディエイト期とA&M移籍後の『大地と海の歌』に持ち込んだトラディショナル・フォークの残り香を感じさせるインスト曲「Penny For Your Thoughts」(邦題「空白の時間」)やポップの権化のような「Something's Happening」と「Show Me The Way」。
こんなポジティヴな心情を持ち前の明るいキャラクターで演奏する、言ってみればそんな嘘のないスタイルをアピールしながら全米中の人気を獲得していったんだろうな、ふとそんなことを思わせる「I Wanna Go To The Sun」。あのジェフ・ベックからトーキング・モジュレーターを取り上げた(正しくは真似されて使うのがイヤんなっちゃった)曲としてもベックのファンに知られている(それでも僕は大好きですが)「Do You Feel Like We Do」(邦題「紫の夜明け」)。
そして冒頭に書いたように来日を待ちわびていた日本のファンとの濃ゆい交感が聴ける「I'm In You」ってとこでしょうか。
『フランプトン・カムズ・アライヴ』に馴染んでいる耳で聴くと、この日の演奏は全体的にややラフな印象。そこが却って面白く聴けるというか、まぁレコーディングされていた訳でなし、ファンの熱狂的なムードの中のびのびと演奏を楽しんでいる姿が音から伝わってきますが、MCではあえて平易な言葉を選びゆっくり話すなど、丁寧なサービスっぷりが印象的でもあります。
そして改めて思うのが音楽へ向かうスタンスの屈託の無さ。明るい曲調からそう感じる部分が大きいとは言え、例えばドゥービー・ブラザースへのリスペクトをストレー トに表現した「Doobie Wah」や王道的なモータウンナンバーのカバーに代表されるアメリカン・ミュージックへのアプローチにもそれがよく現われている気がします。
個人的には全編聴きどころといった感じですが、その中で強いて選べば、彼がハンブル・パイ、中でもイミディエイト期とA&M移籍後の『大地と海の歌』に持ち込んだトラディショナル・フォークの残り香を感じさせるインスト曲「Penny For Your Thoughts」(邦題「空白の時間」)やポップの権化のような「Something's Happening」と「Show Me The Way」。
こんなポジティヴな心情を持ち前の明るいキャラクターで演奏する、言ってみればそんな嘘のないスタイルをアピールしながら全米中の人気を獲得していったんだろうな、ふとそんなことを思わせる「I Wanna Go To The Sun」。あのジェフ・ベックからトーキング・モジュレーターを取り上げた(正しくは真似されて使うのがイヤんなっちゃった)曲としてもベックのファンに知られている(それでも僕は大好きですが)「Do You Feel Like We Do」(邦題「紫の夜明け」)。
そして冒頭に書いたように来日を待ちわびていた日本のファンとの濃ゆい交感が聴ける「I'm In You」ってとこでしょうか。
[More...]
西方徘徊 115:BLACKMORE'S RAINBOW 『Heavy Portrait』 1975年11月12日 NY
うわ、まるでパープル時代のような幕開け。でもって1曲目は当時未発表の新曲「Do You Close Your Eyes」、後にギターの破壊劇で会場を興奮のるつぼと化すナンバー。で続くは期間限定、このツアーでのみ演奏された1st 『銀嶺の覇者』収録の「Self Portrait」ときた。
今回初めて75年ツアーの音源を聴く身としちゃこれだけでもかなり新鮮なんですが、本音源最大のキモは何と言っても2nd 『虹を翔る覇者』を彷彿とさせる「Stargazer」と「A Light In The Black」の連続演奏でしょうね。
収録されているのは1975年11月12日ニューヨーク、ビーコン・シアターでのライヴ(USツアー計13公演の2日目)。時期的には2nd『虹を翔る覇者』リリースのおよそ半年前にあたりますが、それをオーディエンス音源で完全収録しています。
11/10 Forum Montreal, Quebec, Canada
11/12 Beacon Theater, New York City, NY
11/13 Palace Theater, Waterbury, CT
11/14 Calderone Concert Hall, Hempstead, NY
11/15 Tower Theater, Upper Darby, PA
11/16 Civic Theater, Akron, OH
11/18 Ford Auditorium, Detroit, MI
11/19 Uptown Theater, Milwaukee, WI
11/20 The Ambassador Theater, St. Louis, MI
11/22 Auditorium Theater, Chicago, IL
11/26 Selland Arena, Fresno, CA
11/28 Berkeley Community Theater, Berkeley, CA
11/29 Civic Auditorium, Santa Monica, CA
音質はかなり良好。3,000人弱のキャパシティ、例えれば大阪フェスティバルホールクラスの規模だと思いますが、おかげで距離が近く音像は肉厚。十分高音質(あくまでブートレベルにおいて、ですが)と言って良いと思います。
という訳でまずは「Do You Close Your Eyes」。個人的にはアメリカのマーケットにも十分通用するキャッチーさ、つまり大衆受けするヒット性を備えた曲だと思っているんですが、いやこの曲に限らず『虹を翔る覇者』のA面にはそんなポテンシャルを持った曲が並んでいるというのが持論というか。もしも当時米国中を長期間に渡り行脚でもしていたらその後の展開はかなり違ったものになったんじゃなかろうか、と思っているんですけども。
現にこの音源を聴くと開演前からリッチーコールが聞こえるなど会場は既にかなりヒートアップしているのが分かります。まぁ人種のるつぼと言われるNYが舞台だけにちと事情が特殊なのかも知れませんが、こんな歓迎ぶりを耳にするとその持論とやらがまたリアリティを増してしまうんですが。
DYCYEに続いては本盤のタイトル通り、コージーのドラムを得て重厚さを増した「Self Portrait」。ところどころにパープル時代の残り香のようなものを感じさせるこの曲を経てセットは前半のハイライトへ。
その選曲と流れに76年ツアーの片鱗が伺えますが、「Sixteenth Century Greensleeves」にしろ「Man On The Silver Mountain」にしろ、いや後半の「Stargazer」も後の演奏と比べると全体的にテンポを抑えているところが初期の音といった感じで興味深いですね。
カリスマ性を感じさせるロニーの畳み掛けるようなMCに沸き立つ観客。そして後年の演奏と比べても何ら引けを取らない「Catch The Rainbow」も本音源の聴きどころのひとつだと思います。特に閃きに満ちたリッチーのギターが素晴らしい。
そして後半はトニーのソロを前菜にいよいよ本音源のメインディッシュへと突入。その聴き応えにはやはり格別なものがありますね。
「Cozy Powell Drum Solo」。単にそうクレジットされていますが既に「1812」がしっかり組み込まれていました。後のバージョンと比べると尺が短めなのでどうかな、と思いきや得意のフレーズを捲し立てるように繰り出すその内容は実に濃厚な味わい。高揚の度合いではむしろ後年のバージョンを凌いでいるかも、そんな印象を受けましたね。
ゆるめのインプロを経て演奏される「Still I'm Sad」ではリッチーがピックアップのポジションを切り替えた時(またはボリュームを上げた時)に大きなノイズが発生しますが、これがこのUSツアー中絶えずメンバーやスタッフを悩ませ続けた例の虹のアーチに起因するノイズなんでしょうか。
ところで、このタイトルには最後にちょっとしたオマケが収録されていました。リッチーのソロデビュー作として紹介されている『銀嶺の覇者』リリース直後のBBCによるリッチーとロニーのインタビューなんですが、クォーターマスの「Black Sheep Of The Family」のカバーに関することから始まり、Elfとの出会い、曲の解説など、6分以上にわたってあれこれしゃべっています(いるようです)。
が、そんな内容の前にそもそもリッチーの肉声そのものが実はかなりレアだったりしません?
という訳で、まずはそのクォーターマスのBBC音源から「Black Sheep Of The Family」をどうぞ♪
今回初めて75年ツアーの音源を聴く身としちゃこれだけでもかなり新鮮なんですが、本音源最大のキモは何と言っても2nd 『虹を翔る覇者』を彷彿とさせる「Stargazer」と「A Light In The Black」の連続演奏でしょうね。
収録されているのは1975年11月12日ニューヨーク、ビーコン・シアターでのライヴ(USツアー計13公演の2日目)。時期的には2nd『虹を翔る覇者』リリースのおよそ半年前にあたりますが、それをオーディエンス音源で完全収録しています。
11/10 Forum Montreal, Quebec, Canada
11/12 Beacon Theater, New York City, NY
11/13 Palace Theater, Waterbury, CT
11/14 Calderone Concert Hall, Hempstead, NY
11/15 Tower Theater, Upper Darby, PA
11/16 Civic Theater, Akron, OH
11/18 Ford Auditorium, Detroit, MI
11/19 Uptown Theater, Milwaukee, WI
11/20 The Ambassador Theater, St. Louis, MI
11/22 Auditorium Theater, Chicago, IL
11/26 Selland Arena, Fresno, CA
11/28 Berkeley Community Theater, Berkeley, CA
11/29 Civic Auditorium, Santa Monica, CA
音質はかなり良好。3,000人弱のキャパシティ、例えれば大阪フェスティバルホールクラスの規模だと思いますが、おかげで距離が近く音像は肉厚。十分高音質(あくまでブートレベルにおいて、ですが)と言って良いと思います。
という訳でまずは「Do You Close Your Eyes」。個人的にはアメリカのマーケットにも十分通用するキャッチーさ、つまり大衆受けするヒット性を備えた曲だと思っているんですが、いやこの曲に限らず『虹を翔る覇者』のA面にはそんなポテンシャルを持った曲が並んでいるというのが持論というか。もしも当時米国中を長期間に渡り行脚でもしていたらその後の展開はかなり違ったものになったんじゃなかろうか、と思っているんですけども。
現にこの音源を聴くと開演前からリッチーコールが聞こえるなど会場は既にかなりヒートアップしているのが分かります。まぁ人種のるつぼと言われるNYが舞台だけにちと事情が特殊なのかも知れませんが、こんな歓迎ぶりを耳にするとその持論とやらがまたリアリティを増してしまうんですが。
DYCYEに続いては本盤のタイトル通り、コージーのドラムを得て重厚さを増した「Self Portrait」。ところどころにパープル時代の残り香のようなものを感じさせるこの曲を経てセットは前半のハイライトへ。
その選曲と流れに76年ツアーの片鱗が伺えますが、「Sixteenth Century Greensleeves」にしろ「Man On The Silver Mountain」にしろ、いや後半の「Stargazer」も後の演奏と比べると全体的にテンポを抑えているところが初期の音といった感じで興味深いですね。
カリスマ性を感じさせるロニーの畳み掛けるようなMCに沸き立つ観客。そして後年の演奏と比べても何ら引けを取らない「Catch The Rainbow」も本音源の聴きどころのひとつだと思います。特に閃きに満ちたリッチーのギターが素晴らしい。
そして後半はトニーのソロを前菜にいよいよ本音源のメインディッシュへと突入。その聴き応えにはやはり格別なものがありますね。
「Cozy Powell Drum Solo」。単にそうクレジットされていますが既に「1812」がしっかり組み込まれていました。後のバージョンと比べると尺が短めなのでどうかな、と思いきや得意のフレーズを捲し立てるように繰り出すその内容は実に濃厚な味わい。高揚の度合いではむしろ後年のバージョンを凌いでいるかも、そんな印象を受けましたね。
ゆるめのインプロを経て演奏される「Still I'm Sad」ではリッチーがピックアップのポジションを切り替えた時(またはボリュームを上げた時)に大きなノイズが発生しますが、これがこのUSツアー中絶えずメンバーやスタッフを悩ませ続けた例の虹のアーチに起因するノイズなんでしょうか。
*
ところで、このタイトルには最後にちょっとしたオマケが収録されていました。リッチーのソロデビュー作として紹介されている『銀嶺の覇者』リリース直後のBBCによるリッチーとロニーのインタビューなんですが、クォーターマスの「Black Sheep Of The Family」のカバーに関することから始まり、Elfとの出会い、曲の解説など、6分以上にわたってあれこれしゃべっています(いるようです)。
が、そんな内容の前にそもそもリッチーの肉声そのものが実はかなりレアだったりしません?
という訳で、まずはそのクォーターマスのBBC音源から「Black Sheep Of The Family」をどうぞ♪
[More...]
西方徘徊 114:BLACKMORE'S RAINBOW 『When Evening Falls』 1976年12月16日 武道館
全10公演中9公演分を押さえたところでひとまずアガリを決め込んでいたレインボーの76年来日音源ですが、ちょっとした忘れモノ、ツアー最終日16日夜の部の「サウンドボードソース(以下、SBD)」を収録したブツが中古で出ていたので手に入れてきました。
[More...]