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西方徘徊 131:JEFF BECK GROUP『Ruis Rockfestival, Beat Club & BBC 1971 & 1972』 SBD音源集#3

 何をもったいぶってるんだか、3回に分けて引っぱってきた第二期ジェフ・ベック・グループのサウンドボード音源集も今回が最後のソースです。

 1970年に始まった英BBCが独自に企画・録音したライヴを放送する番組「BBC In Concert」向けに72年6月29日、ロンドンのパリス・シアターで収録されたライヴ音源。いや、その音源を元にこしらえた放送用のマスターを収録したと言うのが正しいのかも、詳細は不明ですが。ともあれ、第2期を代表する、過去数多のタイトルがリリースされた名音源であります(そんな既発盤を持ち出し内容の簡単な比較を試みたことがあります。→コチラ)。

 前回取り上げた71年8月22日の音源はデビュー直前のハイモチベーション=ハイ・パフォーマンスぶりをたった6曲ながらも強烈に伝えてくれましたが、今回の音源はバンド活動末期の演奏。まぁ末期と言っても結成からわずか1年程しか経っていないし、仮にいくらかモチベーションが下がっていたとしても、そこは腕っこき集団、ダレたところなど感じさせない見事な演奏を繰り広げています。

 音質はすこぶる優秀。2期の音源としてはこれが最高音質なのは間違いないですが、それだけにこれまで数多くリリースされてきた公式タイトルの仲間入りを果たせていないのが残念。ベックだぜ?何で出さない?そう言ってやりたくもなりますが、もしもご本人がダメを出しているんだとしたら(それがあり得そうだから悲しい)…。元のクオリティが高いだけに尚更オフィシャルのチカラ(ハイビット・リマスタリング)とやらで決定版リリースと行ってもらいたいもの。未発表写真満載のブックレット付なんて良いじゃないですか。

 まぁそれはともかく、そんな音の良さはメンバーそれぞれの個性をさらに浮き彫りにしてくれます。特にここでは先日取り上げたビート・クラブ映像でも圧倒的な存在感を放っていたコージーのドラミングにスポットを当てたい。強靭な脚力で踏み抜く大口径のバスドラ x 2の音圧と極太のスティックで強弱を巧みに操りながら叩くスネアやタムのエアー感。それらが録音の良さによってハッキリと感じ取れるせいか、ドラムがグイグイとバンドを牽引している様が伝わってくるようです。だって、ちょっとバンド演奏なんぞを齧ったことのある人だったら分かると思うんですが、こんなドラムが背後から攻め立てて来たらそりゃ誰だってアツくなるってもの。

 そんなドラムの凄みを味わえる曲としては、ベックとタッグを組みながら畳み掛ける、第1期のそれとはまるで別物になっている(だからと言って優劣をつけている訳ではなく)「Morning Dew」や、中盤でベックとの掛け合いと30秒程のソロを聴かせる「New Ways / Train Train」(途中「Plynth」のリフが飛び出したりします)なんてところがまず挙げられるでしょうね。もちろんあの印象的なイントロを鳴り響かせる「Ice Cream Cakes」もそう。

 それ以外にも音の透明感と言うか、S/N比の良さから各パートの音の輪郭がとてもクリアな「Definitely Maybe」での臨場感、ボブが切々と歌い上げるレアな「Ain't No Sunshine」ではベックの閃きに満ちたソロが実にらしくて嬉しいし、いつもよりちょいとペースを上げたそこがまたコージー主導とも思える「Got The Feeling」での疾走感、途中ベックから観客へボブとの掛け合いを促すMCが入る「Let Me Love You」の盛り上がり具合など、全編これ聴きどころといった内容になっています。

JBG_#2

 ところで、前述した過去の記事の中で僕が内容的に最も優れているとしたスケアクロウの『Raw Orc』と今回のMV版の違いですが、元ソースは同じ、もしくはかなりジェネレーションの近いものが使われているようで音の傾向やコンディションは近似。ただ、細かいコトを言うとスケアクロウ盤で数秒欠けていた冒頭のDJのナレーションがカット無しで収録されているので、今回のMV盤が72年BBC音源の新たな決定版と言って良いと思います。

西方徘徊 131:JEFF BECK GROUP『Ruis Rockfestival, Beat Club & BBC 1971 & 1972』 SBD音源集#2

続いては第二期ジェフ・ベック・グループ、定番中の定番音源其の壱ってことで。

 71年7月にアルバム『Rough And Ready』のレコーディング・セッションを終えた5人はその翌月から初めてのツアーへと繰り出します。その初日が8月22日、フィンランドの旧首都トゥルクで開催された野外ロック・フェス『Ruisrock Festival』への参加でした。前年の1970年から始まり、現在に至るまで毎年欠かさず開催されているとても歴史のあるフェスティバルだということをつい最近知りましたが(今年は7月9日から11日)、この71年は8月20日から22日までの3日間の開催でJBGが出演したのは最終日の22日。しかも大トリとして最後にステージに登場したそうです。

ちなみに71年のラインナップはこんな具合だったそうな。

8月20日
Tommie Mansfield Group & Jussi Raittinen
Contact
Pete Brown and Piblokto!
Culpeper's Orchard
Kinks

8月21日
Elonkorjuu
Yellow
Faction
Karma
Fruit
Pink Fairies
Woodoo
Stefan Grossman
Niemen Enigmatic
Karelia
Juicy Lucy
Hardin & York
Canned Heat

8月22日
Fläsket Brinner
Cumulus
Tasavallan Presidentti
Fairport Convention
Jeff Beck Group

ruisrock.jpg
R:『HELSINKI 1971:FLYING HIGH』 (Empress Valley EVSD 51)

 さて、そんな記念すべきデビュー・ライヴの演奏を収録したディスク1ですが、マスターは2000年にレッド・ツェッペリンの専門レーベル、Empress Valley(本タイトルのように例外アリ。ちなみに1998年のこのレーベルのデビュータイトルはクラプトンのレインボー・コンサートでした)が紙ジャケット仕様でリリースしたものと同一。

 今回のリリースにあたり新たなマスタリングはされていないようですが、既発のEV盤では「Jody」とひとトラックにまとめられていた最後の「Ice Cream Cakes」(この時点で既に演奏されていたのが興味深い)が6曲目として独立しました(なのでEV盤のトラック数は「5」です)。

Ruisrock2.jpg

 音質はリアル・ステレオのライン音源ゆえブートレベルとしては極上。各パートのバランスが良いので(強いて言えばドラムの音にもうちょっと厚みが欲しいか)ストレスを感じず演奏に集中出来ます。それだけに収録されているのがたった6曲だけってのが残念なんですけどね。

 内容の方はといえば、アルバムも完成し、おそらく新鮮な気分と新たな野望めらめらといった感じで臨んだライヴ。演奏もそんなバンドの勢いを感じさせる実に熱い内容になっています。しかし71年にこんなにもスタイリッシュでプログレッシヴな演奏をしていたという事実には改めて驚かされますね。

西方徘徊 131:JEFF BECK GROUP『Ruis Rockfestival, Beat Club & BBC 1971 & 1972』 SBD音源集#1

 2010年の新メンバー体制初のサウンドボードものに続いては、第二期ジェフ・ベック・グループの3つのサウンドボード音源をそれぞれ1枚のディスクに収録した3枚組の新作ブートを紹介したいと思います。

 これまでクラプトン関連のソースを中心に数多くの優良タイトルをリリースしてきたMID VALLEYレーベルが、昨年からセカンドライン的に他アーティストの定番音源(サウンドボードものに限定しているようです)を廉価で出していますが(ディランの74年音源から始まり、オールマンズ(70&71年)、CSN&Y(70年)、イーグルス(76年)&J.ブラウン(78年)、今回のタイトルがその第5弾目。何やら唐突に回って来た英国の雄ジェフ・ベック、という感じですが、そのきっかけが4月2日(金)の23:00~23:40にスカパー!の音楽専門番組「MUSIC AIR」でオンエアされたこの発掘映像だったことは間違いないでしょう。

「旧西ドイツの音楽番組【BEAT Club】より1972年(3月25日)に収録されたジェフ・ベックの貴重なスタジオパフォーマンス」

 この時の映像としては、これまで『ビートクラブ~黄金のロック伝説 Vol.1:ギター・ヒーローズ』というタイトルのVHSやLDなどで唯一「Definitely Maybe」だけが日の目を見ていましたが、今回新たに5曲が発掘された上に、冒頭部分に欠けのあったその「Definitely Maybe」もノーカット版として再登場するなど、きっと他にも残っている筈と思っていたとは言え、いざこうして実際に出てくるとやはり驚いちゃいますね。

で、今回のブツはそんなドイツでのスタジオライヴソースを目玉に、あとは71年8月22日にフィンランドで行われたバンド結成後初のライヴ音源と72年6月29日に英BBCの音楽番組「In Concert」用に開催・録音されたライヴといった第2期ベック・グループ定番中の定番音源を「最良の形」で収録しています。

 ディスクはもちろん嬉しいファクトリープレス製。で、今回はまず新発掘されたBeat Clubソースのみに話を絞ってお送りしてみたいと思います。

JBG_1971_1972_20100604092248.jpg JBG_1971_1972_2.jpg  

Ruisrock Festival : Runsala-Runsala-Parken, Turku, Finland - August 22nd 1971
Disc 1
1. New Ways / Train Train
2. I Got To Have A Song
3. I've Been Used
4. Situation
5. Jody
6. Ice Cream Cakes

Beat Club : Radio Bremen's TV Studios, West Germany - March 25th 1972
Disc 2
1. Got The Feeling
2. Situation
3. Morning Dew
4. Tonight I'll Be Staying Here With You
5. Going Down
6. Definitely Maybe


BBC In Concert : Paris Theatre, London, England - June 29th 1972
Disc 3
01. Introduction
02. Ice Cream Cakes
03. Morning Dew
04. Going Down
05. Definitely Maybe
06. Tonight I'll Be Staying Here With You
07. New Ways / Train Train
08. Ain't No Sunshine
09. Got The Feeling
10. Let Me Love You

西方徘徊 130:JEFF BECK『Emotion & Commotion Live』 2010年4月22日 LA

ツアーは続く。

 6月一杯かけて回る米東海岸ツアーは計16回公演が予定され、その後は欧州ツアー‥‥と未だ絶えることなく精力的な活動を続けているベック(8, 9月はようやく?オフに入るみたいです)。そんなツアーのスケジュールはともかくとしても、メディアへの露出度の高さでは間違いなく過去最高と(さっきまで奥さんが買って来ていた『ブルータス』の先月号を見ていたんですが、そこにも大先生登場してました)、そんな移籍後のハードワーキングに対してはご本人は実際のところどう思っているんでしょ?(笑)。

 で、ライヴの予定ですら当初の計画には無かったものが加わることもあるようで、今回取り上げる音源のライヴもそんな中のひとつ。ロスのクラシック・ロック専門FM局の「KLOS」が主催したライヴで、当日の演奏の様子は現地時間4月22日の午後7:30よりWebで生放送されました(日本時間では翌23日の午前11:30)。

 会場はロスのグラミー・ミュージアムにある収容人数200人程の小ホールで、そのせいかセットリスト、また使用された機材ですら通常のライヴに比べるとスケールダウンしたものになっています。この日は平日だったこともあり、僕が生で観ることが出来たのは仕事が昼休憩に入ってからの2曲(「How High The Moon」と「People Get Ready」)だけでしたが、演奏されたのは全部で8曲。放送時間は1時間を超えていたものの途中25分程のインタビューを挟んだ為、演奏自体は正味35分弱ってとこでした。

JB_Grammy_Museum.jpg

 で、今回のブツなんですが、使われているのは配信ソースではなく、同じ日の午後10時からKLOS FMで放送された曲間などに編集が施されたもののようです。なので音質はブートレベルとしては極上。何と言っても今回の新メンバーになってからの初のサウンドボード音源ということで、各パートのバランスの良さ、特にロンダのベースがここまでクリアに聴き取れるのはおそらく初めてのことだと思うので、新体制でのバンドアンサンブルの妙味を味わうのにも適した音源と言えそうです。ただ、ハードなタイプの曲が「Hammerhead」だけなのと、いくつかの曲でミスが散見されるなど、この日はベックの熱量が不足気味、今イチノリ切れてないと感じられる点では物足りなさは残るものの、それでも初のボード音源ですからね、持っておいて損は無いと思います(比較的安価だし)。

JB_grammy_museum2010.jpg

JB_grammy_museum2010_a.jpg

 ブツの作りはよく言えばシンプル。ジャケットは近頃また目にすることが多くなったアナログブート時代の名残、ウィリアム・スタウトの73年のイラストが使われています。またディスクにはScatterbrain2010と印字されてますが、これは過去にいくつか優良なベックのタイトルをリリースしたScatterbrainレーベルの廉価仕様というニュアンスなんでしょうかね。
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たどん

Author:たどん
神奈川県在住
性別:男
誕生星座:山羊座(たまに射手座)
血液型:B

アタマ冷やせば?とかよく言われます

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