西方徘徊 140:JEFF BECK『Emotion & Commotion Live vol. 2』 2010年7月13日 イタリア
ジェフ・ベック最新のサウンドボード音源が先日銀盤化されました。7月にイタリアのルッカで開催されていた音楽フェスに出演した時のもので、ベックはZZ TOPがメインアクトだった13日のスペシャル・ゲストとして登場。この時の様子はイタリアの国営FM放送局Radio2 RAIで放送され、それを録音したものが今回のブートの元ネタと言う訳です。
セットリスト的にはゲスト扱いということからフルスケールでないショート仕様。そういえば、現在の新体制になってこれが2つ目のサウンドボードソースですが1つ目のそれは演奏時間正味35分弱のさらなるショート版でした。そこではベックのノリが今ひとつだなんてエラソーに書いちゃってますが、この日のノリは真逆と言ってしまおう。ノッケからキレキレの素晴らしい演奏を繰り広げています。
そこでまずはこの曲を聴いてみて下さい。来日公演でも演奏されたスライのハイヤー。テンポを上げドライヴ感倍増。ベックのプレイがどうというより(十分スゴイですが)バンド全体のグルーヴ感が様変わりしています。左が今回のBFリリースのブート、中がネット上にULされているソース。これがブートのマスターだと思いますが、BF盤はトラックの刻み位置を変え音質もブラッシュアップというかかなりゲインを上げてますね。そして右が4月10日JCBホール公演を収録したタランチュラ盤の同曲ですが、4ヶ月前のこれがまるでプロトタイプ風に聴こえてしまうのは僕だけ?
ううむ、何度聴いてもシビれます。全員もうキレキレです。で思ったんですが、実にバンドらしくなったなぁと(エラソーに)。ロンダ姉さんなんてこれぞ本領発揮って感じだし、ナラダが客を煽るところも実に堂に入った感じだし、とにかく各人の持ち味が有機的に絡み合いながら一丸となって鳴っている、そんな様が実にバンドらしいと思うんですよね。僕なんぞは根が単純なのでこの1曲でもうベック・バンドさらに進化、を実感しちゃったんですが。
そしてそんな演奏の魅力をさらに後押ししているのが、確かにサウンドボードに違いないんだけどオーディエンスソースのような臨場感と良い意味での雑味を加えた音質。結構荒っぽいマスタリングというか、全編に感じるざわざわとしたノイズっぽさが演奏の勢いを倍加していると感じます。
が、それだけに残念なのが全ての曲間に、んべららべらと女性DJが律儀にも馬鹿陽気なナレーションを突っ込んでくる点。しかもそれが全ての曲のイントロに被ってしまうところが何ともキビシイ、どうやらこうした手法がブートレガー対策との見解もあるようです(それでもこのように盤化されちゃう訳ですが)。
セットリスト的にはゲスト扱いということからフルスケールでないショート仕様。そういえば、現在の新体制になってこれが2つ目のサウンドボードソースですが1つ目のそれは演奏時間正味35分弱のさらなるショート版でした。そこではベックのノリが今ひとつだなんてエラソーに書いちゃってますが、この日のノリは真逆と言ってしまおう。ノッケからキレキレの素晴らしい演奏を繰り広げています。
そこでまずはこの曲を聴いてみて下さい。来日公演でも演奏されたスライのハイヤー。テンポを上げドライヴ感倍増。ベックのプレイがどうというより(十分スゴイですが)バンド全体のグルーヴ感が様変わりしています。左が今回のBFリリースのブート、中がネット上にULされているソース。これがブートのマスターだと思いますが、BF盤はトラックの刻み位置を変え音質もブラッシュアップというかかなりゲインを上げてますね。そして右が4月10日JCBホール公演を収録したタランチュラ盤の同曲ですが、4ヶ月前のこれがまるでプロトタイプ風に聴こえてしまうのは僕だけ?
ううむ、何度聴いてもシビれます。全員もうキレキレです。で思ったんですが、実にバンドらしくなったなぁと(エラソーに)。ロンダ姉さんなんてこれぞ本領発揮って感じだし、ナラダが客を煽るところも実に堂に入った感じだし、とにかく各人の持ち味が有機的に絡み合いながら一丸となって鳴っている、そんな様が実にバンドらしいと思うんですよね。僕なんぞは根が単純なのでこの1曲でもうベック・バンドさらに進化、を実感しちゃったんですが。
そしてそんな演奏の魅力をさらに後押ししているのが、確かにサウンドボードに違いないんだけどオーディエンスソースのような臨場感と良い意味での雑味を加えた音質。結構荒っぽいマスタリングというか、全編に感じるざわざわとしたノイズっぽさが演奏の勢いを倍加していると感じます。
が、それだけに残念なのが全ての曲間に、んべららべらと女性DJが律儀にも馬鹿陽気なナレーションを突っ込んでくる点。しかもそれが全ての曲のイントロに被ってしまうところが何ともキビシイ、どうやらこうした手法がブートレガー対策との見解もあるようです(それでもこのように盤化されちゃう訳ですが)。
それではあと3曲ほど。聴きどころ満載の音源なので選択に迷うところですが、まずは何かのトラブル発生か? アタマのフレーズを弾いている途中でギターの音が途切れるも、ベックがスムーズに最初のソロに入れるよう、あえていつもより1回多くそのフレーズを演奏しベックを待つというメンバー間の阿吽の呼吸が見事な「Led Boots」。
低ポジションメインでのたくるベースが印象的な「Big Block」は最後に007風のキメあり。
アンコールで演奏された「Nessun Dorma」は本場イタリア初披露。終盤の盛り上がり部分で観客が演奏に合わせて歌うのが聴き取れますが、これがとても感動的。ご当地ソングなんて言ったら安っぽ過ぎますかね、しかしオペラ歌手ルチアーノ・パヴァロッティの歌声と共に世界中に知れ渡るところから、イタリア国民にとって特別な曲だというのは容易に想像がつきます。それだけにこの盛り上がり、歓迎ぶりがファンとしては何とも嬉しい。
※どの曲もアタマ切れになっていますが、これはBF盤がナレーションのエンド部分をトラック切り替えのポイントに設定している為です。
低ポジションメインでのたくるベースが印象的な「Big Block」は最後に007風のキメあり。
アンコールで演奏された「Nessun Dorma」は本場イタリア初披露。終盤の盛り上がり部分で観客が演奏に合わせて歌うのが聴き取れますが、これがとても感動的。ご当地ソングなんて言ったら安っぽ過ぎますかね、しかしオペラ歌手ルチアーノ・パヴァロッティの歌声と共に世界中に知れ渡るところから、イタリア国民にとって特別な曲だというのは容易に想像がつきます。それだけにこの盛り上がり、歓迎ぶりがファンとしては何とも嬉しい。
※どの曲もアタマ切れになっていますが、これはBF盤がナレーションのエンド部分をトラック切り替えのポイントに設定している為です。
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西方徘徊 139:PAUL McCARTNEY『HOLA CUIDAD DE MEXICO!, HOLA CHILANGOS!!!』 2010年5月28日 メキシコシティ
3月28日アリゾナ州フェニックス/ジョビング・ドットコム・アリーナを皮切りにスタートしたUp And Coming Tour。ぽちぽちと追加される公演をこなしながら、残すところあと7公演となりました。
Sunday 28th March - Jobing.com Arena, Phoenix, Arizona, USA
Tuesday 30th March - Hollywood Bowl, LA, California, USA
Wednesday 31st March - Hollywood Bowl, LA, California, USA
Saturday 3rd April - Sun Life Stadium, Miami
Monday 5th April - Coliseo De Puerto Rico, Puerto Rico
Thursday 27th May - Foro Sol, Mexico City, Mexico
Friday 28th May - Foro Sol, Mexico City, Mexico
Saturday 12th June – RDS, Dublin
Sunday 13th June – Isle Of Wight Festival
Sunday 20th June – Hampden Park, Glasgow
Saturday 26th June – Millennium Stadium, Cardiff
Sunday 27th June – Hard Rock Calling, London
Saturday 10th July - AT&T Stadium San Francisco
Tuesday 13th July - Rio Tinto Stadium, Salt Lake City
Thursday 15th July - Pepsi Center Denver
Saturday 24th July - Sprint Center Kansas
Monday 26th July - Bridgestone Arena Nashville
Wednesday 28th July - Time Warner Cable Arena Charlotte
Sunday 8th August - Air Canada Centre Toronto
Monday 9th August - Air Canada Centre Toronto
Thursday 12th August - Bell Centre Montreal
Saturday 14th August - Wachovia Center, Philadelphia
Sunday 15th August - Wachovia Center, Philadelphia
Wednesday 18th August - CONSOL Energy Center Pittsburgh
Thursday 19th August - CONSOL Energy Center Pittsburgh
以前3月30日と31日のハウリッドボウル公演のオーディエンス音源盤を紹介しましたが、今回はこのツアー初となるサウンドボード音源を収録したブツを取り上げたいと思います。収録日は5月28日@メキシコ・シティ/フォロ・ソル・スタジアム。
3CD+2DVDのセットでCDには当日のライヴ全編と前々日、前日、当日のリハーサル(かなり仕上がっている20年ぶりの「Ebony And Ivory」が登場)やサウンドチェック、さらに27日の公演からメキシコ・シティ公演だけのスペシャル曲となった「Shine A Light In Mexico」と28日には演奏されなかった「Got To Get You Into My Life」「I'm Looking Through You」「Two Of Us」の3曲をオーディエンス音源で収録。といった具合に今回もディスクのスペースをフルに使い切るこのレーベルらしい盛り沢山仕様。ライヴ本編には数カ所音質が変化するところがありますが、これはひょっとしたらノイズなど瑕疵のあった部分を別マスターで補填したからなのかも知れません。
DVDはワイドスクリーンのプロショット映像でこちらも完全収録。ややブロックノイズの目立つ画像クオリティですが、大画面での鑑賞でもない限りストレスなく楽しめるんじゃないでしょうか。
今回は3CD、音源の方のみちょこっと触れてみたいと思います。購入してから20日以上経つんですが、映像の方は今のところまだ画質チェックのためにちょこっと見るにとどめてます。まずはじっくりと音源でイメージを膨らませてからいずれ映像へ。そんな楽しみ方が出来るのもこんな抱き合わせタイプならでは(その分値段は高めですけど)。なおCDのコンサート本編のソースとDVDのそれは同じものが使われています。というか映像の音声を単にCD化したというブートにありがちなパターンですね。
「The End」をモチーフにした「introduction」に続いては、ビットレートを下げたことが原因?、高音域にシャリシャリしたノイズっぽさを感じますが、「Venus And Mars」のアコースティック・ギターの音色のきらきら具合はやはりサウンドボードならでは。短縮版の「Rock Show」がやはり残念ですけど「Jet」でのイントロの後に続く棚引くようなキーボードのサウンドの奥行き感はこれまたサウンドボードならではの妙味。
十代半ば、ステレオコンポを手に入れてから数ヶ月後に購入した『Venus And Mars』のLP。とその前に入手していた、日差しを眩しがるようなポールの表情が印象的な「ワインカラーの少女」のシングル盤。どちらも思い出深い一枚。スパニッシュを織り交ぜながらのMCで観客を沸かすポールが「Wingsの~」と告げ演奏するこの曲は、ポールのレパートリーの中でもやや異色と思えるルーズなリズムにブルージーなリフが乗る佳曲。ちなみにここで2度のギター・ソロを弾いているのはラスティではなくブライアン・レイ。
コード進行、アレンジ共に見事と言うほかないウイングス時代のポールの最高傑作のひとつ「西暦1985年」はラスティ・アンダーソンが最高のソロを聴かせてくれる。
きっちりと練り固められたソングオーダーの中で、この日が初演となる曲がひとつ。まるで即興的に演奏される「Shine A Light In Mexico」。
他の会場での演奏とアレンジが変わった訳でなく、オリジナルのアレンジにかなり忠実に演奏される「And I Love Her」はラテンな風味混じり。この日の演奏はメキシコの空気によくお似合い。
ポールならではの「陽」のムードにウクレレが軽味をプラス。けどそこにはほろ苦さも。そんなところがとても気に入っているライブ音源や映像を通じてある時にわかに僕の中で存在感を増した曲「Dance Tonight」。口笛のソロはもちろんポール。
そして昨年ついに披露されたビートルズ・ナンバー「Ob-La-Di, Ob-La-Da」はこれが初のサウンドボードでしたっけ?。
という訳で、今回はこんな感じで。
Sunday 28th March - Jobing.com Arena, Phoenix, Arizona, USA
Tuesday 30th March - Hollywood Bowl, LA, California, USA
Wednesday 31st March - Hollywood Bowl, LA, California, USA
Saturday 3rd April - Sun Life Stadium, Miami
Monday 5th April - Coliseo De Puerto Rico, Puerto Rico
Thursday 27th May - Foro Sol, Mexico City, Mexico
Friday 28th May - Foro Sol, Mexico City, Mexico
Saturday 12th June – RDS, Dublin
Sunday 13th June – Isle Of Wight Festival
Sunday 20th June – Hampden Park, Glasgow
Saturday 26th June – Millennium Stadium, Cardiff
Sunday 27th June – Hard Rock Calling, London
Saturday 10th July - AT&T Stadium San Francisco
Tuesday 13th July - Rio Tinto Stadium, Salt Lake City
Thursday 15th July - Pepsi Center Denver
Saturday 24th July - Sprint Center Kansas
Monday 26th July - Bridgestone Arena Nashville
Wednesday 28th July - Time Warner Cable Arena Charlotte
Sunday 8th August - Air Canada Centre Toronto
Monday 9th August - Air Canada Centre Toronto
Thursday 12th August - Bell Centre Montreal
Saturday 14th August - Wachovia Center, Philadelphia
Sunday 15th August - Wachovia Center, Philadelphia
Wednesday 18th August - CONSOL Energy Center Pittsburgh
Thursday 19th August - CONSOL Energy Center Pittsburgh
以前3月30日と31日のハウリッドボウル公演のオーディエンス音源盤を紹介しましたが、今回はこのツアー初となるサウンドボード音源を収録したブツを取り上げたいと思います。収録日は5月28日@メキシコ・シティ/フォロ・ソル・スタジアム。
3CD+2DVDのセットでCDには当日のライヴ全編と前々日、前日、当日のリハーサル(かなり仕上がっている20年ぶりの「Ebony And Ivory」が登場)やサウンドチェック、さらに27日の公演からメキシコ・シティ公演だけのスペシャル曲となった「Shine A Light In Mexico」と28日には演奏されなかった「Got To Get You Into My Life」「I'm Looking Through You」「Two Of Us」の3曲をオーディエンス音源で収録。といった具合に今回もディスクのスペースをフルに使い切るこのレーベルらしい盛り沢山仕様。ライヴ本編には数カ所音質が変化するところがありますが、これはひょっとしたらノイズなど瑕疵のあった部分を別マスターで補填したからなのかも知れません。
DVDはワイドスクリーンのプロショット映像でこちらも完全収録。ややブロックノイズの目立つ画像クオリティですが、大画面での鑑賞でもない限りストレスなく楽しめるんじゃないでしょうか。
今回は3CD、音源の方のみちょこっと触れてみたいと思います。購入してから20日以上経つんですが、映像の方は今のところまだ画質チェックのためにちょこっと見るにとどめてます。まずはじっくりと音源でイメージを膨らませてからいずれ映像へ。そんな楽しみ方が出来るのもこんな抱き合わせタイプならでは(その分値段は高めですけど)。なおCDのコンサート本編のソースとDVDのそれは同じものが使われています。というか映像の音声を単にCD化したというブートにありがちなパターンですね。
「The End」をモチーフにした「introduction」に続いては、ビットレートを下げたことが原因?、高音域にシャリシャリしたノイズっぽさを感じますが、「Venus And Mars」のアコースティック・ギターの音色のきらきら具合はやはりサウンドボードならでは。短縮版の「Rock Show」がやはり残念ですけど「Jet」でのイントロの後に続く棚引くようなキーボードのサウンドの奥行き感はこれまたサウンドボードならではの妙味。
十代半ば、ステレオコンポを手に入れてから数ヶ月後に購入した『Venus And Mars』のLP。とその前に入手していた、日差しを眩しがるようなポールの表情が印象的な「ワインカラーの少女」のシングル盤。どちらも思い出深い一枚。スパニッシュを織り交ぜながらのMCで観客を沸かすポールが「Wingsの~」と告げ演奏するこの曲は、ポールのレパートリーの中でもやや異色と思えるルーズなリズムにブルージーなリフが乗る佳曲。ちなみにここで2度のギター・ソロを弾いているのはラスティではなくブライアン・レイ。
コード進行、アレンジ共に見事と言うほかないウイングス時代のポールの最高傑作のひとつ「西暦1985年」はラスティ・アンダーソンが最高のソロを聴かせてくれる。
きっちりと練り固められたソングオーダーの中で、この日が初演となる曲がひとつ。まるで即興的に演奏される「Shine A Light In Mexico」。
他の会場での演奏とアレンジが変わった訳でなく、オリジナルのアレンジにかなり忠実に演奏される「And I Love Her」はラテンな風味混じり。この日の演奏はメキシコの空気によくお似合い。
ポールならではの「陽」のムードにウクレレが軽味をプラス。けどそこにはほろ苦さも。そんなところがとても気に入っているライブ音源や映像を通じてある時にわかに僕の中で存在感を増した曲「Dance Tonight」。口笛のソロはもちろんポール。
そして昨年ついに披露されたビートルズ・ナンバー「Ob-La-Di, Ob-La-Da」はこれが初のサウンドボードでしたっけ?。
という訳で、今回はこんな感じで。
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西方徘徊 138:JEFF BECK『Ina Bauer』 2010年4月10日 JCB Hall
もうこういった買い方はやめよう、そう決めてたんですけどね。でもまぁそれもこれも自身がその場にいたからこそ、なんですが。
今年の4月に行われたジェフ・ベックの来日公演。その中から以前自身が参戦した10日JCBホールのブートを取り上げましたが、今回はそれとはまた別のソースが収録されたブツを紹介します。4月10日JCBホールでの演奏をオーディエンス録音ソースにて完全収録。レーベルはタランチュラでタイトルは『Ina Bauer』。そう来たか。
2006年3月4日のイナバウアー(何度見ても感動)
その既発盤『Deep Emotion』も十分に高音質で満足していたんですが、独自の音づくりというか、いつも他のレーベルとは異なる比較的派手目なアプローチで仕上げてくるここんちの音がまぁリリース当初から気になっていたことは確か。ちなみに録音者は過去にここでも取り上げたことのあるクラプトンのタイトルと同じ人物。今回もDATを使ったんでしょうか?そのあたりに関するインフォはありませんが、ジャケットに写っているチケットを見ると録音ポジションはアリーナの前方、ほぼ中央って感じですかね。かなりの良席です。
さて、ライヴの内容についてはもうさんざん書き散らかしてるんでこれ以上は触れず、今回はごくシンプルに音の印象をば。
音源への距離がかなり近いので迫力の点では既発盤を上回るものの、高域が詰まり気味に感じられる分ややクリアさに欠ける印象。それがマスタリングに起因するものなのか、ともあれフレーズやタッチなどの微妙なニュアンスを味わうにはやや不向きな気がします。
対する既発『Deep Emotion』の音像はコンパクトかつ距離を感じさせるもののクリア度は高く、バランスが整っているのでより聴きやすい。まぁでもこれはあくまで個人的な印象で、今回のブツに関しては好き好き、結構評価が分かれるんじゃないか、という気がします。
現に「Corpus Christi Carol」や「Over The Rainbow」のようなエコー成分の強い独演風の曲ではその音の厚みからくるコクがプラスに働くようで心地よいインパクトを与えてくれます。あそうそう、同レーベルから去年リリースされた『Gives A Fan His Axe』(2009年2月9日NHKホール)にあったようなトラック間のギャップは今回無いみたい。良かった。
今年の4月に行われたジェフ・ベックの来日公演。その中から以前自身が参戦した10日JCBホールのブートを取り上げましたが、今回はそれとはまた別のソースが収録されたブツを紹介します。4月10日JCBホールでの演奏をオーディエンス録音ソースにて完全収録。レーベルはタランチュラでタイトルは『Ina Bauer』。そう来たか。
2006年3月4日のイナバウアー(何度見ても感動)
その既発盤『Deep Emotion』も十分に高音質で満足していたんですが、独自の音づくりというか、いつも他のレーベルとは異なる比較的派手目なアプローチで仕上げてくるここんちの音がまぁリリース当初から気になっていたことは確か。ちなみに録音者は過去にここでも取り上げたことのあるクラプトンのタイトルと同じ人物。今回もDATを使ったんでしょうか?そのあたりに関するインフォはありませんが、ジャケットに写っているチケットを見ると録音ポジションはアリーナの前方、ほぼ中央って感じですかね。かなりの良席です。
さて、ライヴの内容についてはもうさんざん書き散らかしてるんでこれ以上は触れず、今回はごくシンプルに音の印象をば。
音源への距離がかなり近いので迫力の点では既発盤を上回るものの、高域が詰まり気味に感じられる分ややクリアさに欠ける印象。それがマスタリングに起因するものなのか、ともあれフレーズやタッチなどの微妙なニュアンスを味わうにはやや不向きな気がします。
対する既発『Deep Emotion』の音像はコンパクトかつ距離を感じさせるもののクリア度は高く、バランスが整っているのでより聴きやすい。まぁでもこれはあくまで個人的な印象で、今回のブツに関しては好き好き、結構評価が分かれるんじゃないか、という気がします。
現に「Corpus Christi Carol」や「Over The Rainbow」のようなエコー成分の強い独演風の曲ではその音の厚みからくるコクがプラスに働くようで心地よいインパクトを与えてくれます。あそうそう、同レーベルから去年リリースされた『Gives A Fan His Axe』(2009年2月9日NHKホール)にあったようなトラック間のギャップは今回無いみたい。良かった。
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西方徘徊 137:RAINBOW『アパッチ -Playing The Shadows-』 1976年12月10日 京都会館 #2
すっかり間が空いてしまいました。。
~前記事の続き~
さて、そんなギターが幾分アヤシゲな「Kill The King」の演奏後、リッチーがチューニングを直している間はロニーがメンバー紹介(トニー→ジミー→コージー)で繋ぎ、続く「Mistreated」はフィードバックでキメるロングトーンといった私的聴きどころはあるものの、どこかルーズな印象のリッチーと、それに相対する気迫のこもった力強い歌声を響かせるロニーという図。
が、次曲16世紀~からはそんな物言い何のそのといった具合に手堅く決め、ロニーのアドリブ独唱が大きな聴きどころになっている"Man On The Silver Mountain Suite"(勝手に命名)へ。
とまぁいきなり端折りましたが、何と言っても本音源の面白さはここから先、後半の展開にこそある訳で。
まずはディスク2のアタマ、ジャケには「MC」と記されてますが一応これも曲。まるで昼下がりのスーパーのBGMのようなユルさに軽い目眩を覚えますが、そんなお戯れについ付き合っちゃったロニー、みたいな。でトニーのKeyソロスタートしたけどもっと弾いていたいから止めないリッチー、みたいな。
途中チラと「Smoke On The Water」のリフをフィーチャーしたトニーのKeyソロはこの日も客ウケ良好。きっと随所でキメのポーズを披露しているんでしょう。シンセ→オルガンと展開するソロはそのままコージーのフィルインへ繋がり「Stargazer」へと突入。
既発盤『Kill For The King』(Rising Arrow-023)を取り上げた記事中では『「Stargazer」ではワンコーラス分まるまるロニーが登場せずまるでカラオケ状態(マイクトラブル?)』なんて書いてますが、最近になって実際に会場にいらした方の体験談を目にする機会がありました(『無駄遣いな日々』より『BLACKMORE'S RAINBOW / アパッチ』)。それによるとKeyソロの間、一旦ステージ上から姿を消していたロニーが戻らぬままスタートした「Stargazer」ですが、ようやく姿を現したかと思えば、なんとゴリラの被りものをしていたという笑撃の展開っ。いいぞ、ロニー!
そんなもの被ってちゃ歌えないわさ、という訳でボーカル無しでスタートしたこの曲はまるでガイド役を失ったかのようなぐだぐだな展開に。流れを見失ったリッチーと通常通りに叩こうとするコージーの間に生じたチグハグ。その後も再びとっちらかっちゃう場面には思わず緊張が走りますが^^; そんな展開に業を煮やしたのか、後半コージーがテンポを上げ突き進んでいく流れなんぞ、まるで厄を振り払うかの勢い。
その後どうにか立て直しエンディングを迎えたものの、なんだろう、その直後にやや自虐モード含みにも聞こえるリッチー爪弾く「Unknown Tune」。8日の大阪でも仕掛けてはみたものの結局誰もノッて来ず、の何やら旧き良きアメリカの面影風、まるでTVドラマの主題曲のようなそれ。
この時”しょーがねぇなぁ、付き合ってやっか” とコージーが思ったかどうかはもちろん不明。が、リッチーがジャランと弾いたコードにコージーが反応、自ら誘導するかのようにビートを刻み始め披露されるシャドウズの「アパッチ」は最後に「FBI」のフレーズをちょいと絡めて。
その後それまでのムードとは打って変わり(でも相変わらずお茶目なフレーズを織り交ぜたりするリッチー)シャープな疾走を開始する「Still I'm Sad」からトニーとコージーのソロを具に、再びの「Still~」で〆る流れにて本編終了。
「とにかく俺について来てくれ」
アンコールに応えようとステージに戻る直前、リッチーがコージーだけにかけた一言。そんな妄想。
もうこれ以上はいいですね。いつもの百聞は一聴にしかず(それを言っちゃあおしまいなんですが)ってことでぜひサンプルを聴いてみて下さい。とっちらかったバージョンではあるけど、演奏の凄みという点ではあの14日の仁義なき戦い広島死闘編収録の『極楽蝶』バージョンにも引けを取らないと個人的には思ってます。と同時に「三頭」の意味するところを改めて実感させられる1曲という気もしますね。
やはりこの日の演奏はすこぶる面白いのでした。
~前記事の続き~
さて、そんなギターが幾分アヤシゲな「Kill The King」の演奏後、リッチーがチューニングを直している間はロニーがメンバー紹介(トニー→ジミー→コージー)で繋ぎ、続く「Mistreated」はフィードバックでキメるロングトーンといった私的聴きどころはあるものの、どこかルーズな印象のリッチーと、それに相対する気迫のこもった力強い歌声を響かせるロニーという図。
が、次曲16世紀~からはそんな物言い何のそのといった具合に手堅く決め、ロニーのアドリブ独唱が大きな聴きどころになっている"Man On The Silver Mountain Suite"(勝手に命名)へ。
とまぁいきなり端折りましたが、何と言っても本音源の面白さはここから先、後半の展開にこそある訳で。
まずはディスク2のアタマ、ジャケには「MC」と記されてますが一応これも曲。まるで昼下がりのスーパーのBGMのようなユルさに軽い目眩を覚えますが、そんなお戯れについ付き合っちゃったロニー、みたいな。でトニーのKeyソロスタートしたけどもっと弾いていたいから止めないリッチー、みたいな。
途中チラと「Smoke On The Water」のリフをフィーチャーしたトニーのKeyソロはこの日も客ウケ良好。きっと随所でキメのポーズを披露しているんでしょう。シンセ→オルガンと展開するソロはそのままコージーのフィルインへ繋がり「Stargazer」へと突入。
既発盤『Kill For The King』(Rising Arrow-023)を取り上げた記事中では『「Stargazer」ではワンコーラス分まるまるロニーが登場せずまるでカラオケ状態(マイクトラブル?)』なんて書いてますが、最近になって実際に会場にいらした方の体験談を目にする機会がありました(『無駄遣いな日々』より『BLACKMORE'S RAINBOW / アパッチ』)。それによるとKeyソロの間、一旦ステージ上から姿を消していたロニーが戻らぬままスタートした「Stargazer」ですが、ようやく姿を現したかと思えば、なんとゴリラの被りものをしていたという笑撃の展開っ。いいぞ、ロニー!
そんなもの被ってちゃ歌えないわさ、という訳でボーカル無しでスタートしたこの曲はまるでガイド役を失ったかのようなぐだぐだな展開に。流れを見失ったリッチーと通常通りに叩こうとするコージーの間に生じたチグハグ。その後も再びとっちらかっちゃう場面には思わず緊張が走りますが^^; そんな展開に業を煮やしたのか、後半コージーがテンポを上げ突き進んでいく流れなんぞ、まるで厄を振り払うかの勢い。
その後どうにか立て直しエンディングを迎えたものの、なんだろう、その直後にやや自虐モード含みにも聞こえるリッチー爪弾く「Unknown Tune」。8日の大阪でも仕掛けてはみたものの結局誰もノッて来ず、の何やら旧き良きアメリカの面影風、まるでTVドラマの主題曲のようなそれ。
この時”しょーがねぇなぁ、付き合ってやっか” とコージーが思ったかどうかはもちろん不明。が、リッチーがジャランと弾いたコードにコージーが反応、自ら誘導するかのようにビートを刻み始め披露されるシャドウズの「アパッチ」は最後に「FBI」のフレーズをちょいと絡めて。
その後それまでのムードとは打って変わり(でも相変わらずお茶目なフレーズを織り交ぜたりするリッチー)シャープな疾走を開始する「Still I'm Sad」からトニーとコージーのソロを具に、再びの「Still~」で〆る流れにて本編終了。
座席は2階7列41番とあります
「とにかく俺について来てくれ」
アンコールに応えようとステージに戻る直前、リッチーがコージーだけにかけた一言。そんな妄想。
でもって披露されたラストナンバー「A Light In The Black」は果たして「我が道行くリッチー」炸裂の1曲に。
自身のソロから例のキメのユニゾンフレーズに移るところをリッチー&コージー共に無視して疾走。トニーとジミー目が点。でトニーは再びタイミングを見計らい再突入を試みるがやはりハジかれてしまい‥‥。
自身のソロから例のキメのユニゾンフレーズに移るところをリッチー&コージー共に無視して疾走。トニーとジミー目が点。でトニーは再びタイミングを見計らい再突入を試みるがやはりハジかれてしまい‥‥。
もうこれ以上はいいですね。いつもの百聞は一聴にしかず(それを言っちゃあおしまいなんですが)ってことでぜひサンプルを聴いてみて下さい。とっちらかったバージョンではあるけど、演奏の凄みという点ではあの14日の仁義なき戦い広島死闘編収録の『極楽蝶』バージョンにも引けを取らないと個人的には思ってます。と同時に「三頭」の意味するところを改めて実感させられる1曲という気もしますね。
やはりこの日の演奏はすこぶる面白いのでした。
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西方徘徊 137:RAINBOW『アパッチ -Playing The Shadows-』 1976年12月10日 京都 #1
開演直前のモニターチェック。マイクを通さずに客を煽っているのはジミーかロニーか。ロニーと思いたいが声が違う気もする。そして開演。
「Over The Rainbow」から「Kill The King」へ。いつものようにコージーがアクセントを効かせたフィルインをキメ、バンドは疾走開始。ところがロニーが加わってからのリッチーがこの日はヘン。何やら調子っ外れな単音フレーズが聴こえてくる。SEが流れ出す直前にチューニングのチェックは済ませていたハズ。なのにスタート早々音が狂ってしまったのだろうか?それを演奏中に修正、3連のソロは難なく弾きこなした。
そんなことが果たしてあり得るのかどうか判らないけど、曲の終了と同時にやおらチューニングを直し始めたりしているんですよね。
しかし今回もまた素晴らしい音質。76年の初来日ツアー全10公演中これが4つ目となる桃印音源、タランチュラレーベル謹製。レインボーのみならず、ロックの来日音源を代表するAUDソース、12月16日の武道館公演夜の部を完全収録した名盤『雷神』を嚆矢に、その後じわじわと勢力を拡大しているタラの76年レインボー音源ですが、今回のお題でもある10日の京都音源もまたタランチュラ盤が新たな決定版として君臨する格好に。
聞くところによると、近い内に大阪(3日間の内どの日がリリースされるのか、ひょっとして全部?)と7日名古屋のリリースも予定されているとのこと。ひょっとして76年音源を全網羅する計画が進行中?もしかして16日の桃印音源の登場もあり得る?
そんな続編に期待をしつつ、今回は過去に取り上げてきた76年の音源を一同に会してみました。曲は全て「Over The Rainbow~Kill The King」。どの日も現時点でのベストを思われる音源を選びましたが、やはりタラの音の迫力が際立ってます。
「Over The Rainbow」から「Kill The King」へ。いつものようにコージーがアクセントを効かせたフィルインをキメ、バンドは疾走開始。ところがロニーが加わってからのリッチーがこの日はヘン。何やら調子っ外れな単音フレーズが聴こえてくる。SEが流れ出す直前にチューニングのチェックは済ませていたハズ。なのにスタート早々音が狂ってしまったのだろうか?それを演奏中に修正、3連のソロは難なく弾きこなした。
そんなことが果たしてあり得るのかどうか判らないけど、曲の終了と同時にやおらチューニングを直し始めたりしているんですよね。
しかし今回もまた素晴らしい音質。76年の初来日ツアー全10公演中これが4つ目となる桃印音源、タランチュラレーベル謹製。レインボーのみならず、ロックの来日音源を代表するAUDソース、12月16日の武道館公演夜の部を完全収録した名盤『雷神』を嚆矢に、その後じわじわと勢力を拡大しているタラの76年レインボー音源ですが、今回のお題でもある10日の京都音源もまたタランチュラ盤が新たな決定版として君臨する格好に。
聞くところによると、近い内に大阪(3日間の内どの日がリリースされるのか、ひょっとして全部?)と7日名古屋のリリースも予定されているとのこと。ひょっとして76年音源を全網羅する計画が進行中?もしかして16日の桃印音源の登場もあり得る?
そんな続編に期待をしつつ、今回は過去に取り上げてきた76年の音源を一同に会してみました。曲は全て「Over The Rainbow~Kill The King」。どの日も現時点でのベストを思われる音源を選びましたが、やはりタラの音の迫力が際立ってます。
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