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JEFF BECK 『Lost Mistral Tape』 1975年5月3日 ボストン

前々稿でウォッチ・タワー・レーベルのジェフ・ベック・ブートを取り上げましたが、僕の知る限りココはもう1タイトル(つまり計4タイトル)ベックのブートレグを出しています。で、これがまたすこぶる優秀な一枚なので、今回はソチラを取り上げてみたいと思います。

が、その前にいわばその思い入れの素となったブートを先に紹介しておきます。かれこれ20年近く前、つまりCDブートの創世記にスコルピオという海外の老舗レーベルからリリースされたものです。数曲にアタマ欠けなど不具合があるものの、未発表のライヴ演奏が高音質で聴けるとあって、出回っているタイトル数の少なかった当時とても重宝したブツでした。

内容的にはいわゆる寄せ集めもので、67年から71年(第一期~第二期JBG)の間にBBC放送用に収録されたスタジオ・ライヴ、68年のフィルモア・イーストでのライブやスタジオ・アウトテイクといった収録曲に混じり、13曲目、唐突に現れる75年の「Definitely Maybe」のライヴ・ヴァージョンが一際存在感を放っています。第二期ベック・グループ2作目『Jeff Beck Group』の最後を飾るマックス・ミドルトン作の名バラードですが、この曲が自身にとって更なる名曲として書き換えられたキッカケがこのブートに収録されているライヴ・ヴァージョンでした。全体的にややこもり気味な音質ながらも、ボトル・ネック(スライド・バー)を駆使し、ならではの超感覚的かつ繊細な技を繰り出すベックの凄さが十二分に伝わってくるものです。

 axemurderer.jpg axemurderer_bk.jpg
『Return of The Axe Murderer』
Scorpio 104 jb 18
モノラル&ステレオ・サウンドボード音源、ステレオ・オーディエンス音源他収録 プレス1CD

01. Hi Ho Silver Lining
02. I'm Losing You 
03. Rock My Plimsoul 
04. Tallyman
05. Hi Ho Silver Lining
06. Shapes Of Things
07. Rock My Plimsoul
08. Going Down
09. Got The Feeling
10. Ice Cream Cakes
11. Got The Feeling
12. Situation
13. Definitely Maybe 
14. Let The Love You / You Shook Me
15. Jeff Speaks (interview)

Track 01 - Live BBC 3/67
Tracks 02-05 - Live BBC 7/67
Tracks 06&07 - Live BBC 4/68
Tracks 08-10 - Live BBC 12/71
Tracks 11&12 - Studio 1971
Track 13 - Live Boston, MA 5/75
Track 14 - Recorded 1968, Fillmore East, NY

そして、その後長き時を経て極上音質と銘打ち売り出された今回の主役盤。75年5月3日にボストンのミュージック・ホールでのライヴを収録したウォッチ・タワー盤ですが、独演で披露される1曲目「Jeff's Boogie」からその音の良さに引き込まれます。続いて、この2ヶ月前にリリースされた新作『Blow By Blow』から3曲立て続けに演奏され…。

5曲目の「Definitely Maybe」。ここで何とスコルピオ版に収録されていたのと同じ演奏が飛び出してきました。しかし音がそれを遥かに凌駕するクリアさ。詳細は分かりませんがスコルピオ版はおそらくかなりジェネレーションの低いテープが元ネタだったと思われ、当時ワタシはスピーカーを前に、これがマスター・クオリティか、と驚嘆しきり。

とこんな風にある意味幸せな出会い方をした本盤ですが、ウリはその音の良さだけでなく、インスト転向初期のベックのギターを堪能できる(現行ベック・グループとは違う、テクニカルよりノリやニュアンス重視のバーナード・パーディ(ds)とのコンビネーションも聴きもの)充実した演奏の記録としても大変貴重な一枚だと思います。いわばベック指折りの名ブートですね。

lost_mistral_tapes.jpg

Live at Music Hall, Boston, MA 3rd, May 1975
01. Jeff's Boogie
02. Constipated Duck


03. Drum Solo / She's A Woman
04. Freeway Jam
05. Definitely Maybe ※2'40"過ぎで鳥肌~
06. Superstition


07. Keyboards Solo
08. Cause We've Ended As Lovers
09. Power


10. Got The Feeling
11. You Know Wnat I Mean


Jeff Beck - guitar
Wilbur Bascomb - bass
Bernard Purdie - drums
Max Middleton - keyboards

ちなみに本作のソース提供者は以前このブログでも紹介したやはりボストンでのライヴを収録したウォッチ・タワー・レーベル製の2タイトル新タランチュラ盤同様”米東海岸伝説のテーパー”と呼ばれたとジョー・マロニー氏だと言われています(スティーヴ・ホプキンス氏との訂正フォローをいただきました)。それにしてもこのサウンドボードとオーディエンスのいいとこ取りをしたような奥行き感と臨場感は驚き。加えてちょっと大袈裟に言ってしまえば、近頃のデジタル録音版ステレオ・オーディエンス音源とは異なる音の質感は、まるで管球アンプとアナログ・プレーヤーの組み合わせで聴く音のように、どこか温かみを感じさせます。

lost_mistral_tapes_bk.jpg
『Lost Mistral Tape』
Watch Tower WT 2004123 2004
ステレオ・オーディエンス録音音源使用 プレス1CD
購入店:御茶ノ水S 価格失念(3千円台)

という訳で、現在ではちと入手が難しいタイトルではありますが、ブート店で中古などを見かけた時はぜひ店員に試聴を頼んでみて下さい。きっとがっかりさせないと思いますよ~。

ちなみに、この時のUSツアーは、ジョン・マクラフリン率いるマハヴィシュヌ・オーケストラとの帯同ツアーで、ヘッドライナーを交互に取る形で行われていたのだそう。なのでセットは短め(故に1CD仕様です)。中にはアンコール時に共演する日もあり、その様子を収録したブートも存在します。
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Comment
2009.04.12 Sun 18:53  WLL #2DdjN05.
はじめまして。いつも楽しく拝見させて頂いております。

Jeff Beck の2つのショーについてですが、これらの公演の録音
者はジョー・マロニー氏ではなく、スティーヴ・ホプキンスと
いう人物によるものです。

因に同氏による作品(^^ゞ)は、76年のウイングス、75年77年の
フロイドのボストン公演をはじめとして沢山の超高音質ものが有
る様子です。
Boston taper / URL / Edit
2009.04.12 Sun 20:19  たどん #AZV5XfxQ
WLLさん、はじめまして。
コメントどうもありがとうございます。

>ジョー・マロニー氏ではなく、スティーヴ・ホプキンスと
いう人物によるものです。

フォローにも重ねて感謝申し上げます。この名前、聞いた憶えがあるような無いような(苦笑)。

フロイドのボストン公演といえば、75年の6/18と77年の6/27の音源が高音質で知られていますよね。前者は確かWTからのリリースもありました。

ブログを始めてからというもの、知らず&間違ったまま過ごしていることが思いのほか多いと痛感しています。ましてや思い込みの激しい性格ゆえ(苦笑)。

また何かありましたらぜひ教えて下さい。

今後とも、よろしくお願いいたします。
フォローありがとうございます / URL / Edit






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