西方徘徊 042:QUEEN 『A Night At Boston』 1975年ボストン
ブレイク後からの目くるめく展開。この曲を初めてフルで聴いた時の衝撃は如何ばかりだったか(当時AM放送ではそのブレイク後でフェイドアウトさせちゃうパターンがほとんどでした)。76年当時中学生だった僕ら男子はクイーンを含むいわゆるアイドルグループに熱を上げている女子達に対し表向きそれらをバカにする態度を取りながらも、裏ではそんなことを言い合っていたものです。
昨日は行き返りの電車の中で、例の新登場テーパーの蔵出し音源を収録したクイーンのブートを聴いていたんですが、思わず頬が緩んじゃう瞬間が何度もあって参りました。端から見れば随分と気味の悪いヤツだったんじゃないかと。
とにかく音良し(抜けの良いドラム音がグッド)、演奏良し、仕上げ良し。今年買った中では満足度の高さで三指に入るブツかも知れません。
『オペラ座の夜』リリースから約2ヵ月後の1976年1月30日、ボストン・ミュージック・ホールでのライヴをステレオ・オーディエンス音源にて完全収録。ちなみにシングル「Bohemian Rhapsody」がビルボードHOT100に初お目見えしたのが1月3日。そして4月24日には前年のヒット曲「Killer Queen(12位)」の記録を更新し最高位9位をマーク。この音源はそんな米国での人気と実力が共にピークに向け駆け上がり始めた頃の記録なんですね。
一方で初期の性急さやラフ具合と、ライヴでの再現が不可能になる程急速にレンジを拡げ始めたソング・ライティング力とアレンジ能力とがまるで軋み音をあげながら高みを目指している様というか、その意味では過渡期の演奏とも言えるかも知れません。それにしてもフレディが凄いです、やっぱり。
この日のセットリストは、1stから最新作『オペラ座の夜』までの4作品よりそれぞれ4曲、4曲、7曲、4曲(「God Save The Queen」を入れると5曲)という構成。ちなみにここでの「Bohemian Rhapsody」は3分割での演奏になっていて、何やら苦肉の策という感じもしますが、同時にこの曲に対する自信の程も窺えるような。
Disc 1
01. Bohemian Rhapsody (opera part & reprise)
02. Ogre Battle
03. Sweet Lady
04. White Queen
05. Flick Of The Wrist
06. Bohemian Rhapsody
07. Killer Queen
08. The March Of The Black Queen
09. Bohemian Rhapsody (reprise)
10. Bring Back That Leroy Brown
11. Brighton Rock
12. Guitar Solo
13. Son And Daughter
14. The Prophet's Song
15. Stone Cold Crazy
16. Doing All Right
Disc 2
01. Lazing On A Sunday Afternoon
02. Keep Yourself Alive
03. Seven Seas Of Rhye
04. Liar
05. In The Lap Of The Gods...Revisited
06. Now I'm Here
07. Hey Big Spender
08. Jailhouse Rock
09. Stupid Cupid / Be-Bop-A-Lula
10. Jailhouse Rock
11. God Save The Queen
どうでしょうか、クイーンのブート群の中でも屈指の高音質版登場といって良いんじゃないでしょうかね。こんなの聴いちゃうと他の音源も俄然気になってきちゃいますが、数点ならいわゆる定番音源と言われるタイトルを持ってはいるものの、もっと一連の流れで、と言うかアルバムリリース毎のライヴの変化とやらを追ってみたくなりました。
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QUEENはいままで、個人として特に海賊モノは
ノーチェックに近いバンドだったのですが、
UPしていただいたMP3音源があまりに素晴らしいので
、どうしても聴きたくなってしまいました。
いやー、良いですね、初期のQUEEN!!オープニングからSWEET LADYあたり感動モノですよ!昔、RADIO GA GAのヒットあたりで
相当、違和感を感じていましたが、ここでのQUEENは別モノの
ような感じですね。4人の演奏が素晴らしいです。
おお、購入されましたか。それはおめでとうございます。お気に召された様で僕も嬉しいです。
この時期のクイーンといえば、75年12月24日ハマースミス・オデオンでのライヴが(すこぶる良好なステレオSBDです)定番音源(&映像)として有名なんですが(コレについてもいずれ取り上げる予定です)、音質に関して言えばこのボストン盤の方が個人的には好みです。
ちなみにLHのスタッフは”特にクイーン・ファンという人でなくても(店内にこのCDを流していると)買って行ってくれる”と言ってました。
ネットで無料配布しているもの。
それを勝手に使って商売のネタにするとかふざけてるね
LHの商品はそんなのばっか
コメントありがとうございます。
ダウンロードで満足出来ずブートを買い、ウハウハと喜んでいるワタシが言えた柄じゃないですが、おっしゃることはごもっともと思います。
ですが、それが密録音源である以上、止むなしかなとも同時に思う訳でして。つまりそれもまたブートがブートたる所以と言いますか。