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西方徘徊 106:AEROSMITH 『East Side West Side Blues』 1977年2月4日 福岡

「本作は極楽蝶を超えられるのか???」

1976年12月13日・レインボー in 福岡九電記念体育館の予約受付が始まりました。早速オーダー入れましたが、どんな音でどんな演奏が飛び出すのか。早く聴きたいですねー。


さて今回はそのレインボー公演からおよそ2ヶ月後の1977年2月4日、同じく九電記念体育館で行われたエアロスミスのライヴを収録したブツを取り上げようと思います。

以前紹介したこの10月のスイス公演からだと3ヶ月と少々。1時間強という短めな演奏時間でしたが、今回も同様の展開で演奏曲もほとんど変化なし。違う点といえば長めのドラムソロがフィーチャーされているのと、ラストに「Toys In The Attic」が演奏されているくらい。個人的には代表曲「Back In The Saddle」が演奏されていないのは意外でした。あと名バラード「Home Tonight」も。ってさすがにそこまではムリ?。

とここでちょいと話が横道に逸れますが、この『Rocks』の最後を飾る「Home Tonight」。個人的にはあの「Dream On」をも超える最高のバラード曲だと思っているんですが、何故かこれまで数多リリースされたどのベスト盤にも(あの『Pandora's Box』にすら)収録されたためしが無いんですよね。当時シングルカットもされたってのにこの不遇な扱いはナゼ?。



『Swedish Rocks』もかなりの高音質でしたが、今回はまず初登場のサウンドボード音源という点が最大のポイント。何でもPA卓からライン録りしたソースに「臨場感を持たせる為に用いられたアンビエント・マイク」で録った音を簡易的にミックスしたものだそう。もしも演奏部分が客の反応などをほとんど録り込んでいないスタジオライヴ風の音だったのなら、この処理は個人的には○。まるでAUDソースのような臨場感が「まぶされて」ます。

aerosmith_fukuoka.jpg

そしていくらドラッグまみれだったとは言え、創作力はピークを迎え、ライヴ・バンドとしても最もトンガっていた頃の演奏です。ましてやそれが来日音源と来た日にゃ。あとコンピレーション式にまとめられた『ライヴ・ブートレッグ』に対するアドヴァンテージとして、ひとつのライヴをほぼ完全収録している点も見逃せませんね。

という訳で、スタートボタンを押すとまずは「‥‥ステージの前にバリケードを設けました。警察の方も来ていらっしゃいます」なんて声が聞こえてきました。
aerosmith_1977ML.jpg
77年来日時の様子。前座を務めたBOW WOW山本恭司の姿も(Music Life 1977年3月号より)

そして10月30日のスイス同様、オープニングSEにはバッハの「トッカータとフーガ」が使われていますが、ここではその前にまず映画『Jaws』のテーマが流れます。

幕開けらしくフランジャーを効かせたコードの掻きむしりをキメてからスタートする「Mama Kin」から3曲目の「S.O.S. (Too Bad)」まで立て続けに演奏。「S.O.S. (Too Bad)」冒頭のバンド一丸となってのアオリは聴きどころのひとつですね。イントロのドラムにエフェクト処理がされた「Lick And A Promise」、スティーヴンがブルースハープを聴かせる「Big Ten Inch Record」はスタジオ版のイメージを大きく覆す性急さがツボ。

トーキングモジュレーターの名手なら「3J」。つまりJeff Beck、Joe WalshとこのJoe Perryですが、その技を聴かせる「Sweet Emotion」とドライヴ感が抜群な「Rats In The Cellar」は後半2'45"以降の畳み掛けが実に堪りません。そしてリリカルな「Dream On」と間髪入れず演奏されるヘヴィな「Lord Of The Thighs」のコントラスト感の妙。

Disc 2の1曲目「Last Child」のスタートがちょうどテープ反転のタイミングだったようでイントロ部分に数秒の欠落があります。かなりの名演じゃないかと思う切れ味の鋭い「Walk This Way」や「Sick As A Dog」ではジョーの味のあるコーラスがかなりはっきりと聴こえますが、こんなところもSBDならでは。このラフなハーモニーのスタイルも当時ストーンズのフォロワーとして語られていた要素のひとつだったことを思い出します。

所々フランジャーを効かせたドラムソロを挟んでのクライマックス『Train Kept A Rollin'』はジョーの独演ソロからなだれ込む「Get The Lead Out」をインクルードした(「Batman Theme」もちらりと顔を出します)おそらくこのツアーならではのバージョン。そしてアンコールに応え演奏された、疾走感が気持ちよい「Toys In The Attic」で了。う~ん、実に濃い1時間27分‥‥。

このすこぶるラフな音を聴いていると、あの『Rocks』の完成度の高さがいかにプロデューサー、ジャック・ダグラスに負うところ大だったかが分かる気がしますね。しかしそんな荒削りな中にもキラリと光るセンスの良いリフやフレーズのコンビネーション、そしてそこにしなやかで猥雑なボーカルが絡んでいく様というのはやはりライヴならではで、実に魅力的なのでした。

jack_douglas.jpg
左端がジャック・ダグラス。右後にはジョー・ペリー(Sound & Recording 2009年10月号より)
 
なおDisc 3にはツアー開始直後の演奏が9曲収録されています。モノラルのSBDで凝縮した厚みのある音像が特徴。ガツンとくるインパクト、迫力の点ではこちらの音もかなりイケてます。

Live at Kyuden Kinen Taiikukan, Fukuoka, Japan - 4th February 1977
*STEREO SBD (from Original Master Cassette)
Disc 1 [44:06]
01. Opening S.E. [2:32]
02. Mama Kin [3:42]


03. Write Me A Letter [3:57]
04. S.O.S. (Too Bad) [3:33]
05. Lick And A Promise [3:22]
06. Big Ten Inch Record [4:11]
07. Sweet Emotion [5:25]
08. Rats In The Cellar [4:59]


09. Dream On [4:45]
10. Lord Of The Thighs [7:46]

Disc 2 [42:24]
01. Last Child (fade in) [3:12]
02. Walk This Way [4:28]
03. Sick As A Dog [4:50]


04. Same Old Song And Dance [5:29]
05. Train Kept A Rollin' [2:36]
06. Drum Solo [8:08]
07. Train Kept A Rollin'  incl. Get The Lead Out [8:47]
08. Toys In The Attic [4:59]



Live at McElroy Auditorium, Waterloo, Iowa, USA - 30th April 1976
*MONO SBD (from Original Master Cassette)
Disc 3 [41:06]
01. Walkin' The Dog (fade in) [3:09]
02. Walk This Way [4:13]
03. Adam's Apple [4:34]
04. Lick And A Promise [3:42]
05. Same Old Song And Dance [4:51]


06. Train Kept A Rollin' [2:42]
07. Drum Solo [5:43]
08. Train Kept A Rollin' [8:17]
09. Toys In The Attic [4:02]

*MP3Tube : 16bit/44.1KHz 128kbps

 aerosmith_fukuoka_r.jpg
『East Side West Side Blues』
Shades 009 2009 プレス3CD(200セット限定)
ステレオ(Disc 1 & Disc 2)& モノラル(Disc 3)サウンドボード録音音源収録
購入店:西新宿BTR 3,990円(Used)
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