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西方徘徊 120:COZY POWELL'S HAMMER 『Lost Reel Masters』

第二期ジェフ・ベック・グループからベドラムを経て、1973年にミッキー・モストのレーベルRAKからソロ名義でリリースした「Dance With The Devil」が全英チャート3位をマークする大ヒット。

その後、ベック・グループとベドラムで活動を共にした旧知のメンバーを含む4人と自身の名を冠したCozy Powell's Hammer(以下、CPH)を結成。

翌74年に「The Man In Black」(18位)、「Na Na Na」(10位)と立て続けにヒット曲を連発するもののその1年後にはコージーがレインボーに加入してしまうため、グループは消滅。

そんなプロデューサー主導型のヒットメイカーとして以外の具体的な活動内容がイマイチ掴めずにいたCPHですが、それをひも解く鍵と言っても良さそうなタイトルが先日リリースされました。公式リリース前提にレコーディングされた音源が収録されており、中にはかなり最終形に近いと思われるテイクが含まれています。全て初登場音源ですが、そもそも前述のヒット曲以外のスタジオ音源が残されていたことからしてもうかなりの驚きだったりする訳で。

「Dance With The Devil」 RAK 164 (1973) 最高位3位 ※全米チャートでの最高位49位 Chrysalis 2029


「The Man In Black」 RAK 173 (1974) 最高位18位


「Na Na Na」 RAK 180 (1974) 最高位10位



メンバーは、左からクライヴ・チェアマン(b)、バーニー・マースデン(g)、コージー、フランク・アイエロ(vo)、ドン・エイリー(key)の5人。前述の旧知のメンバーとは、ジェフ・ベック・グループでのクライヴ・チェアマンとベドラムでのフランク・アイエロ。

という訳で、久しぶりの真性初モノ。ワクワクしながらプレイボタンを押しましたよ。

cozy_hammer_tape.jpg
"COZY 15 I.P.S. N.A.B. BACKING TRACKS HAMMER"
on the front cover of the reel box

最初に聞こえてくるのはコージーの肉声カウント。ボトムの効いた硬質なバスドラ音と粒の細やかなスネアロールのコンビネーションといい、やや前のめりに突き進んでいくタイム感といい、聴こえてくるのは紛れも無いコージー・サウンド。それだけでもう相当感慨深いんですが、ではそれぞれ簡単にコメントなんぞ。

1. Take Your Time (Instrumental)

前述の通りコージーの肉声カウントからスタート。ボーカルは無いもののオケは既にギターとキーボードがオーバーダビングされかなり完成形に近いと思わせる仕上がりになっています。16でバスドラを踏み込む後半の展開が聴きどころ。やおら切り込んでくるバーニーのギターがスリリングです。しかしこのドラム音の生々しさったら。

2. Instrumental #1

前曲同様コージーのカウント付。コージーらしい突っ込み気味のフィルインが聴けるイントロ。よく動くファンキーなクライヴのベース。そこにドンがエレピのソロを乗せるあたりでは思わずあのハミングバードを連想しちゃいます。その後の浅くワウを効かせたバーニーのアーシーなソロも聴き応え十分。ボーカル収録前のテイクですが、そのおかげでバンドアンサンブルがとても分かりやすい(笑)。メンバーがメンバーだけにそこにも強いスター性を感じますね。

3. Instrumental #2

バーニーとドンがユニゾンで聴かせるリフを中心に進行していく本音源中最もハード&ヘヴィなナンバー。ドンが弾いているのはクラヴィネット(もしくはその音色を出しているシンセサイザー)。リフ主体の曲構成なのでボーカルが無くてもさほど違和感を感じさせません。てかこれでも十分イケてます。

4. Take Your Time (with vocal)

1曲目のボーカル入りバージョン。基本アレンジやギターとキーボードがオーバーダビングされている点は同じですがオケは別テイク。ところで、2ndソロ『Tilt』(邦題『サンダーストーム』)がリリースされた81年当時、コージーに「ロンドンでバスの運転手をしている」と暴露されてしまったフランクですが、今はどこで何を?

5. Bad Kid (with vocal)

ホンキートンク調で跳ねるドンのピアノが印象的なシャッフル・ナンバー。曲調がフィット、まるで水を得た魚のようなフランクのボーカルもなかなかいい感じです。コージーのドラムはオカズが強調されたミックスになっています。

6. Living A Lie (with vocal)

『Tilt』にはバーニーとフランクを迎えた新録バージョンが収録されていますが(bass:ニール・マーレイ、keyboards : ジョン・クック。ニール・マーレイはこの後グループを去るクライヴ・チェアマンの後任としてCPHに加入)、そこから6年ほど遡っての初期バージョンといった趣。とは言え、聴き応えはその公式バージョンに何ら引けを取りません。その理由が公式版にはない3'23"からのユニゾンのフレーズをベースに進行して行くドラマティックな展開(バーニーのギターが実に素晴らしい)。その結果?公式版より2分以上も尺の長いバージョンになっています。アンサンブルの構築度といい、エンディングのエフェクト処理といい、本音源中最も完成度の高いのがこの曲。


さて、ここから先はいわばボーナストラック的なニュアンス(個人的には)。

「Na Na Na」に続く第4弾シングルとしてミッキー・モストが持ち込んできたデイヴ・ブルーベックのナンバー。いかにもミッド70's、どこかしらフレンチ風味というか、ヒネったイージー・リスニング風と言うか、なかなか面白いインスト曲ですが、ここでは計3つのバージョンが収録されています。

どれも基本アレンジ、ベーシックトラックはほぼ同じ。僕が聴いた限りバンドメンバーで演奏に参加しているのはドンとコージーだけじゃないでしょうか。ベースはムーグシンセ。実のところドラムですら同期モノを疑ったんですが。

ギターも簡単なフレーズがちょこっと顔を出しますが、これがバーニーの演奏とはどうしても思えない。また、最後のテイク(9曲目)で聴こえるカウントもメーカーのインフォではコージーによるものとしていますがどうでしょう。僕はドンによるガイド用のカウントじゃないかと思うんですが。

7. Le Souk (Final mix)
8. Le Souk (3 min. single version)
9. Le Souk (Outtake)

Cozy Powell - drums
Bernie Marsden - guitar
Don Airey - keyboards
Clive Chaman - bass
Frank Aiello - vocal

残された音源はこれで全部なんでしょうかね。メーカーのインフォにある「世界中のロックファンを唖然とさせた「Rough And Ready Reel Masters」以来の衝撃~」と呼ぶにはいささかボリュームが不足気味ですが、それでもかなり興味深い音源であることは確か。それぞれの曲の完成度もかなり高いですしね。

まるでベックグループのファンキーさとベドラムのヘヴィさを足して割ったような音、なんて形容は短絡過ぎるかも知れませんが、RAK特有のチープなグラム臭(それはそれで大好きですが)や成り行きで得たヒット屋というレッテルを超えた、バンドとしての拘りや矜持みたいなものが感じられます。作品もこのままグループが存続していたらかなり面白い内容に仕上がったんじゃないでしょうか。これ以上のソースが残っていないのなら、あとはコンディションの良いライヴ音源なんぞ出てくれるとより一層面白いんですけどね。

cozy_hammer_r.jpg
『Lost Reel Masters』
ステレオ・サウンドボード音源収録 プレス1CD
100セットのみナンバリングステッカー付

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Comment
2010.04.17 Sat 05:59  ファブギアマン #2fj95qD6
 たどんさん、おはようございます。長年の“献血”という行為によって、「与える喜び」に目覚めてしまったワタクシ(笑)、徐々に物欲も薄れたのか、初回盤のステッカーにはあまり執着はないんですが、非常に氣になるタイトルですねぇ。3800円という強氣(?)の価格設定ですし。
 今頃コージーは、ボンゾと大騒ぎしてるかもしれませんネ。でも彼の氣質からして、ツインドラムでバンド結成しても長続きしないかも(苦笑)‥‥??   
 それではたどんさん、良い週末を。「先週の今ごろは、JCBホールで‥‥」と、2度とやって来ない時間(NEW TATTOOより、もうブートCD-Rになっていますね)に思いを馳せるのもアリかと考えます~。
おはようございます / URL / Edit
2010.04.18 Sun 00:24  たどん #AZV5XfxQ
ファブギアマンさん、こんばんは。

コージー命とおっしゃるファブさんならこれはマストでがしょう(笑)。しかし驚きましたね。どんな音源が眠っているのか油断も隙もあったもんじゃないです、ホント。

遅くなりましたが、ファブギアマンさんも良い週末をお過ごし下さい。どうか物欲が戻って来ますよう(笑)。

 / URL / Edit
2010.04.22 Thu 09:04  ファブギアマン #2fj95qD6
 たどんさん、こんにちは。アップして下さった音源、聴きました。同じくインストゥルメンタルという事もありますが、『OVER THRE TOP』の「SWEET POISON」を思わせる箇所もありますネ。「SWEET~」は、きっとVocal入りのテイクもプランにあったんじゃないかと思います。たどんさんの見識は、いかがでしょうか‥‥?
たびたびおじゃまします / URL / Edit
2010.04.22 Thu 12:44  たどん #AZV5XfxQ
ファブギアマンさん、毎度です。

「Sweet Poison」イイですね~。イントロからしてもうグッと来ます。しかしこの曲もHammerに負けず劣らず凄いメンツですよね。このままアルバム一枚作ってもらいたかったほどに。
 / URL / Edit
貴重な情報を有り難うございます!!
Hammerの音源とは珍しいですね!
明日にでもダイカンプラザに駆け込みたいです!!

ううう、それでもSorcerers 2枚とYoung Blood 1枚の音源が未だに手に入らず。。。。
貴重な情報を有難うございます / URL / Edit
2010.05.08 Sat 20:06  たどん #AZV5XfxQ
六さん、はじめまして。
コメントどうもありがとうございます。

これは驚きの流出音源でしたね。近頃またコージー絡みの音源が出始めているので今後の展開が気になります。という訳で駆け込みましょう、ダイカン9階(笑)。

>ううう、それでもSorcerers 2枚とYoung Blood 1枚の音源が未だに手に入らず。。。。

ふむ、なるほど。。でそれは一体どんなブツなんでしょ?(苦笑)。
 / URL / Edit
2010.05.10 Mon 22:56  ちょろ #LMs.iqQA
たどんさん、初めまして。
ブートを追わなくなって久しいですが、いきなりこんな音源が登場するなんて驚きですね!
昔、Cozyのソロシングルやベドラムのレコードを収集した頃を懐かしく思い出します。

久々にHammerのこのブート、買ってみようかなぁ。
3. Instrumental #2が、「本音源中最もハード&ヘヴィなナンバー」とのことで非常に興味あります。
よければUPしてみていただけませんか?m(__)m
はじめまして / URL / Edit
2010.05.11 Tue 01:46  六 #0RQWqxm.
> ふむ、なるほど。。でそれは一体どんなブツなんでしょ?(苦笑)。

はい。彼が参加した初期のバンドのレコードです。
Sorcerersの二枚目のシングルを含めたVAのCDを見付けたので、一枚目と三枚目が不明。そして、Young Bloodは三枚目だけが未入手です。Young Bloodの三枚目は埼玉の人とYahoo!で競り負けたので、埼玉県に現存することは確かですが、、、、。

http://www.brumbeat.net/youngblo.htm

なお、Cozyの参加アルバムはofficial系は全て手に入れてる筈だと自負しています。例えばそれにはJames DarbyのSouthern Region Breakdownなんていうものも含めてです。ビデオにもなっているStonkのCDもです。YouTubeにも載っているStonkのビデオは笑えますよ。QueenのRoger Taylorやミスター・ビーンのRowan Atkinsonと一緒にドラムを叩いていますから。
Sorcerers / Young Blood / URL / Edit
2010.05.11 Tue 12:29  たどん #AZV5XfxQ
ちょろさん、はじめまして。
コメントどうもありがとうございます。

やはりコアなコージーファンにとってもこれは驚きのリリースだったんですね。

>よければUPしてみていただけませんか?m(__)m

「ハード&ヘヴィ」もこの音源の中では、というエクスキューズを付けたいところですが了解しました。後程ぺたりしておきますのでまたお立ち寄り下さい。
 / URL / Edit
2010.05.11 Tue 13:08  たどん #AZV5XfxQ
六さん、こんにちは。

ソーセラーズもヤングブラッドも経歴としては知ってても実際に音は聴いたことがないんです。なのでそのコンピレーション盤は気になりますね。良かったらレーベルとタイトルを教えていただけないでしょうか?

いやはやそれにしてもコアな話題、どうもありがとうございます。

http://www.brumbeat.net/youngblo.htm

こちらも後でじっくりと読んでみたいと思います。

Stonkだけは知っていました。ギターもかなり豪華なメンツ。で、ローワン・アトキンソンのドラム芸といえばこれが有名ですよね。見えないドラム(笑)。

http://www.youtube.com/watch?v=6Sf_pogZ8jE&playnext_from=TL&videos=xcw0vAeZ0Bs

「まだまだ知らないことばかり。けど一人でしこしこやるのにも限界あるし、少しずつでも情報が集められたら」というのがこのブログを始めた動機のひとつだったりするので、今回のようなお話は本当に嬉しいです。また色々教えてやって下さい。よろしくお願いいたします。
 / URL / Edit
2010.05.11 Tue 22:41  ちょろ #LMs.iqQA
たどんさん、早速ありがとうございます。(__)m
これぞコージー!といった感じで痺れました。
購入決定です。早速ネット注文しました。(笑)

コージーの遺品が出元とされる音源も、もうなりを潜めたかと思ったら、また色々出始めているんですね。
このタイムラグは何か意味があるのでしょうか・・・
 / URL / Edit
2010.05.11 Tue 23:09  たどん #AZV5XfxQ
ちょろさん、こんばんは。

ご購入おめでとうございます。そろそろ完売の文字がサイトに上がりそうな予感‥‥。

>このタイムラグは何か意味があるのでしょうか・・・

そうなんですよね、それが僕も不思議でして。で、それとなく店員に訊ねてみると、不敵な笑みを浮かべながら(笑)「多くは語らず‥‥」ですと。

それはそうと、今週もまた「!!」なアイテムが出るようですね。
 / URL / Edit
2010.10.12 Tue 15:25  六 #0RQWqxm.
たどんさん、ご質問の件、お答えしてなくて済みませんでした。

Sorcerersの最初のシングルのB面「With You」は、Electrick Loosers # 2 - The Story Of Volkslied Into Krautrock (Blumenkraft label)の25曲目に収録されています。

Sorcerersの二枚目の二曲は、 Vol.11, 1000 Nadelstiche, Beat & Pop (BEAR FAMILY NATIONAL)の8、19曲目に収録されています。

Sorcerersの三枚目は情報がありません。

Young Bloodの一枚目のシングルの二曲は、 Footsteps to Fame Vol.2 (Pye)の17、18曲目に収録されています。

Young Bloodの二枚目のシングルのB面「Masquerade」は、BUTTERFLY Ripples Volume 8 (Sanctuary)の9曲目に収録されています。

Young Bloodの三枚目のシングルのB面「Bang-Shang-A-Lang」は、ROUND THE GUM TREE (Sanctuary)の16曲目に収録されています。同時に29曲目には一枚目のシングルのA面の「Green Light」も含まれています。

Young Bloodの四枚目のシングルのA面「The Continuing Story Of Bungalow Bill」は、Brumbeat - The Story of The 60s Midlands Sound (Sanctuary)の2枚目の19曲目に収録されています。同時に2枚目の10曲目には一枚目のシングルのB面の「Don't Leave Me In The Dark」も含まれています。

私が持っている情報はこの程度です。
Sorcerers / Young Blood / URL / Edit
2010.10.13 Wed 22:53  たどん #AZV5XfxQ
六さん、こんばんは。お久しぶりです。

これは凄い!

いただいた情報全て別のファイルにコピペさせていただきました。以前はコンピレーション盤にもそれなりに目を向けていたものですがこのところはすっかりご無沙汰でして。個人的にはBear Familyのオムニバスシリーズにソソられましたです。あ、Blumenkraft labelというのは今回初めて知りました。ジャケット含め内容確認出来ましたが、思わずブートを連想する佇まいのブツですね(笑)。

早速いただいた情報を元に入手へ動きたいと思います。感謝申し上げます。どうもありがとうございました。
 / URL / Edit
2014.03.22 Sat 12:49  六 #0RQWqxm.
たどんさん、

済みません。既にご存知かもしれませんが、あれこれ情報を総合すると、SorcerersでCozyが叩いたのは、三枚目の Love is a beautiful thing / Amen だけだそうです。。。。
三枚目だけ、、、。 / URL / Edit






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