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西方徘徊 160:GARY MOORE『Farewell Note』 2010年4月27日 東京・JCBホール

ゲイリー・ムーア、突然の訃報から4ヶ月が経とうとしています。

この間、オフィシャルサイドからの目立った動きは特にないみたいですが、ダークサ・・もとい、アチラの方面では来日音源やその他諸々、今もリリースラッシュが続いているようです。

その中から今回は先々週リリースされたブツ、昨年の4月27日JCBホール(東京・文京区)でのライブを収録したタイトルを紹介したいと思います。

この日は自身が参戦したライブでもあるので本来ならすぐにでも手に入れたかったところですが、残念なことにこれまでリリースされたのはどれもCD-R仕様。なのでブツでの入手はほとんど諦めていたんですが、なんとこのタイミングで初のプレス盤登場と相成りました。

farewell_note.jpg

か、顔コワイなぁ(笑)

メンバーがステージに登場する直前から終演までを完全収録。トータル108分。ショップのインフォによれば既発の2つのAUDソース 『TOKYO LAST NOTES』と『BLUES POWER』を重ねて仕上げたいわゆるマトリックス仕様なのだとか。

”自然な音が魅力の 「TOKYO LAST NOTES」は前述したようにギターの音質が際立っており、かたや「BLUES POWER」はクリアな音の広がりと臨場感・切れのある高音に特徴がありました。今回のマトリクス処理は特に時間をかけ、双方の長所を活かす絶妙な配分のもとに行われています。

もちろん単にマスターを重ねるだけではなく、その後の音処理や補正も的確に行われており、聴いていて全く違和感が無いのは無論の事、ギターを引き立てるサウンドの厚み・クリアさ・会場の様子をも自然に伝える聴き易さなど、間違いなくツアー最高音質盤に仕上がっています。”
  ~ショップのインフォより~

これら2つの既発音源については未聴なので何らコメント出来ませんが「聴いていて全く違和感が無い」は確かにその通りで、「観客とステージの距離が最大で30メートル」をウリにしている小規模ホールのスペース感、ノッケから総立ちでメンバーを迎えつつも、盛り上がりまくるというより寧ろ他のパートに比べ数割増しの大音量で迫ってくるギターの音に耳を奪われ、かつ固唾を呑みながらワシワシとネック上をヒットしていく太い指の動きやこれぞ顔弾きの代表格といったド迫力の表情に見入っていた、そんな会場の様子までもが生々しく想起される実にドキュメント色の強い仕上がりになっています。

と同時に参戦記の中で難癖をつけてしまったギター音に過剰に掛けられていたリバーブ=残響音までもがつぶさに捉えられているので、圧倒されながらもどこか集中しきれずにいたあの日の自分の状態までもがありありと甦ってきたりして。

難癖といえば、サポートメンバーの演奏にまるで華が無かった的なことまで書いていますが、今改めてこの音源で当日を振り返ってみると実はかなり堅実なプレイをしていたことが分ります。それともうひとつ。ゲイリーがどこか投げやりなムードで云々、についてもどうでしょう。これを聴く限りでは仮におとなしい客に対する戸惑いみたいなものはあったとしても、歌や演奏にそんなムードは感じられません。まぁ尤もこれについては多分に目で見て感じたブブンでもあるので何とも言い難いところではあるんですが。。

西方徘徊 129:GARY MOORE『Nobody Else But You』 2010年4月22日 東京 SHIBUYA-AX

farewell_note_is.jpg

今回は4曲ほど。ゲイリーがステージに登場する場面から、いきなり大音量で飛び出してきたブッといギター音にたまげたオープニングナンバーの「Oh Pretty Woman 」ではイントロ部分でハウリングしかけたところを強引にねじ伏せていくかのようなプレイに思わずゾクッ。

これでもか!とばかりに音を詰め込んでくる怒濤の弾き倒しにただただ目を奪われ耳を奪われ、身体を揺らしながらもブレイクに反応する以外は皆ほとんど静かに聴き入っていた(そんなリアクションはこの曲に限らないんですが)「Too Tired」。ブルースのスタイルを取りながらもバッキングのリフのテイストはまんまハードロックなところにこの人の出自を見る思いがした「Walking By Myself」。

そしてバラード曲ながらこの日客席の沸点が最も上がった曲。マーシャルの傍らで直立不動の状態でフィードバックをコントロールする姿がまざまざと甦ってくる「パリの散歩道」。

こうして音源を聴いていても圧倒されちゃいますね。やはり凄いこの入魂のギター。

Live at JCB Hall, Tokyo, Japan - 27th April 2010
Disc 1
1. Opening
2. Oh Pretty Woman


3. Bad For You Baby  *played Gibson Firebird
4. Down The Line  *played Gibson Firebird
5. Since I Met You Baby
6. Have You Heard
7. All Your Love
8. I Love You More Than You'll Ever Know

Disc 2
1. Too Tired


2. Still Got The Blues
3. Walking By Myself


4. The Blues Is Alright
5. Parisienne Walkways



そしてこの曲の演奏後、ステージを去る直前にゲイリーが投げたセリフ。"I'll be back next year!" が今は悲しいばかり・・

Gary Moore - guitar, vocal
Vic Martin - keyboards
Pete Rees - bass
Steve Dixon - drums

farewell_note_t.jpg
『Farewell Note』
ステレオ・オーディエンス音源収録 プレス2CD
50セットのみナンバリングステッカー付
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Comment
2011.06.03 Fri 05:12  lespaul #klq26XPE
このライヴは体調不良で行けませんでした。今でも悔やまれます(泣)まさか亡くなるとは…。Gary は1976Rainbowから始まる私のライヴ参戦経験で、何と!初参戦になるはずでした。もう一生観れません。このBOOTではないですが、この日のCDRものを購入して聴いております。beatleg誌先月号に生前の写真が載ってましたが、あんなに太っていたなんてビックリです。改めて御冥福をお祈りします。
 / URL / Edit
2011.06.03 Fri 11:17  Pink Cloud #YTIpxIas
私、我慢ができずに早々にCD-R 『TOKYO LAST NOTES』を購入してしまっておりました。
そのため、今回は悩んだ挙句、まだ手を出せておりません(苦笑)

たぶんショップがマトリクス仕様で仕上げたこちらのほうが良いんでしょうね。
たどんさんに聴き比べていただければと思います。その件はまた後ほど(笑)
当方CD-R(泣) / URL / Edit
2011.06.03 Fri 20:59  Midge大佐 #DNM/eCMo
別会場のプレスCDは買いましたが、この日だけ出てませんでしたよね。
予約してますが、まだ引き取りに行ってません;
シンクロがシンパイでしたが、この記事読んで安心しました。
予約が貯まってますのでそろそろ引き取りに行きますw
待ってて良かったw / URL / Edit
2011.06.03 Fri 22:22  たどん #AZV5XfxQ
Pink Cloudさん、こんばんは。

『TOKYO LAST NOTES』買うか買うまいかこれまで何度か迷いましたが、今回は珍しく我慢が吉と出たのかな?(笑)。

ではPink Cloudさんにも聴き比べていただければと思いますので、この件についても後ほど(笑)
 / URL / Edit
2011.06.03 Fri 22:30  たどん #AZV5XfxQ
lespaulさん、こちらへもコメントありがとうございます。

そうでしたね。以前そんなお話をしたことを覚えていますよ。

今回のような音源を聴くと残念な気持ちがまた募ってしまいますね。

改めて合掌。
 / URL / Edit
2011.06.03 Fri 22:38  たどん #AZV5XfxQ
Midge大佐さん、こんばんは。

やはり押さえてらっしゃいましたね。参戦日待望の銀盤化、嬉しいですね。

LHは普段この手の掛け合わせを滅多にしないので、どんな仕上がりになっているのかちと不安でもあったのですが(バドカンの前例があったりするし^^;)これはかなりうまく仕上がっていると思います。

>予約が貯まってますのでそろそろ引き取りに行きますw

皆やってることは同じですな(笑)。
 / URL / Edit
こんばんは。

ご無沙汰しております。
ゲイリーはそんな聴きこんで無いですが最後の来日だし音源的に気になったので僕もコレを購入しました。
流石にStill Got The Bluesは圧巻でした(笑)

Blues PowerはDragonflameレーベルから出てますが実は録音したのはSee Ne Evilレーベルだそうです。

そういえばCharの音源がdimeに上がってましたよ~
 / URL / Edit
2011.06.04 Sat 02:01  たどん #AZV5XfxQ
kazさん、こんばんは。お久しぶりです。

さすが代表曲。「Still Got The Blues」もウケてますよね。

>そういえばCharの音源がdimeに上がってましたよ~

99年12月のCBAですね。すでにDL済みです。まだ聴いていませんが(笑)
 / URL / Edit
こんにちは

ハードロックな曲でも弾き倒してて圧巻でした。
クラプトンがRAH公演でStill Got The Bluesをアコースティックでカバーしてましたよ~
聴かれましたか?

あとLHのVH武道館とエアロスミスの桃印を購入しました!


エアロスミスが音も演奏も最高でもう家宝です(笑)
 / URL / Edit
2011.06.05 Sun 23:40  たどん #AZV5XfxQ
kazさん、こんばんは。

>クラプトンがRAH公演でStill Got The Bluesをアコースティックでカバーしてましたよ~

これ先日ツイッターでも話題になっていたんですが、すでにYouTubeにもいくつか動画が上がってますよね。でそれを本エントリーの最後に貼り付けて締めようと思っていたはずなのに忘れてました(笑)。

実はクラプトンがゲイリーのカバーをしたことを僕は意外に感じたんですが、それは二人の接点を「ブルース」で捉えることにどこか違和感を感じていたからなのだと思います。クラプトンにとってのブルースとゲイリーにとってのそれは基本的に異質なもの、といった思い込みがあるのかも知れません。

>あとLHのVH武道館とエアロスミスの桃印を購入しました!

そういえばVHまだ記事にしてなかったですね。1995年にシンコー・ミュージックが出した『ライヴ・イン・ジャパン~ロック感動の来日公演史~』というムックの巻頭のグラビア中にエディとマイケルが一本のベースを弾いている写真(9月13日の武道館)があるんですが、これが実際にどこで披露されたものなのか、聴き取り調査をしたいと思っていたんですよ(笑)。

エアロスミス良さそうですね。家宝とまで言われた日には黙って見過ごすわけにはいきませんね(笑)。
 / URL / Edit
こんばんは。

ダブリンで最初に披露されたみたいですね。
ゲイリーの故郷アイルランドということでさぞ観客は盛り上がったんじゃないですかね~

確かにクラプトンとゲイリーがやるブルースは仰る通り本質的に異質なものだと思います。
正直言うとクラプトンはそこまでブルースではない気がします・・・・・(笑)

たどんさんもVH買われたのですね、武道館で録った音とは思えなくて驚きです!
そんな写真があったんですか~、雑誌はほとんど買わないので昔のそういう雑誌が古本屋とかにあれば買ったみたいですね
写真だけじゃどこか判断が難しいですね(笑)
ベースソロなんでしょうか?

恒例(?)の音圧差ですが個人的にはキンキンしたりしない曲が結構あったと思います。
youtubeに1曲張り付けてるので聴いてみてください!
音は虹にも負けてません(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=wmXYv2Gljao
 / URL / Edit
2011.06.06 Mon 18:44  たどん #AZV5XfxQ
kazさん、こんばんは。

取りあえずその翌日の5月11日、北アイルランド・ベルファストでの「Still Got The Blues」を此処に貼っておきましょう(笑)。ゲイリーの生まれ故郷での演奏ですね。

ERIC CLAPTON「Still Got The Blues」@Odyssey Arena
http://www.youtube.com/watch?v=D24ikgdMEao

VHですが写真はデイヴを入れた3人が写ってます。なのでベースソロの途中ではないと思うんですが、これ断定難しそうですね(笑)。

桃印エアロありがとうございます。後ほど聴いてみますね。今職場からなので(笑)
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