BOSTON 『More Than Third Stage』 1987年7月25日 カリフォルニア州オークランド
今回は一応前回からの続きということで、またもや87年式ボストンのライブ音源を収めたブツ(オーディエンス録音・プレス2CD)を取り上げたいと思うわけですが、これがリリースされたのは20年近く前。
…と実はここまで書いてその後2ヶ月以上放置(苦笑)。したらば、前回(正確には前々々回)取り上げたものとは別の日に同じ会場Centrumで録られたライン音源を収めたブツが出てきちゃったりなんかして。それも今度は2枚組のセット完パケ版。
なので、今回はあえてさらっとまとめさせていただき次へ繋げよう〜年跨ぎでのボストンねた、もうしばらくお付き合いいただけると嬉しいです。
収録されているのは7月25日のオークランド・コロシアム公演。この1ヶ月後にあのセントラム公演が行われています。
イントロダクションに続いて聞こえてくるのはいつもの(本当にいつもの)スペイシーなギターエフェクト音。するとテーパー氏ここで慌ててセッティングを始めたのか、ガサゴソと大きなノイズが耳に飛び込んできますが、それもお馴染みのオープニングナンバー「Rock & Roll Band」のリフが鳴り響くまでには安定。見通しの良いすっきりとした音像と、そこに硬質なドラムサウンドがいい具合にメリハリ感を加味していてなかなかいい感じ。バンドの演奏も安定しているし、何よりこの日はブラッドの声の調子が良く、例えば「Peace Of Mind」でのあのFの最後音部も難なく歌い切っています。
ところで、この87年は民生用のDATレコーダーが初めて世に出た年らしいんですが、ひょっとしてそんな新兵器が持ち込まれたんじゃなかろうかと、音を聴いていると思えたりもしましたが(音欠けの状況からするとやはり普通のカセットテープを使っていたようです)、その一方で録音時の苦労を偲ばせる?瑕疵を割と多く含んだ音源であることも確かで、ここでその目立ったところをいくつか挙げると、前述のオープニングで耳に飛び込んでくる大きなノイズと同様のものが「Peace Of Mind」「The Launch」「Something About You」に。そして瞬間的な右chの音切れが同じく「Peace Of Mind」と「Cool The Engines」「Used To Bad News」に。サード・ステージお披露目のコーナー中「The Launch」の冒頭の欠落はテープチェンジのタイミングだったんでしょうか。また、終盤ともなるといよいよテープの残量が気になったのか、曲間でポーズをかけていたことに起因すると思われる「Foreplay / Long Tme」演奏前のMCと「Used To Bad News」のアタマ欠け。そしておそらくラストに演奏されていたであろう「Party」の未収録。。
素性が良いだけに却ってそんな欠点が目立ってしまうワケですが、それでもアルバム『Third Stage』の全曲演奏に続いて披露された、一部意外とも思える選曲で構成された終盤の演奏をこんな高音質で聴けるのが有り難く、その意味でもやはり持っていてソンのない良質なタイトルだとは思います。
それと、一連のテープの残量を気にしての処置も、愛してやまないブラッドのペンによる名曲「Let Me Take You Home Tonight」の完パケ収録につながっていることに個人的にはむしろ拍手を送るべきなのかも。
ところが、あともうひとつどうしても納得のいかない点があるんですが、これは制作側への不満というか。2枚のディスクの分け目にあたる曲「Still In Love」がボーカルが乗っている途中でディスク1はフェイドアウト、2はフェイドインで処理されている、つまりここに収録されたままではこの曲は完全版として聴くことが出来ないんですね。マスターに欠けが無いにも関わらず、です。確かに基本メドレー形式で進行している曲構成だけにこの処置も一見やむなしと思わせますが、実は(ややせわしなくはなりますが)「I Think I Like It」の直前で切り分けが可能、いやそうすべきだったと思うんです。
あとはもうちょっとマスタリングなりに手間ひまをかけてくれればこのクリアな音像にもさらに磨きがかかり、さらに聴きやすくなったのになぁ(音量レベルももっと上げていい)、なんて20年も前のブツにブツブツこぼしてみたところでとも思いつつ、それでは今回はこのへんで。3つばかり音源あげているのでよかったら聴いてみて下さい。
Tom Scholz - guitars, keyboards, vocals
Brad Delp - vocals, guitars
Gary Pihl - guitars, keyboards, vocals
David Sikes - bass, keyboards, vocals
Doug Huffman - percussion. drums, keyboards
Jim Masdea - drums
…と実はここまで書いてその後2ヶ月以上放置(苦笑)。したらば、前回(正確には前々々回)取り上げたものとは別の日に同じ会場Centrumで録られたライン音源を収めたブツが出てきちゃったりなんかして。それも今度は2枚組のセット完パケ版。
なので、今回はあえてさらっとまとめさせていただき次へ繋げよう〜年跨ぎでのボストンねた、もうしばらくお付き合いいただけると嬉しいです。
収録されているのは7月25日のオークランド・コロシアム公演。この1ヶ月後にあのセントラム公演が行われています。
イントロダクションに続いて聞こえてくるのはいつもの(本当にいつもの)スペイシーなギターエフェクト音。するとテーパー氏ここで慌ててセッティングを始めたのか、ガサゴソと大きなノイズが耳に飛び込んできますが、それもお馴染みのオープニングナンバー「Rock & Roll Band」のリフが鳴り響くまでには安定。見通しの良いすっきりとした音像と、そこに硬質なドラムサウンドがいい具合にメリハリ感を加味していてなかなかいい感じ。バンドの演奏も安定しているし、何よりこの日はブラッドの声の調子が良く、例えば「Peace Of Mind」でのあのFの最後音部も難なく歌い切っています。
ところで、この87年は民生用のDATレコーダーが初めて世に出た年らしいんですが、ひょっとしてそんな新兵器が持ち込まれたんじゃなかろうかと、音を聴いていると思えたりもしましたが(音欠けの状況からするとやはり普通のカセットテープを使っていたようです)、その一方で録音時の苦労を偲ばせる?瑕疵を割と多く含んだ音源であることも確かで、ここでその目立ったところをいくつか挙げると、前述のオープニングで耳に飛び込んでくる大きなノイズと同様のものが「Peace Of Mind」「The Launch」「Something About You」に。そして瞬間的な右chの音切れが同じく「Peace Of Mind」と「Cool The Engines」「Used To Bad News」に。サード・ステージお披露目のコーナー中「The Launch」の冒頭の欠落はテープチェンジのタイミングだったんでしょうか。また、終盤ともなるといよいよテープの残量が気になったのか、曲間でポーズをかけていたことに起因すると思われる「Foreplay / Long Tme」演奏前のMCと「Used To Bad News」のアタマ欠け。そしておそらくラストに演奏されていたであろう「Party」の未収録。。
素性が良いだけに却ってそんな欠点が目立ってしまうワケですが、それでもアルバム『Third Stage』の全曲演奏に続いて披露された、一部意外とも思える選曲で構成された終盤の演奏をこんな高音質で聴けるのが有り難く、その意味でもやはり持っていてソンのない良質なタイトルだとは思います。
それと、一連のテープの残量を気にしての処置も、愛してやまないブラッドのペンによる名曲「Let Me Take You Home Tonight」の完パケ収録につながっていることに個人的にはむしろ拍手を送るべきなのかも。
ところが、あともうひとつどうしても納得のいかない点があるんですが、これは制作側への不満というか。2枚のディスクの分け目にあたる曲「Still In Love」がボーカルが乗っている途中でディスク1はフェイドアウト、2はフェイドインで処理されている、つまりここに収録されたままではこの曲は完全版として聴くことが出来ないんですね。マスターに欠けが無いにも関わらず、です。確かに基本メドレー形式で進行している曲構成だけにこの処置も一見やむなしと思わせますが、実は(ややせわしなくはなりますが)「I Think I Like It」の直前で切り分けが可能、いやそうすべきだったと思うんです。
あとはもうちょっとマスタリングなりに手間ひまをかけてくれればこのクリアな音像にもさらに磨きがかかり、さらに聴きやすくなったのになぁ(音量レベルももっと上げていい)、なんて20年も前のブツにブツブツこぼしてみたところでとも思いつつ、それでは今回はこのへんで。3つばかり音源あげているのでよかったら聴いてみて下さい。
Tom Scholz - guitars, keyboards, vocals
Brad Delp - vocals, guitars
Gary Pihl - guitars, keyboards, vocals
David Sikes - bass, keyboards, vocals
Doug Huffman - percussion. drums, keyboards
Jim Masdea - drums
Disc 1
01. Rock & Roll Band
02. Peace Of Mind
03. Tom Scholz Guitar Solo~Don't Look Back
04. The Journey
05. More Than A Feeling
06. Amanda
07. We're Ready
08. The Launch (cut in)
09. Cool The Engines
10. My Destination
11. A New World
12. To Be A Man
13. I Think I Like It
14. Can'tcha Say (You Believe In Me) / Still In Love (N/C fade out)
Disc 2
01. Still In Love (fade in)
02. Hollyann
03. Foreplay / Long Time
04. Feelin' Satisfied / Something About You (N/C)
05. Used To Bad News (cut in)
06. Let Me Take You Home Tonight
01. Rock & Roll Band
02. Peace Of Mind
03. Tom Scholz Guitar Solo~Don't Look Back
04. The Journey
05. More Than A Feeling
06. Amanda
07. We're Ready
08. The Launch (cut in)
09. Cool The Engines
10. My Destination
11. A New World
12. To Be A Man
13. I Think I Like It
14. Can'tcha Say (You Believe In Me) / Still In Love (N/C fade out)
Disc 2
01. Still In Love (fade in)
02. Hollyann
03. Foreplay / Long Time
04. Feelin' Satisfied / Something About You (N/C)
05. Used To Bad News (cut in)
06. Let Me Take You Home Tonight
『More Than Third Stage』
ステレオ・オーディエンス音源収録 プレス2CD
ステレオ・オーディエンス音源収録 プレス2CD
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