西方徘徊170:BOSTON 『The Journey Into Centrum』 1987年8月24日 マサチューセッツ州ウォーセスター
久しぶりの更新です(またしても広告出されちゃいました)。先日、ボストンのちょいと珍しいサウンドボード音源を入手したのでそれをお題に今回は書いてみようと思います。
収録されているのは1987年8月24日、マサチューセッツ州ウォーセスターにあるセントラム(現DCU Center:キャパ15,000人)での演奏。時期的には3rdアルバム『Third Stage』のリリースから11ヶ月後にあたりますが、当時のライン音源は自分の知る限りではこれが初じゃないかと。
いかにもミキサー卓から引っ張ってきました的な音像、と思いきや、時折見せる(聴かせる)ステレオイメージの奥行き感や広がりが気持ちよく、中でも特筆すべきはギターの定位の動きというか、例えばトムが独奏している時はセンターから聞こえていた音が、2本になった途端(もうひとりのギターはGary Pihl:右ch)、左右にキッチリ分かれるところなんざ、現場のPAから出力されていた音の動きを見せられているようでもあり、なかなか興味深い。
そもそもスタジオ版の音ではメンバーの顔が見えにくいのがこのバンドの特徴でもあったわけで(ドラムを除き、大部分がトム個人による多重録音なのでそれも当然と言えば当然)、しかし決してバランスが良いとは言えないこの音源がライブならではの生々しさでもってバンド像を伝えるドキュメントになっている点が堪えられない魅力(例えば「The Launch」でトムがギターからキーボードにチェンジする瞬間の左chの音の途切れですら、本音源の聴きどころのひとつと言っていいと思う)、そう考えると有り難みもさらに増してくるようで。
ところで、このツアーについて調べてみたところ、嬉しいことに公式サイトにスケジュールが記載されていました。それによるとこの日はトータル70本という規模で行われた全米ツアーのほぼ折り返しにあたる37公演目、しかも連続で10回行われた同会場での最終公演だったことがわかります(定番のオープニングナンバー「Rock & Roll Band」の3コーラス目のアタマで”Playin' for a week in CENTRUM”と歌ってます)。
01. 1987/06/14 War Memorial Auditorium, Rochester, NY
02. 1987/06/17 Cotton Bowl, Dallas, TX
03. 1987/06/25 Spectrum, Philadelphia, PA
04. 1987/06/26 Spectrum, Philadelphia, PA
05. 1987/06/27 Spectrum, Philadelphia, PA
06. 1987/07/01 Meadowlands Arena, East Rutherford, NJ
07. 1987/07/02 Meadowlands Arena, East Rutherford, NJ
08. 1987/07/03 Meadowlands Arena, East Rutherford, NJ
09. 1987/07/05 Meadowlands Arena, East Rutherford, NJ
10. 1987/07/08 Joe Louis Arena, Detroit, MI
11. 1987/07/09 Joe Louis Arena, Detroit, MI
12. 1987/07/10 Joe Louis Arena, Detroit, MI
13. 1987/07/11 Joe Louis Arena, Detroit, MI
14. 1987/07/16 Veteran's Memorial Coliseum
15. 1987/07/18 The Forum, Los Angeles, CA
16. 1987/07/20 The Forum, Los Angeles, CA
17. 1987/07/21 The Forum, Los Angeles, CA
18. 1987/07/22 Irvine Meadows Amphitheater, Irvine, CA
19. 1987/07/25 Oakland Coliseum, Oakland, CA
20. 1987/07/26 Oakland Coliseum, Oakland, CA
21. 1987/07/27 Oakland Coliseum, Oakland, CA
22. 1987/07/31 Tacoma Dome, Tacoma, WA
23. 1987/08/01 Tacoma Dome, Tacoma, WA
24. 1987/08/06 Alpine Valley Music Theatre, East Troy, WI
25. 1987/08/07 Alpine Valley Music Theatre, East Troy, WI
26. 1987/08/08 Alpine Valley Music Theatre, East Troy, WI
27. 1987/08/09 Alpine Valley Music Theatre, East Troy, WI
28. 1987/08/13 Centrum, Worcester, MA
29. 1987/08/14 Centrum, Worcester, MA
30. 1987/08/15 Centrum, Worcester, MA
31. 1987/08/16 Centrum, Worcester, MA
32. 1987/08/18 Centrum, Worcester, MA
33. 1987/08/19 Centrum, Worcester, MA
34. 1987/08/20 Centrum, Worcester, MA
35. 1987/08/21 Centrum, Worcester, MA
36. 1987/08/23 Centrum, Worcester, MA
37. 1987/08/24 Centrum, Worcester, MA
38. 1987/09/07 The Scope, Norfolk, VA
39. 1987/09/08 Capital Centre, Washington, DC
40. 1987/09/09 Capital Centre, Washington, DC
41. 1987/09/11 Civic Arena, Pittsburgh, PA
42. 1987/09/12 Civic Arena, Pittsburgh, PA
43. 1987/09/16 Starwood Amphitheater, Nashville, TN
44. 1987/09/17 The Omni, Atlanta, GA
45. 1987/09/19 Dean Smith Center, Chapel Hill, NC
46. 1987/09/23 Richfield Coliseum, Cleveland, OH
47. 1987/09/24 Richfield Coliseum, Cleveland, OH
48. 1987/09/26 Market Square Arena, Indianapolis, IN
49. 1987/09/30 USF Sundome, Tampa, FL
50. 1987/10/01 USF Sundome, Tampa, FL
51. 1987/10/03 Sportatorium, Hollywood, FL
52. 1987/10/04 Sportatorium, Hollywood, FL
53. 1987/10/07 Checkerdome, St. Louis, MO
54. 1987/10/08 Checkerdome, St. Louis, MO
55. 1987/10/09 Kemper Arena, Kansas City, MO
56. 1987/10/11 Met Center, Minneapolis, MN
57. 1987/10/13 McNichols Arena, Denver, CO
58. 1987/10/14 McNichols Arena, Denver, CO
59. 1987/10/16 BYU, Provo, UT
60. 1987/10/20 U of T - Frank Irwin Center, Austin, TX
61. 1987/10/21 The Summit, Houston, TX
62. 1987/10/22 LSU Assembly Center, Baton Rouge, LA
63. 1987/10/24 Kansas Coliseum, Wichita, KS
64. 1987/10/25 Devaney Center, Lincoln, NE
65. 1987/10/28 Centennial Hall, Toledo, OH
66. 1987/10/29 Riverfront Coliseum, Cincinnati, OH
67. 1987/10/31 Memorial Auditorium, Buffalo, NY
68. 1987/11/02 Civic Center, Hartford, CT
69. 1987/11/03 Civic Center, Hartford, CT
70. 1987/11/05 Broome County Arena, Binghamton, NY
収録時間は約77分間。まずはファーストとセカンドから代表的なところを聴かせてから、新作を全曲演奏(クレジット上ではそうなってませんがこれは誤りで、実際には全編ブッ続けで演奏されています)。
本盤はそこで終わっていますが、実際にはこれ以降がおいしいトコというか。ブラッドによるメンバー紹介を経て繰り広げられる「Forepaly〜Long Time」「Something About You」「Used To Bad News」「Hitch A Ride(!)」「Let Me Take You Home Tonight」といった私的ウハウハな曲がここではごっそり落ちているのが残念至極。きっとどこかにはあるんでしょうけども。
収録されているのは1987年8月24日、マサチューセッツ州ウォーセスターにあるセントラム(現DCU Center:キャパ15,000人)での演奏。時期的には3rdアルバム『Third Stage』のリリースから11ヶ月後にあたりますが、当時のライン音源は自分の知る限りではこれが初じゃないかと。
いかにもミキサー卓から引っ張ってきました的な音像、と思いきや、時折見せる(聴かせる)ステレオイメージの奥行き感や広がりが気持ちよく、中でも特筆すべきはギターの定位の動きというか、例えばトムが独奏している時はセンターから聞こえていた音が、2本になった途端(もうひとりのギターはGary Pihl:右ch)、左右にキッチリ分かれるところなんざ、現場のPAから出力されていた音の動きを見せられているようでもあり、なかなか興味深い。
そもそもスタジオ版の音ではメンバーの顔が見えにくいのがこのバンドの特徴でもあったわけで(ドラムを除き、大部分がトム個人による多重録音なのでそれも当然と言えば当然)、しかし決してバランスが良いとは言えないこの音源がライブならではの生々しさでもってバンド像を伝えるドキュメントになっている点が堪えられない魅力(例えば「The Launch」でトムがギターからキーボードにチェンジする瞬間の左chの音の途切れですら、本音源の聴きどころのひとつと言っていいと思う)、そう考えると有り難みもさらに増してくるようで。
ところで、このツアーについて調べてみたところ、嬉しいことに公式サイトにスケジュールが記載されていました。それによるとこの日はトータル70本という規模で行われた全米ツアーのほぼ折り返しにあたる37公演目、しかも連続で10回行われた同会場での最終公演だったことがわかります(定番のオープニングナンバー「Rock & Roll Band」の3コーラス目のアタマで”Playin' for a week in CENTRUM”と歌ってます)。
01. 1987/06/14 War Memorial Auditorium, Rochester, NY
02. 1987/06/17 Cotton Bowl, Dallas, TX
03. 1987/06/25 Spectrum, Philadelphia, PA
04. 1987/06/26 Spectrum, Philadelphia, PA
05. 1987/06/27 Spectrum, Philadelphia, PA
06. 1987/07/01 Meadowlands Arena, East Rutherford, NJ
07. 1987/07/02 Meadowlands Arena, East Rutherford, NJ
08. 1987/07/03 Meadowlands Arena, East Rutherford, NJ
09. 1987/07/05 Meadowlands Arena, East Rutherford, NJ
10. 1987/07/08 Joe Louis Arena, Detroit, MI
11. 1987/07/09 Joe Louis Arena, Detroit, MI
12. 1987/07/10 Joe Louis Arena, Detroit, MI
13. 1987/07/11 Joe Louis Arena, Detroit, MI
14. 1987/07/16 Veteran's Memorial Coliseum
15. 1987/07/18 The Forum, Los Angeles, CA
16. 1987/07/20 The Forum, Los Angeles, CA
17. 1987/07/21 The Forum, Los Angeles, CA
18. 1987/07/22 Irvine Meadows Amphitheater, Irvine, CA
19. 1987/07/25 Oakland Coliseum, Oakland, CA
20. 1987/07/26 Oakland Coliseum, Oakland, CA
21. 1987/07/27 Oakland Coliseum, Oakland, CA
22. 1987/07/31 Tacoma Dome, Tacoma, WA
23. 1987/08/01 Tacoma Dome, Tacoma, WA
24. 1987/08/06 Alpine Valley Music Theatre, East Troy, WI
25. 1987/08/07 Alpine Valley Music Theatre, East Troy, WI
26. 1987/08/08 Alpine Valley Music Theatre, East Troy, WI
27. 1987/08/09 Alpine Valley Music Theatre, East Troy, WI
28. 1987/08/13 Centrum, Worcester, MA
29. 1987/08/14 Centrum, Worcester, MA
30. 1987/08/15 Centrum, Worcester, MA
31. 1987/08/16 Centrum, Worcester, MA
32. 1987/08/18 Centrum, Worcester, MA
33. 1987/08/19 Centrum, Worcester, MA
34. 1987/08/20 Centrum, Worcester, MA
35. 1987/08/21 Centrum, Worcester, MA
36. 1987/08/23 Centrum, Worcester, MA
37. 1987/08/24 Centrum, Worcester, MA
38. 1987/09/07 The Scope, Norfolk, VA
39. 1987/09/08 Capital Centre, Washington, DC
40. 1987/09/09 Capital Centre, Washington, DC
41. 1987/09/11 Civic Arena, Pittsburgh, PA
42. 1987/09/12 Civic Arena, Pittsburgh, PA
43. 1987/09/16 Starwood Amphitheater, Nashville, TN
44. 1987/09/17 The Omni, Atlanta, GA
45. 1987/09/19 Dean Smith Center, Chapel Hill, NC
46. 1987/09/23 Richfield Coliseum, Cleveland, OH
47. 1987/09/24 Richfield Coliseum, Cleveland, OH
48. 1987/09/26 Market Square Arena, Indianapolis, IN
49. 1987/09/30 USF Sundome, Tampa, FL
50. 1987/10/01 USF Sundome, Tampa, FL
51. 1987/10/03 Sportatorium, Hollywood, FL
52. 1987/10/04 Sportatorium, Hollywood, FL
53. 1987/10/07 Checkerdome, St. Louis, MO
54. 1987/10/08 Checkerdome, St. Louis, MO
55. 1987/10/09 Kemper Arena, Kansas City, MO
56. 1987/10/11 Met Center, Minneapolis, MN
57. 1987/10/13 McNichols Arena, Denver, CO
58. 1987/10/14 McNichols Arena, Denver, CO
59. 1987/10/16 BYU, Provo, UT
60. 1987/10/20 U of T - Frank Irwin Center, Austin, TX
61. 1987/10/21 The Summit, Houston, TX
62. 1987/10/22 LSU Assembly Center, Baton Rouge, LA
63. 1987/10/24 Kansas Coliseum, Wichita, KS
64. 1987/10/25 Devaney Center, Lincoln, NE
65. 1987/10/28 Centennial Hall, Toledo, OH
66. 1987/10/29 Riverfront Coliseum, Cincinnati, OH
67. 1987/10/31 Memorial Auditorium, Buffalo, NY
68. 1987/11/02 Civic Center, Hartford, CT
69. 1987/11/03 Civic Center, Hartford, CT
70. 1987/11/05 Broome County Arena, Binghamton, NY
収録時間は約77分間。まずはファーストとセカンドから代表的なところを聴かせてから、新作を全曲演奏(クレジット上ではそうなってませんがこれは誤りで、実際には全編ブッ続けで演奏されています)。
本盤はそこで終わっていますが、実際にはこれ以降がおいしいトコというか。ブラッドによるメンバー紹介を経て繰り広げられる「Forepaly〜Long Time」「Something About You」「Used To Bad News」「Hitch A Ride(!)」「Let Me Take You Home Tonight」といった私的ウハウハな曲がここではごっそり落ちているのが残念至極。きっとどこかにはあるんでしょうけども。
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FREE『San Francisco 1971』 1971年1月22日&1月16日
twitterでは#nowpalyingというハッシュタグが音楽好きの間ではまるで挨拶代わりのようになっていて、自分も一時期よくやりました。
となると今回はさしずめ#previouslyplayedとでも?今日はこんな音源を聴きながら職場に向かいました。
今では入手が難しくなっちゃってるかも知れませんね。Freeの1971年の2種類の音源をプレス2CDに収めたブツで、放送音源とAUDソースの抱き合わせになっています。ビッグネームの割にコンディションの良い音源が少ない中、かなりの高音質で完熟期の演奏を楽しめる有り難いブツですが、リリース当時のキャプションにはこう書かれてます(抜粋)。
プロモーション用に制作したシングル盤「The Highway Song / Love You So」を引っさげて臨んだというUSツアー。まさに完熟しまくりな頃の記録で、時期的にはあの名ライブ盤『Free Live!』が録音されてからおよそ4ヶ月後、そしてすでにバンド内の人間関係がほとんど破綻していたとも言われる初の来日公演のおよそ3ヶ月前にあたります。
「各曲ごとのフェイドイン&アウト」はどうもマメにDJのナレーションをカットした痕跡とも聞こえますが、演奏中のカットは”テープのリバースポイントと思われる”「I'm A Mover」(0:06あたり)とキャプションには記されてませんが「Mr Big」(2:55あたり)の2箇所。が、どちらも然程目立つものではないです。
ところで、彼らの音楽性を評する際によく言われるのがその老成ぶり。そう、確かに渋い。ブルース・ロックの呼称が実にしっくりくる、けれどもそこにある種人懐っこくもある独特な歌心を注ぎ込んだ実に個性的な演奏を繰り広げていて、その味わいははまさにタイムレス。当時平均年齢21歳の4人が奏でる音を五十路手前の自分がいまもずっぽりと浸れてしまう、それも音楽ならではの醍醐味でがしょう。フリー、やっぱり良いなぁ。
となると今回はさしずめ#previouslyplayedとでも?今日はこんな音源を聴きながら職場に向かいました。
今では入手が難しくなっちゃってるかも知れませんね。Freeの1971年の2種類の音源をプレス2CDに収めたブツで、放送音源とAUDソースの抱き合わせになっています。ビッグネームの割にコンディションの良い音源が少ない中、かなりの高音質で完熟期の演奏を楽しめる有り難いブツですが、リリース当時のキャプションにはこう書かれてます(抜粋)。
ディスク1では当時FMラジオで放送された71年1月22日サンタモニカ公演を安定したサウンドボード録音にて16曲分に渡って完全収録しています。この80分に渡る全長版は以前アナログ時代に存在していましたが、CD時代になってからは数種類存在するコンピレーションCDに、Be My Friend, Stealer, Woman, Ride On Ponyの4曲が収録されていたに過ぎませんでした。で、ここにきてアナログ落としでない、全長版テイクが衝撃の登場です!(各曲ごとのフェイドイン&アウト、そしてI'm A Moverのドラム・イントロに、テープのリバースポイントと思われるパートがあります。)
さらにさらに、ディスク2では、こちらは世界完全初登場となる1971年1月16日のフィルモアウェストでのライブをライン録音に迫る高音質オーディエンス録音で収録。こちらはカルフォルニア在住の日本人レコードスタッフが記録用に録音したもので、トレーダー界のどこにも流れていなかった世界中のFREEファン驚愕のウルトラテイクです!(ジャケ裏にマスターカセットの写真を掲載してます(なんと曲間で日本語が聞こえます!)。
収録時間は30分と短いですが、ポール・ロジャース、ポール・コゾフ、アンディ・フレイザー、サイモン・カークの織り成す燻し銀のようなオリジナルFREEの生々しいサウンドにたっぷりと触れることができます。
さらにさらに、ディスク2では、こちらは世界完全初登場となる1971年1月16日のフィルモアウェストでのライブをライン録音に迫る高音質オーディエンス録音で収録。こちらはカルフォルニア在住の日本人レコードスタッフが記録用に録音したもので、トレーダー界のどこにも流れていなかった世界中のFREEファン驚愕のウルトラテイクです!(ジャケ裏にマスターカセットの写真を掲載してます(なんと曲間で日本語が聞こえます!)。
収録時間は30分と短いですが、ポール・ロジャース、ポール・コゾフ、アンディ・フレイザー、サイモン・カークの織り成す燻し銀のようなオリジナルFREEの生々しいサウンドにたっぷりと触れることができます。
プロモーション用に制作したシングル盤「The Highway Song / Love You So」を引っさげて臨んだというUSツアー。まさに完熟しまくりな頃の記録で、時期的にはあの名ライブ盤『Free Live!』が録音されてからおよそ4ヶ月後、そしてすでにバンド内の人間関係がほとんど破綻していたとも言われる初の来日公演のおよそ3ヶ月前にあたります。
「各曲ごとのフェイドイン&アウト」はどうもマメにDJのナレーションをカットした痕跡とも聞こえますが、演奏中のカットは”テープのリバースポイントと思われる”「I'm A Mover」(0:06あたり)とキャプションには記されてませんが「Mr Big」(2:55あたり)の2箇所。が、どちらも然程目立つものではないです。
ところで、彼らの音楽性を評する際によく言われるのがその老成ぶり。そう、確かに渋い。ブルース・ロックの呼称が実にしっくりくる、けれどもそこにある種人懐っこくもある独特な歌心を注ぎ込んだ実に個性的な演奏を繰り広げていて、その味わいははまさにタイムレス。当時平均年齢21歳の4人が奏でる音を五十路手前の自分がいまもずっぽりと浸れてしまう、それも音楽ならではの醍醐味でがしょう。フリー、やっぱり良いなぁ。
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R.I.P. Bob Welch
これから先、数多くの訃報に接することになるってわかっていたつもりだけど。
けど多過ぎでしょホント。
しかも今回は自害だなんて、あまりにも残念すぎる。
体調に不安を抱えていたんですってね。
70年代半ばよりラジオから流れてくるヒット曲で洋楽に親しんでいた自分にとって1977年にソロ名義でヒットさせたフリートウッド・マック時代(1972年作『Bare Trees(邦題:『枯木』に収録)の曲を再録した「悲しい女」と「エボニー・アイズ」は今も宝。
その後フリートウッド・マックでの活動も後追いし、けれどグループ名義ということなら1976年にデビューし、2枚の素晴らしいアルバムを残したパワートリオ、PARISの音がより鮮烈に刷り込まれてます。
これは1976年10月5日デトロイト、フォード・オーディトリウムでのライブを収録したタイトル。2ndアルバム『BIG TOWNE, 2061』リリース後ということもあり、全8曲中6曲がその2ndからの曲になっています。
音質は距離は感じさせるもののなかなか良好なAUD。
けどブートで追悼かよ、って?
・・まぁそう言わずに。
単にB級というレッテルを貼ってしまうだけでは実に惜しい個性とライブならではのスリリングなアンサンブルが今も自分の胸を強く揺さぶるのだからして。
2つの公式盤も長らく廃盤という現状を憂いながら、今はこのような素晴らしいバンドが存在していたという事実をこんなネットの片隅からとにかくアピールしたい気分。
May you rest in peace.
どうか安らかに
けど多過ぎでしょホント。
しかも今回は自害だなんて、あまりにも残念すぎる。
体調に不安を抱えていたんですってね。
70年代半ばよりラジオから流れてくるヒット曲で洋楽に親しんでいた自分にとって1977年にソロ名義でヒットさせたフリートウッド・マック時代(1972年作『Bare Trees(邦題:『枯木』に収録)の曲を再録した「悲しい女」と「エボニー・アイズ」は今も宝。
その後フリートウッド・マックでの活動も後追いし、けれどグループ名義ということなら1976年にデビューし、2枚の素晴らしいアルバムを残したパワートリオ、PARISの音がより鮮烈に刷り込まれてます。
これは1976年10月5日デトロイト、フォード・オーディトリウムでのライブを収録したタイトル。2ndアルバム『BIG TOWNE, 2061』リリース後ということもあり、全8曲中6曲がその2ndからの曲になっています。
音質は距離は感じさせるもののなかなか良好なAUD。
けどブートで追悼かよ、って?
・・まぁそう言わずに。
単にB級というレッテルを貼ってしまうだけでは実に惜しい個性とライブならではのスリリングなアンサンブルが今も自分の胸を強く揺さぶるのだからして。
2つの公式盤も長らく廃盤という現状を憂いながら、今はこのような素晴らしいバンドが存在していたという事実をこんなネットの片隅からとにかくアピールしたい気分。
May you rest in peace.
どうか安らかに
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西方徘徊 169:Mick Jagger with Arcade Fire, Foo Fighters & Jeff Beck『Saturday Night Live 19th May 2012』
コレもう何度繰り返して観ただろう。
5月に放送されたアメリカの人気バラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ(SNL)』でミック・ジャガーがジェフ・ベックと共演。他にもフー・ファイターズと「19回目の神経衰弱」と「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」のメドレーを披露したほか、アーケード・ファイア(名前しか知らない)とも3曲で共演。
最初に見たのがベックとの共演映像だったのだけれど、これが何とも心地よい衝撃というか、とにかく何度見てもワクワクさせられる。
二人は今何歳なんだっけ?
ベックは今月の24日で68歳に。ミックは来月の26日で69歳になる。何とも月並みで申し訳ないけど、とてもそんな齢には見えない。その佇まいの若々しさには本当に驚くばかり。
プレイだってお見事。ベックはあの予測不能な、ゆえにベックらしいトリッキーな技をかませつつ、ミックは、これまたどこまでもミック・ジャガーで。演奏が始まってすぐの「お前どこ行ってんだよ?w」みたいなやり取りも妙にグッとくるし、ソロの最後でベックが低音弦のアーミングをキメた瞬間のミックの笑顔も素敵です。
そうそう、それと忘れちゃならないのが、リズム隊が数年前にベックと活動を共にしていたヴィニー・カリウタとタル・ウィルケンフェルド嬢だってこと。久しぶりにこんな演奏を聴かされると、これ当然ワンオフなんだろうけど、何とも勿体ないキモチが募るというか。
またこの二人と一緒に演ればいいのにと本気で思ったりして。
そんなココロに残る演奏。出来ればいつでも気軽に観られるようブツとして手元に置いておきたい。それを今回西新宿某ショップの”2点買いギフト”が叶えてくれました。
収録内容は下記の通り。
1. Intro: (I Can't Get No) Satisfaction - Portion of Skit (1:08)
2. Mick Jagger & Arcade Fire - The Last Time (4:29)
3. Mick Jagger & Foo Fighters - 19th Nervous Breakdown & It's Only Rock 'n Roll (But I Like It) (6:30)
4. Mick Jagger & Jeff Beck - Tea Party (Presidential Election Blues) (3:40)
5. Arcade Fire - She's A Rainbow / Ruby Tuesday (3:31)
個人的にはやはりベックとのブルースに最も心惹かれるけど(秋に行われる大統領選のことを歌っているらしい)フー・ファイターズとの共演もとても面白い。実に彼ららしい轟音アレンジで強引に迫るも、何ら気圧されることなく、いやむしろノッケからムードを掌握しているミックがやはりサスガ。あの自然発生的アクションも全くもってカッコイイし。
それとチャプター5がまたなかなか印象に残る映像で、2005年から番組に出演していたコメディエンヌ、クリスティン・ウィグのこれが最後の出演だったようで、アーケイド・ファイアの演奏する「シーズ・ア・レインボー」と「ルビー・チューズデイ」のメドレーをバックに(ミックもいる)番組のキャスト達と次々にハグをしていくのだけれど、これがとても良い感じなのです。
とうわけで、わずか19分間の収録だけど満足させてもらいました。
このギフト、相変わらず書き込みのペースが遅いのですでに配布の期間が終了しちゃってるんですが、とても好評だったようなので近い内に再配布される可能性は高そう。もしくはまだ在庫があるかも知れないので、気になる人はショップに問合せを。なんて書くとまたどこからか回しモン呼ばわりされちゃうのかな(苦笑)。
5月に放送されたアメリカの人気バラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ(SNL)』でミック・ジャガーがジェフ・ベックと共演。他にもフー・ファイターズと「19回目の神経衰弱」と「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」のメドレーを披露したほか、アーケード・ファイア(名前しか知らない)とも3曲で共演。
最初に見たのがベックとの共演映像だったのだけれど、これが何とも心地よい衝撃というか、とにかく何度見てもワクワクさせられる。
二人は今何歳なんだっけ?
ベックは今月の24日で68歳に。ミックは来月の26日で69歳になる。何とも月並みで申し訳ないけど、とてもそんな齢には見えない。その佇まいの若々しさには本当に驚くばかり。
プレイだってお見事。ベックはあの予測不能な、ゆえにベックらしいトリッキーな技をかませつつ、ミックは、これまたどこまでもミック・ジャガーで。演奏が始まってすぐの「お前どこ行ってんだよ?w」みたいなやり取りも妙にグッとくるし、ソロの最後でベックが低音弦のアーミングをキメた瞬間のミックの笑顔も素敵です。
そうそう、それと忘れちゃならないのが、リズム隊が数年前にベックと活動を共にしていたヴィニー・カリウタとタル・ウィルケンフェルド嬢だってこと。久しぶりにこんな演奏を聴かされると、これ当然ワンオフなんだろうけど、何とも勿体ないキモチが募るというか。
またこの二人と一緒に演ればいいのにと本気で思ったりして。
そんなココロに残る演奏。出来ればいつでも気軽に観られるようブツとして手元に置いておきたい。それを今回西新宿某ショップの”2点買いギフト”が叶えてくれました。
収録内容は下記の通り。
1. Intro: (I Can't Get No) Satisfaction - Portion of Skit (1:08)
2. Mick Jagger & Arcade Fire - The Last Time (4:29)
3. Mick Jagger & Foo Fighters - 19th Nervous Breakdown & It's Only Rock 'n Roll (But I Like It) (6:30)
4. Mick Jagger & Jeff Beck - Tea Party (Presidential Election Blues) (3:40)
5. Arcade Fire - She's A Rainbow / Ruby Tuesday (3:31)
個人的にはやはりベックとのブルースに最も心惹かれるけど(秋に行われる大統領選のことを歌っているらしい)フー・ファイターズとの共演もとても面白い。実に彼ららしい轟音アレンジで強引に迫るも、何ら気圧されることなく、いやむしろノッケからムードを掌握しているミックがやはりサスガ。あの自然発生的アクションも全くもってカッコイイし。
それとチャプター5がまたなかなか印象に残る映像で、2005年から番組に出演していたコメディエンヌ、クリスティン・ウィグのこれが最後の出演だったようで、アーケイド・ファイアの演奏する「シーズ・ア・レインボー」と「ルビー・チューズデイ」のメドレーをバックに(ミックもいる)番組のキャスト達と次々にハグをしていくのだけれど、これがとても良い感じなのです。
とうわけで、わずか19分間の収録だけど満足させてもらいました。
このギフト、相変わらず書き込みのペースが遅いのですでに配布の期間が終了しちゃってるんですが、とても好評だったようなので近い内に再配布される可能性は高そう。もしくはまだ在庫があるかも知れないので、気になる人はショップに問合せを。なんて書くとまたどこからか回しモン呼ばわりされちゃうのかな(苦笑)。
西方徘徊 168:MONTROSE 『Warner Brothers Music Show 1975』 1975年1月20日フランクフルト
2つ続けて廃盤のタイトルを取り上げたので、今回は現在でも入手出来るブツを紹介してみます。
前回お題にしたパリ公演の15日前、1975年1月20日にドイツのフランクフルトで開催されたイベント”Warner Brothers Music Show”出場時の演奏を収録。今回はオーディエンス音源です。
10曲でトータル56分半とちょい。単独のライブじゃないので短めなセットになってますが、まずはこの日も部分的にスタジオバージョンと異なる、ライブ音源でしか聴くことの出来ないアレンジが随所にちりばめられているのが魅力的。
オープニング曲「I Got The Fire」と続く「Rock Candy」こそスタジオバージョンをほぼ踏襲した流れになっているものの(前者での気負い気味にも聞こえるギターソロがなかなか興味深い)、まずはベースとギターが軽くジャブを交わし合い、ベースソロ、そして鳴きのスライドギターが扇情的な音色を奏でる中盤の展開とエンディングをギターとボーカルの掛け合いで〆る「Bad Motor Scooter」。
これまで紹介したどのタイトルにも収録されていない貴重な「Paper Money」のライブバージョン。アルバムでは重厚なサウンドプロダクションで仕上げられていた「Spaceage Scrifice」はクリーンとディストーションを巧みにコントロールすることによって生まれるメリハリ感が魅力的だし、間髪入れず一気に吐き出す様にバリバリと弾き倒すソロから、74年のクリーヴランド音源でも聴くことの出来るブルースインプロヴィゼーションへと突入していく流れも実に見事。
と思いきや、その直後に1分程度ですかね、テープチェンジに因るものと思われる突然の欠落が発生してしまうんですが。
クライマックスはそのブルース曲からやはり畳み掛けるように演奏される必殺チューン「Rock The Nation」とドラムソロを挟んでから「Space Station #5」へと一気呵成になだれ込んでいくまさに鉄板の構成美。前者ではサビの部分にもひと味違うリズムアレンジが施されているのが興味深いし、中盤の緩急を効かせたインプロヴィゼーションも効果的に響く。そして最後は「Good Rockin' Tonight」という直球なロックンロールで了。
それにしても、このフィンガリングやピッキングの微妙なニュアンスまで聴き取れるような音像の面白さたるやどうだろう。とにかくギターの音がやけにクローズアップされているのが特徴。そのせいで時々歌がかき消されてしまうなど、バランス的には聴きやすい音源とは言えないのかも知れないけど、今はとにかくロニー・モントローズというギタリストの技と音を、そこを浴びるように聴いていたい自分にとってこいつは何とも抗し難い魅力をもったブツなんですよね。
そして基本アグレッシヴに、曲のムードをギター1本で決定付けてしまう押しの強さというか、存在感溢れるギターワークをあらためて堪能させてもらった次第。
更に言うと、あの良く言えばバリエーション豊か、悪く言えばデビュー作に比べ統一感を欠いた仕上がりになっている2nd『Paper Money』のクオリティの高さと旨味が今更ながらに身に沁みたりして。そんな嬉しい副産物を実感しながら、あらためてモントローズ良いなぁ、で今宵も更けていくのでありました。
ところで、”Warner Bros. Music Show”とは一体何ぞや?ってことで調べてみたところ、どうやら2日間での開催だったらしく、こんなラインナップだったことがわかりました。
1月20日 : Montrose, Tower Of Power, Little Feat
1月21日 : Graham Central Station, Bonaroo, The Doobie Brothers
当時デビューしたてのBonarooがレアですが、ドゥービー・ブラザーズでジョン・ハートマンとその屋台骨を支え合ったドラマー、マイケル・ホサックがドゥービーを離れた後に結成したグループ。ところがそのマイク、なんと今月12日に65歳の若さで亡くなってしまったんですよね・・・。
そしてさらに深堀り?したところ、当時こんなLPが制作され、その写真が今回のブツのスリーブに使われていたんですね。
『THE WARNER BROS. MUSIC SHOW』
Label:Warner Bros. Records – WB 26 028
Country:Germany
Released:1974
SIDE-A
1. Pursuit On 53rd St. / The Doobie Brothers [2:33]
2. Feel The Need / Graham Central Station [3:53]
3. Oh Atlanta / Little Feat [3:26]
4. Bad Motor Scooter / Montrose [3:43]
5. Don't Change Horses (In The Middle Of A Stream) / Tower Of Power [3:02]
6. Sally Ann / Bonaroo [2:55]
SIDE-B
1. Black Water / The Doobie Brothers [4:17]
2. We've Been Waiting~Release Yourself / Graham Central Station [4:27]
3. Dixie Chicken / Little Feat [3:55]
4. Connection / Montrose [5:42]
5. Only So Much Oil In The Ground / Tower Of Power [2:59]
モントローズは「Bad Motor Scooter」と「Connection」の2曲が収録されているようですが、ん?「Connection」??
2nd『Paper Money』の2曲目に入っているストーンズのカバー曲ですが、今回のブツには未収録じゃないですか。ってことはこの音源は全曲収録じゃないってこと?それとも単なる曲名の表記ミスとか?
しかもトラックタイムを見ると「Bad Motor Scooter」が今回の音源のそれに比べて2分程短い。これは一体どうしたことか?
そこで改めてスタジオ版の曲時間を手持ちのCDで確認してみたところ前者は「3:43」後者は「5:44」となっていました。なんてこたぁない、このLPは当日出場したグループのスタジオ音源をコンパイルしたものでしたというオチ(ってことでいいんですよね?)。
前回お題にしたパリ公演の15日前、1975年1月20日にドイツのフランクフルトで開催されたイベント”Warner Brothers Music Show”出場時の演奏を収録。今回はオーディエンス音源です。
10曲でトータル56分半とちょい。単独のライブじゃないので短めなセットになってますが、まずはこの日も部分的にスタジオバージョンと異なる、ライブ音源でしか聴くことの出来ないアレンジが随所にちりばめられているのが魅力的。
オープニング曲「I Got The Fire」と続く「Rock Candy」こそスタジオバージョンをほぼ踏襲した流れになっているものの(前者での気負い気味にも聞こえるギターソロがなかなか興味深い)、まずはベースとギターが軽くジャブを交わし合い、ベースソロ、そして鳴きのスライドギターが扇情的な音色を奏でる中盤の展開とエンディングをギターとボーカルの掛け合いで〆る「Bad Motor Scooter」。
これまで紹介したどのタイトルにも収録されていない貴重な「Paper Money」のライブバージョン。アルバムでは重厚なサウンドプロダクションで仕上げられていた「Spaceage Scrifice」はクリーンとディストーションを巧みにコントロールすることによって生まれるメリハリ感が魅力的だし、間髪入れず一気に吐き出す様にバリバリと弾き倒すソロから、74年のクリーヴランド音源でも聴くことの出来るブルースインプロヴィゼーションへと突入していく流れも実に見事。
と思いきや、その直後に1分程度ですかね、テープチェンジに因るものと思われる突然の欠落が発生してしまうんですが。
クライマックスはそのブルース曲からやはり畳み掛けるように演奏される必殺チューン「Rock The Nation」とドラムソロを挟んでから「Space Station #5」へと一気呵成になだれ込んでいくまさに鉄板の構成美。前者ではサビの部分にもひと味違うリズムアレンジが施されているのが興味深いし、中盤の緩急を効かせたインプロヴィゼーションも効果的に響く。そして最後は「Good Rockin' Tonight」という直球なロックンロールで了。
それにしても、このフィンガリングやピッキングの微妙なニュアンスまで聴き取れるような音像の面白さたるやどうだろう。とにかくギターの音がやけにクローズアップされているのが特徴。そのせいで時々歌がかき消されてしまうなど、バランス的には聴きやすい音源とは言えないのかも知れないけど、今はとにかくロニー・モントローズというギタリストの技と音を、そこを浴びるように聴いていたい自分にとってこいつは何とも抗し難い魅力をもったブツなんですよね。
そして基本アグレッシヴに、曲のムードをギター1本で決定付けてしまう押しの強さというか、存在感溢れるギターワークをあらためて堪能させてもらった次第。
更に言うと、あの良く言えばバリエーション豊か、悪く言えばデビュー作に比べ統一感を欠いた仕上がりになっている2nd『Paper Money』のクオリティの高さと旨味が今更ながらに身に沁みたりして。そんな嬉しい副産物を実感しながら、あらためてモントローズ良いなぁ、で今宵も更けていくのでありました。
ところで、”Warner Bros. Music Show”とは一体何ぞや?ってことで調べてみたところ、どうやら2日間での開催だったらしく、こんなラインナップだったことがわかりました。
1月20日 : Montrose, Tower Of Power, Little Feat
1月21日 : Graham Central Station, Bonaroo, The Doobie Brothers
当時デビューしたてのBonarooがレアですが、ドゥービー・ブラザーズでジョン・ハートマンとその屋台骨を支え合ったドラマー、マイケル・ホサックがドゥービーを離れた後に結成したグループ。ところがそのマイク、なんと今月12日に65歳の若さで亡くなってしまったんですよね・・・。
そしてさらに深堀り?したところ、当時こんなLPが制作され、その写真が今回のブツのスリーブに使われていたんですね。
『THE WARNER BROS. MUSIC SHOW』
Label:Warner Bros. Records – WB 26 028
Country:Germany
Released:1974
SIDE-A
1. Pursuit On 53rd St. / The Doobie Brothers [2:33]
2. Feel The Need / Graham Central Station [3:53]
3. Oh Atlanta / Little Feat [3:26]
4. Bad Motor Scooter / Montrose [3:43]
5. Don't Change Horses (In The Middle Of A Stream) / Tower Of Power [3:02]
6. Sally Ann / Bonaroo [2:55]
SIDE-B
1. Black Water / The Doobie Brothers [4:17]
2. We've Been Waiting~Release Yourself / Graham Central Station [4:27]
3. Dixie Chicken / Little Feat [3:55]
4. Connection / Montrose [5:42]
5. Only So Much Oil In The Ground / Tower Of Power [2:59]
モントローズは「Bad Motor Scooter」と「Connection」の2曲が収録されているようですが、ん?「Connection」??
2nd『Paper Money』の2曲目に入っているストーンズのカバー曲ですが、今回のブツには未収録じゃないですか。ってことはこの音源は全曲収録じゃないってこと?それとも単なる曲名の表記ミスとか?
しかもトラックタイムを見ると「Bad Motor Scooter」が今回の音源のそれに比べて2分程短い。これは一体どうしたことか?
そこで改めてスタジオ版の曲時間を手持ちのCDで確認してみたところ前者は「3:43」後者は「5:44」となっていました。なんてこたぁない、このLPは当日出場したグループのスタジオ音源をコンパイルしたものでしたというオチ(ってことでいいんですよね?)。
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